『ダウンバイローでこんにちは』に捧ぐ

 1月9日。

 昨日は冷たい冬の雨の中、伝説三輪氏には無い根性を出し、フィールドに立つも、二時間弱で指が動かなくなり“だらしがねえなあ”なノーフィッシュ撤退となった。

 この日は雨も上がり、午後にはやや温かさも感じられるまでに回復。
 世間では連休の最終日。
 この天候ならば近隣の釣り人が多数訪れることが予測される。
 豊富なベイト、元旦のビッグフィッシュ釣果の美味もプラスされたことにより、またしても降臨が見られるのではないか。
 そんな期待も込めて準備していたところ、公孫戍こうそんじゅより、夏侯章かこうしょう宅に寄ってから多摩川へ向かうとの連絡あり。
 
 降臨跡に入ろうとしたところ、ちょうど江三子がこちらに向かってくるところだった。
 公孫戍よりラスティンブックのひとつをかたじけのうする。
 眼下では童威が準備を終えたところだった。
 そして川沿いにはセニョール、張横、侯嬴こうえい、冬だけバサーといった見知った顔の他、三輪氏の好物が多数在った。
 休日らしい多摩川の光景。
 新川節を謳うには絶好のロケーションである。朕は、見知らぬ釣り人のほとんど居ない日に降臨された伝説三輪氏を少しだけ憐れんだ。

 降臨元年一月九日の釣りが始まる。
 元号が改まってからの釣果、状況の推移を論じ合う中で、やはり三輪氏が巨大ナマズを小さなグラブのイモで釣っていたことは人々の驚嘆の的だった。
 また、セニョールはかつて、三輪氏から欲しくもないルアーを断っても断ってもしつこく押し付けられ、仕方なくもらうことになった経験があると振り返った。
 発掘しきったと思われた伝説の軌跡だが、まだそんな逸話が残っていようとは…。
 ここ、降臨跡ではスモールマウスを釣っている者を二人見た。
 我々には釣れなかったが、環境の回復と釣人に優しい天候の効果は如実だった。

 17時の鐘が鳴る。
 これまでにバイトらしき感触を得ることもあったが、釣れなかった我々は何かが足りていなかったのだろう。
 しかし、光量が落ち、プレッシャーが緩和されれば、こちらの誤りに対して向こうも寛大になる。まだまだチャンスありだ。
 セニョールの撤退を機に、朕と江三子、童威は韓流ポイントへ移動。
 朕はファットアルバートグラブのイモとCDラパラで底と中を舐め回していたが反応を得られない。
 ヤマモトワームでボトムを探る公孫戍と童威も同様だった。
 バスはどうかわからないが、水面からは魚が活発に動いている様子が見て取れる。
 しばらく反応を得られていなかった朕と公孫戍はいつの間にやら、尾崎豊やら山田康夫やらといった懐し話に夢中になっていた。
 そんなだらけた我々に「おしゃべりしてないで釣りしなよ!」と、アナザーレジェンドばりの勢いで童威が魚を掛けて見せた。
 寄せてみれば確実に40を超えている魚体であることが判明。
 前回のツープラトンランディング失敗を反省していた朕と公孫戍だが、今回はスウェード・ハンセンを潰した、アドニス、マードックばりの完璧なコンビネーションで、童威のランディングをサポート。
 グランデとかゴンザレスな魚体であり、フッキングも絶妙な位置に決まっていた。
 スケールを当ててみれば50を確実に超えているが、明らかに55には届いていないというサイズのナイスバスだった。
 リリースを終え、得意満面の童威に、バス50アップ童貞の我々は「突き落としてやろうか」と、伝説式泣きっ面で僻んだ。

 夏侯章が「二回掛けて一本釣れたよ」と、得意げにこちらにやって来る。しかし、童威が50アップを釣ったと知るや「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、若干噛み気味にレジェンドギレしてみせた。
 少し離れた場所からは「今年初」という下野さんの声。
 ノーフィッシュの朕と公孫戍に焦りが生じ、「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と、伝説式虚仮の一念を発揮するが、遂に迎えるタイムアップ。
 さあ、帰ろうかと集合している時、夏侯章がスモールマウスをばらしていた。
 「なぁーにやってんの!」
 抜け駆け同然の夏侯章に対し、満場一致でアナザーギレを決め、この日は終了となった。

スポンサーサイト

テーマ : お仕事奮闘記
ジャンル : 就職・お仕事

tag : ルアーフィッシング 多摩川

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

最新記事
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード