ハッピーハロイン

 1月7日。

 誰でも釣れる発勁はヌルい。
 言った本人以外は確かに誰でも釣っていたヌルいフィールドなのかもしれない。
 この日、久しぶりにグランドマスターの秦明と合流となり、発勁まで足を延ばすことになった。
 潮回りは長潮。
 普通なら行くことの無い潮回りではあるが、あの劇的に釣れない伝説三輪氏をして“ヌルい”と評された場所である。潮回りが悪くても何とかなるかもしれないという気にさせてくれる。
 また、潮見表にははっきりとした干満の山が出来ている。
 そこで「今日は発勁が長潮でも釣れるかの実験」と伝説式保険を掛けての出発。

 現地入り。
 開始時は十分な光量があったので、朕は見せるけど見せないを意識し、ジギングでボトム寄りを探る。
 居ればすぐに反応を見られるので居る居ないの判断はし易い魚だと思う。
 と、探りを一通り入れてみるが反応は無い。
 弱めのワームで探りを入れている秦明も反応は無いという。
 やはり長潮だからか。しかし、岸壁を見れば満潮時の痕跡もはっきりとわかるほどに干満があったことを示している。
 帰路の中華料理を楽しみにしての釣行であったが、早くも「メシなんて食ってられるような状況か?」と、三輪式を用いなければならなくなっていた。
 とはいえここまで来られる機会は滅多にない。辛抱強く状況の推移を見守ることにする。
 やはり我々釣り師はあれこれの理論を学び、細かな技巧を取り入れてはいるが、結局のところ環境に釣らせてもらってるに過ぎないのだな…などと話し合いつつも「おめえがいいって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」と、今日この場所を選んだ責任をなすりつけあった。

 「発勁は見えてくるものが無いのう」というレジェンド語が漏れるほど閉塞的な状況の中、伝説の「突き落としてやろうか」発言発祥の地を秦明に案内し、何の気無いキャストをしていると、突如秦明がバイトを捉え匹にカウントされるメバルをキャッチ。
 少し間を置いて朕もバイトを捉え小型のアイナメをキャッチ。
 ワームじゃなくルアーで釣ったオレの方が偉い、などと言って浮かれていたが、またしても何事も起こらない時間帯に突入。
 釣れないこともない、ということはわかったが、これでは“誰でも釣れるヌルい”フィールドとは言い難い。
 「みんなあの人上手い上手いって言うけどよお、あの人本当に上手えかあ?」と秦明が伝説三輪すれば、朕は「おめえら大層な御託並べてるけどよお…釣れてねえじゃねえか」と、レジェンドⅡで返す。

 現状も把握できないまま日没に入る。
 そして、そこから反応が出るようになってくる。光量が落ちることによってそこにいた魚が活動を始めたのか、何かしらの理由によって魚が入ってきたのかまでは断定できないが、とにかく先程までの絶望的な状況が一変した。
 秦明はぽつぽつと数を重ねていくが、朕は「釣れましたか?」「アタリはあるよ」状態が続く。
 よっぽどルアーが合ってないのか、とルアーチェンジしようとしたところ、ジグヘッドの針が折れていたことが判明。そして、針の状態をチェックせぬままリグりっ放しのベイトをキャストしているというてきとーぶりを秦明に見られてしまう。
 当然「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお…」と、あくまで体裁を取り繕おうとするレジェンド式を用いた。
 と、紆余曲折あったものの、蓋を開けてみればトップウォータープラグを始めとする小型の表層系ハードベイトが炸裂する時間帯もあったりして“誰でも釣れるヌルい”発勁を満喫できていた。
 朕は匹クラス1含む23尾。秦明は匹クラス5含む40尾超え。
 
 中潮、大潮の日を選んで来て「突き落としてやろうか」と泣くほどに釣れなかったのはいったいどういうことなのか、と、このポイントが初めての秦明は首をひねるばかりであった。

 続けていればずっと釣れ続けていただろうという感触はあったが、十分に楽しめた感があったので、もう一つの楽しみ龍盛菜館での食事のため早めの納竿とした。
 「メシなんか食わねえぞ!」なんてブチキレるような事態に至らず何よりでしたな、と満喫の余韻に浸っている頃、病み上がりの李立よりメール着信あり。
 「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」というお約束と共に多摩川での釣果写真が添えられていた。

 龍盛菜館到着。
 満足な釣果に満足の食事。苦戦を予測していただけに、この日の喜びは格別のものだった。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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