天下無道の外にて

 12月31日。

 遂に今年も、主宰者、修羅である登戸名物を見ることができないまま終わってしまうのか…。
 諦めの中、目覚めてみれば、既に武松が多摩川入りしており、Bフォロワーを引き渡す準備ができている。
 更に公孫戍こうそんじゅより、これから多摩川に向かうとの連絡が入る。
 出遅れる形となった朕は「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と一泣き、ポイントへ急ぐ。

 伝説跡。
 穏やかな晴れた午後。だが釣り人は寡ない。
 見えたのはタックル準備中の童威と、他に二、三人といったところ。
 これでは万が一三輪氏が降臨してもひもじい思いをさせてしまうではないか。
 しかし、裟婆では大晦日か。こんな日にこんな場所で釣りができるのはやんごとなき御身分の人だけであろう。
 浮世離れが染み付いてきたことに小さな喜びを覚える。

 上流域から釣り下ってきた武松が現れる。
 サイトフィッシングでナマズに躱され、コイのチェイスがあったのみだったとのこと。
 かくしてBフォロワーを受け取り、柴田隊長直伝のBブリング改良法を教わる。
 ペリカで実費を払おうとしたが、武松は固辞。代わりにH1で勝てるベイトが欲しい、という難題を突き付けられる。

 江三子、童威合流。
 陽の出ている間はあの手この手とやっていたが誰も手応えを得られず。侯嬴こうえいが伝説跡に来ていたので話を聞いてみたが、やはり芳しくないという。
 よくよく考えてみれば冬にシャローというのも妙な話。多摩川という環境ならではともいえる。
 温暖とはいえないが寒いなりに安定に入っているはずだから、誰かしら反応を得ても良いのでは、とも思うが、皆「オレだってちゃんとやってるよ!」泣きである。

 陽が傾く。
 韓流ポイントへ。
 この数日間の安定を考えれば粘っているうちに釣れるだろうと唱える朕と公孫戍に対し、下野さんは釣れる気がしない、と言う。
 とにかく今は「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と、泣いてでもキャストするしゃない。
 そして、沈黙を破ったのはあろうことか、諦めの境地にあった下野さんだった。
 更にポイント移動し、一本追加。
 釣れると信じていた者は釣れず、捨てていた者が釣るとは…下野さん以外は皆、「突き落としてやろうか」と、伝説三輪泣きである。

 帰路、「腹減りましたねえ、何か食って行きません?」と武松がいう。
 空腹を覚えていた朕は「いいですねえ」と答える。
 …は!?
 「飯なんかくわねえぞ!」と、改めてキレてみたものの時既に遅し。
 最後の最後で痛恨のミステイク。
 そんな失敗を犯しながらもしっかりと飯を食い、今年最後の釣行を終え、明日の本気に備えた。

 ※マー語





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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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