奉納伝説跡

 8月18日。

 帰り道、玉屋に寄った。
 嬉しくない得意技“直前バラし”を無くするための道具を探してみたが、そんな都合の良いものは無く、見つけたのはイマカツの毛付きクランクだった。
 朕はカみちょうに表層系プラグを持っているが9800ペリカという価格に食い付いてしまったのだった。
 まあ、これで「今日はイマカツの毛クランクが釣れるかの実験」と言っておけば、ボーズを食らったとしても、自分がヘボかったからではなく、実験だったからというように持って行くことができる。

 ボーズを恐れる必要が無くなったことで安心し、夕刻、多摩川へ向かう。
 雨による増水で、堰を開放されていても水位が高いままであれば、旧第一ワンドが魚の避難場所になっていることが見込まれる。
 他の進入可能なポイントはただ水が通り抜けるだけの状態になっているだろう。
 そういう訳で伝説三輪氏降臨への期待とは無関係に登戸に入ることにした。

 登戸入りしたところ、人工岩ポイントに釣人は居たが、朕の狙う場所はもっと上流側。もし釣れたとしたら「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と泣きキレられてしまう状況である。
 堰は開放中の表示。流れは強く水位は高め。旧第一ワンド周辺は緩みとなっており、濃厚なベイトのスープに出来上がっていた。
 いかにもフィッシュイーターが窺っていそうな雰囲気だが、ゴミの密度もまた濃い。
 スピナーベートで流してみたが反応は得られない。
 このポイントが一級なのかといえば疑問符は付く。
 例えば、今は渡ることの出来ない中洲一帯は緩みの広いシャローフラットや、流れをブロックする溜まりもあり、文句なしの一級ポイントになっているだろう。
 だからといって、このエリアのすべての魚があのポイントに行っているわけでもないだろう。現に旧第一ワンドにもたんまり魚が居るのが見えているのだから。
 このスピナーベイトが合っていないだけなのかもしれない。ゴミだらけの中をトリプルフックむき出しのプラグを引くのは良策とはいえないがやむを得ない。
 “実験”と称してイマカツ毛クランクを投げてみる。泳ぎの質は「釣れる」と感じさせるピッチの速いウォブリング。ノンラトルということもあり、間違いなくナマズに使えるウェイクベイトだ。
 フックに絡むゴミをつまむのはちっとも楽しくなかったが、ルアーがパホーマンスを発揮できるよう努める。
 やがてフッキングにまでは至らなかったもののダーター型のウェイクベイトにナマズがバイトしたのが見えた。
 やはり魚は居る。あとはどう釣るかだけだ、とキャストしていたがどうも様子がおかしい。
 暗い中でもはっきりわかるほど水位が落ちている。放水量が流量を上回ったのだ。この先、特に何事も無ければ堰は閉じられ水位が戻るだろう。それまでこちらが待つことができればチャンスはある。
 水位が下がっていく時でも相変わらずベートは濃く、コイもこのポイントを離れない。

 堰操作のアナウンスが流れる。
 水勢は強いままだが、これで水の動きが変わり、魚の動きにも変化が出てくるだろう。相変わらず中洲一帯が一級だろうが、他に有力なポイントも思いつかないのでここで様子を見ることにする。
 一度水位が下がることによりゴミの密度は薄くなった。それでもザラは毎回ゴミを拾い、最後まで首を振ってくることができない。現状でストレスなくパフォーマンスを発揮できるプラグはどれか、とやっているうちに、水面を波立たせて逃げるベイトの群れが見えるようになってくる。
 そしてバイトも出るようになってきた。
 しかし「釣れましたか?」「アタリはあるよ」止まり。
 だからといって何も見えてないという訳ではない。伝説三輪氏もこういう時に「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお」と檄を飛ばし、根性を見せていれば百敗釣師にならずに済んでいただろう。
 何度かのバイトを取りこぼしながらも、今回はイマカツ毛クランクで何とかキャッチすることができたことにより、「今日のオレの仕事は終了」と、レジェンドⅡの降臨を祈願して納竿とした。

 ※マー語
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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