舞台、ベイト、此処に在り

 12月3日。

 この日は夕刻より楡柳荘ゆりゅうそうの面々との宴席があるので、釣行は控えようと思っていたが、アユの恩恵を味わいつくしておかなければきっと後悔するだろう、ということで多摩川伝説跡に行ってみることにした。

 既にランカシャースタイルのバスフィッシングを身上とする公孫戍こうそんじゅと、混沌氏の術を修めている夏侯章かこうしょうが韓流ポイントに入ったとの報が伝わる。
 韓流ポイントと伝説跡にはから隔たりがあるので「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、無駄にレジェンドギレせずに済む。

 現地入りしてみたところ、土曜日にしては釣り人の数が少ないな、という印象。これでは伝説三輪氏が現れないのも仕方が無い。
 アユの姿が確認できるまで、テトラ帯アウトサイドをオーソドックスなテキサスリグで流していく。
 エサを探して徘徊するスモールマウスから反応を得られるかもしれないと続けてみたが何事も起こらなかった。

 釣り上がって来た公孫戍と夏侯章が現れる。
 「ぁーにやってんの!?」というお約束に対し、朕は「オレが考え無しにやってると思うか」と、これまた伝説式で応えた。レジェンドたちが現れなくなったからといって、我々は怠ったりはしない。

 上流側で何やらヒットさせている釣り人が居る。
 見れば隣でサポートしているのは侯嬴こうえいだった。
 トップに出た、というのでナマズかと期待したがードのニゴイだった。
 伝説三輪氏の好物のような釣り人である。登戸名物が不在だったのは、この釣り人にとってみれば幸運であったといえる。
 小規模ながらアユの群れは入っていてライブベイトの確保もかろうじて可能な状況にあった。
 侯嬴と挨拶を交わすことはたびたびあったが、話すのは久しぶりであった。して、釣果はと尋ねると、ナマズは150匹を超え、スモールマウスが釣れることしばしばだったとか。
 もちろん、殺気を湛えた涙目で「突き落としてやろうか」である。
 朕はライブベイトフィッシングに興じていたが、アユは居てもフィッシュイーターからの回答はなく、公孫戍とプロレス者な会話を楽しんだりしながら、無聊を凌いでいた。
 そんなだらけたムードにあった時、「ミノーのただ巻きに来ちゃった」と、侯嬴。
 ナマズではなさそうだ、と寄せてみればコイ。
 Xラップで関東巨鯉倶楽部達成。
 朕は涙目になりながら「多摩川の釣りはラパラ巻くのがパターン。つまらねえ釣りだ」と、伝説三輪式で僻んだ。

 時間の経過と共にアユの群れが濃くなっていき、魚食鳥たちも漁を行うようになる。
 下野さん、ナマズさんもやってきてプライムタイムを期待する。
 駄菓子菓子…。
 何度かエサを投げ飛ばしたり、持って行かれるだけに止まったりしながらようやくキャッチした魚は、やはり外道のニゴイ。
 その後はライブベートでもルアーでも魚を釣る者は無かった。
 下野さんはスイムベイトで盛んにカモメのバイトを得ていたが、残念ながら魚ではない。

 そうこうしているうちに宴席の時刻が迫る。その価値が下落してしまったとはいえ、とりあえずノーフィッシュを逃れられたことにより、安心して撤退できた。

 ※マー語
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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