離散 伝説跡

 9月1日。

 台風は去ったがポイントの回復はいつになるのだろう。現在平常通りに戻っているとは考え難いが、そんなことを言っていたら「やってみなきゃわかんねえじゃねえかよお!」と、泣きの三輪氏に叱責されてしまうだろう。

 ということで登戸に行ってみた。
 平日であるため、伝説三輪氏降臨の可能性は皆無というのがいささか残念である。
 川を見れば水勢は強く、白濁りで水位は平常通り。
 李俊とセニョールの姿があった。
 セニョールとこれまでのこと、これからの予測についてや、欧州、日本に於ける魚の移植事情について話し合ったりしながら、魚からの返答を待つ。
 しかし、盛り上がる会話とは裏腹に釣りは冴えないまま時が流れていく。
 水温の低下、濁りの質、現在の水の動き、といったものを見ればこのエリアはマイナス要素に満ちている。
 ベートフィッシュは目に見えるほどに居たが、群れとしての規模は小さく、散在しているという感覚だ。
 普段はうんざりするほどに見るコイもごくたまにその存在を確認できる程度だった。
 大きな地形の変化を示すものを見ることはできたが、これがどんな効果をもたらすかについては水況が落ち着いてから判断すべきだろう。
 釣果を諦めた朕は、登戸側に来たついでだから、と五本松対岸ポイントの様子も見ておくことにした。
 入れ替わるように公孫戍こうそんじゅ夏侯章かこうしょうがやってくる。アナザーレジェンドやバスバブル時代の話に花を咲かせたいところではあったが、オチアユ、低水温期になればちょくちょく会うことになるだろう、ということで挨拶を交わすのみ。

 ポイントに向かう途中、マフィアが無理に造った水路が完全に石で埋められ、小高くなっている光景が目に入る。
 やはりこの一大事業は河川環境を一時的に破壊しただけの迷惑行為でしかなかったようだ。計画立案者というのは科学とはよほど縁遠い遠い素人なのか。

 ポイントにはステカセキングの死骸。
 キン肉マンを苦しめた超人でさえ、大自然の力の前には為す術もないことを物語る。
 一帯は大きく変わるほどの変化は認められなかったが、土手が削られることにより、ランディングがし易いつくりになっていた。
 釣りのし易い地形になっても、魚がいなければ釣果は望めない。ここでも見える魚といえば、数は多くてもまばらな群れとなっている小魚のみ。他に魚といえば中型のコイが一匹見えた程度である。
 偏光グラスが効かなくなるまで一帯の観察を続けたが事態に進展は無かった。
 伝説三輪氏がここに居たなら「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と粘っていたのだろうか。しかし、朕は「おめえは根性がねえ」と罵られていた者。連続ノーフィッシュになってしまおうが、見込みの無いところで根性は出せず、撤退することにした。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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