降臨元年 ~かの傑王記~

 1月1日。

 伝説元年は、ついに降臨を見ることなく終わってしまった。
 どうせ現われぬなら、光量が落ちてからに絞って行こう、と、休日であるにもかかわらず遅めに出発とした。
 既に江三子や武松は多摩川入りしているという。

 伝説跡に入ってみれば人出はそれなりにあったが、案の定、名物の三輪車は見えない。
 武松の姿が見えたので「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と挨拶したところ、隣に居た釣り人は、何とこの発言のパイオニア。
 そう、これまでに数々の名言を発してきた伝説三輪氏その人だった!
 遂に降臨してこられたレジェンドⅡ!
 長く待ち焦がれていた奇蹟の瞬間である。
 「おめえよお、オレが僻んでるみてえなこと言ってるけどよお…オレは僻んでるわけじゃねえからな」と、泣いて噛み付いてこられていたが、ガチだからといってシュートが強いかというとまた別の話。
 噛み付くも噛み付ききれず、例によって吐いた唾を呑んでおられた。

 そんな三輪氏をあやすのはほどほどに、朕は約束を違えず、H1で使えそうなハードベートをBフォロワーの返礼として武松に渡した。
 安くても十分な働きをするバックフローバイブと、スピニングで使ってほしいシャッドダンサーである。
 トーナメントでの勝ち方は朕にはわからぬが、持っていて損はないベートだという自信はある。

 江三子、ナマズさんも現れ、かつてこの地を主宰した伝説の登戸名物の降臨に感銘を受けていた。
 「私は復活する」
 聖書の言葉は嘘ではなかったようだ。
 降臨があったからには元号も改めるべきであろう。今、この時より降臨元年が始まったのである。
 ただ、こんなにもめでたい奇蹟が起こっていたというのに、見ず知らずの釣り人が少なすぎたのはいかにも残念だった。
 この間の悪さもまた三輪氏の持ち味なのかもしれない。

 新年早々の慶事に気を良くし、これは何かあるぞ、とキャストしていたところ、下野さんが朕を呼ばわる。
 何事かと指される方向を見れば、あろうことか三輪氏がファイト中。
 目の誤りか?ファイトしてるのは武松ではないのか?それならば納得できる…いや、三輪氏だ!
 またしても奇蹟!
 朕の「こりゃ、突き落としてやろうかだな」という伝説語録引用も意に介さぬ喜びぶりで、ギャラリーに僭称釣りウマ節を謳っておられた。
 やはりこのキャラクターは、このエリアに常備しておきたい存在である。
 朕は伝説の名物降臨に立ち合えなかった人々のために悔やんだ。

 あの三輪氏ですら釣れるのだから、今日は魚が活発に動いているに違いない。そんな期待が我々の胸中に生じ、各々キャストを続けているうちに童威がやって来る。
 伝説復活の生け贄となるのか、上手く躱すのか見ものだ。あの滅多に釣らない人が釣れてしまったのだから活性も高い状態である。
 上流まで一通り流していった童威だが、ニゴイのチェイスがあったのみだという。
 他に何が無かったか?と問うてみれば他には何も、と答える。
 「今、あのバギーのおっちゃんが来ておられるのだぞ!」
 「え?武松さんの隣に知らない人がいましたけど…まさかあの人が伝説の…」
 「いかにも。あの御方こそ数々の逸話を残したこちらの伝説である」
 その期待された接触こそ無かったかが、童威が歴史を知った日となった。

 光量が落ち韓流ポイントへ。
 しっかり防寒着を着込んでいれば寒くはあっても辛いというほどのことでもない寒さの今日。
 ここで真っ先に音を上げたのは三輪氏。
 朕は「“根性”だろ?」と、伝説語録で焚き付けてみたが“ガチ”のギブアップ状態で撤退していった。
 根性、修羅などなど、勇ましい言葉を口にしていながら、結局いちばん口ほどにも無い人ぶりは相変わらずだった。
 残された者たちは歴史的な日に居られたことを喜び合いつつの続行となったが20時に至るまで誰も釣果を得られることなく終了。

 多少プレッシャーはかかっているがバスはバス。つとめてこちらがプレッシャーを与えぬよう注意すればシーズナルパターンに則った動きが見られるようになってくるだろう。今後も継続的に降臨が起こることを期待したい。
 そして、今回、思いもよらぬお年玉をもたらしてくれた、イエローテイマー・武松の功に一同感謝しての解散となった。



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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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