登戸の百姓(ひゃくせい)、集いて降臨の時を待つ

 11月20日。

 昨日、李立が40アップを釣り「多摩川で連続ボーズなし!」という伝説式自慢をキメていた。
 当然「突き落としてやろうか」の伝説泣きである。

 さて、国内海外でも人気のラッキークラフト。購買意欲を煽るために流通調整などしないはずなのに、手に入らないBフォロワー。よっぽど不人気なのだろう。
 朕はことのほか重用しているベートだが、現在使っているものを無くしたり、壊してしまったら終わりである。
 そんな折、公孫戍こうそんじゅが仕入れに成功したというので、この日受け取る運びとなる。
 帰宅時、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気に襲われていたが、今日を逃しては次の機会は次の土曜日になってしまう。というわけで“根性”を出し、伝説跡に向かうことにした。

 ポイントに向かう途中、後続の、原付に乗るライダーが伝説三輪氏に見える。降臨への渇望と、睡眠不足が見せた幻というものであろう。

 現地入りし、公孫戍を探す。
 上流側の釣り人の一団に公孫戍の姿を発見。
 「おめえ、どこに居るんだよ!」というレジェンドギレを挨拶の代わりとした。
 李立が既に40アップをライブベイトで釣ったという。
 瞼を半開きにした泣きの状態で「そこまでして釣りてえか」と、伝説三輪するより仕方がない。
 公孫戍と親しく話していた人物が、このブログの読者であると紹介される。ライブベイトフィッシングの難しさと醍醐味を知る人物であり、かつて江南の蕃地で修行していたという允常いんじょうという者だった。
 約束のBフォロワーを受け取る。

 釣り廃人のクズである朕の支払いはいうまでもなくペリカだ。これを入手するまでの苦労話は前日聞いていたので、ペリカ払いではあっても、色を付けて、という粋は忘れなかった。
 念願のベイト、好みのカラーであったことで、朕は竜顔ほころばせ、はなはだご機嫌うるわしくあらせられた。

 しかし、その和やかな空気もたやすく打ち破られることになる。
 「何かあたった」
 と、ファイトを始める公孫戍。
 すぐにスモールマウスが水面に現れる。
 40には届かないがなかなかの魚にしてルアーでの釣果。
 朕は隣でキャストしていたにもかかわらず「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」とレジェンドギレ。
 伝説三輪氏の泣きキレの前には「あんた、オレらと違ってガチじゃなかったんでねえの?」という突っ込みも野暮というものだ。
 更に、ライブベートでバイトを得ていながらランディングをことごとく失敗していた李立も、遂にフッキングが決まっていた。
 70近いグッドサイズを見せ付けられた我々は、頭頂から怒気を立ち上らせ、殺気に満ちた涙目で「突き落としてやろうか」と泣いた。

 温和な気候の日曜日であった。
 名は知らなくとも見たことのある釣り人、まったく見ず知らずの釣り人、寒くなるとバスを狙いに来るシーバサー、エサ釣りのナマズさん、下野さん、夏侯章かこうしょう、李俊…と、多くの釣り人が伝説跡を訪れていた。
 レジェンドⅡやアナザーレジェンドの降臨を期待する者は今日も肩透かしをくらってしまったという恰好である。
 代わりに、我々は互いのガチっぷり、ヘボっぷりをけなしては無聊の時を凌いだ。
 もうチャンスは無いのか、と思い始めるようになった頃、シーバサー氏の友人がナマズをキャッチしていた。
 もはやナマズはルアーでは厳しいのではないかと思っていたが、スプーンにヒットしてきたという。
 「あ、D氏がちりちりしてきたぞ」
 公孫戍が弄りの矛先を朕に向けてきた。
 そこで朕は「新川で鍛えた本気を実釣をもって公孫さんに示す!」と、レジェンドⅡに負けぬほどのガチモードになり、比較的反応を得易い魚食ゴイを狙うことにした。

 日没が近付く。
コイはチェイスこそするものの、バイトにまでは至らず、押さえ込んでいた眠気も辛くなってくる。
 李俊、李立、江三子はこれから下流側に移動し、本気を出すという。
 朕も便乗したいところではあったが、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気とけだるさに意気を挫かれ、「オレはおめえらと違ってガチじゃねえからよお」といって別れの挨拶とした。

 帰宅し、だらだらとタックルを片付けていたところ、一昨日買ったばかりのバンタムクランクに浸水を発見。
 動きを見るために何回かキャストした程度なのに…伝説泣きもできず、ガチで泣きが入ってしまった。

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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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