ジタンの島

 11月16日。

 昨日、李立が多摩川伝説跡で三本のナマズをキャッチしていた。
 同日、伝説跡より下流のエリアでは、久しぶりに多摩川に入ったという義士も二本のナマズをキャッチしていたのだった。
 ナマズをメインターゲットにしながら、三ヶ月近い間、どうにか釣れてもコイばかりという朕は、当然のように彼らの功に対し伝説式僻みのコメントで返信した。

 かくして迎えた当日。
 機が到来しているのかもしれない。
 昨日の釣果に続かんと、新川で鍛えた本気を実釣をもって示すつもりでいたが、昼食後、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気のため、気が萎えてしまい出発を取りやめることにした。

 結局この日、朕はフィールドワークを怠ってしまったが、室内でワークに励み、ラトリンベイトの手術を行い、サマナとしての務めは果たした。
 その内容は、シュガーディープ、スキッターウォーク、アマゾンペンシル、シータイガーといったベイトの遊動シンカーは生かしたまま、甲高い音だけを殺すという手の込んだものだった。
 これらで釣ることが出来ればいうことなしだが、「○○が釣れるかの実験」という伝説式保険にも使えるので、かけた労力は決して無駄にはならない。

 作業がひと段落着いたころ、李立より釣果報告が届く。
 昨日はナマズ、今日はブラックという連日の好釣果。
 曰く、アユの動きが釣果を左右しているという。
 「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお」といって、泣きながらも強がってしまうようなガチな性格ではない朕は、好調の理由が知りたくてならず、どうすれば釣果を得られるようになるのか教えを乞うた。
 話を聞いたところ、知識としてのアユの生態に関しては朕と同程度でも、その観察眼、洞察力が決定的に朕を凌駕していた。
 まさに慧眼というものである、と感心する朕であったが、強すぎる自尊心のため素直に相手の力量を認めないのがレジェンド式。
 「おめえ何でそんなことがことがわかるんだよお!?」
 と、泣いて返礼した。
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ジャンル : 就職・お仕事

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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