その好釣なるがゆえに罪せられた者

 7月24日。

 日曜日といえば世間も休日。
 伝説三輪氏の降臨はあるのだろうか。
 今日は夕刻以降を五本松対岸で過ごそうと決めていたので登戸の様子を見ることができる。
 無いとは思っても捨て切れぬ伝説降臨の可能性。現に先日、五本松に降臨痕があったではないか。
 明るいうちは調布流芯ポイントにナマズやスモールマウスを期待し、激浅ワンドにコイ科を求めてみよう、と草庵を出る。

 激浅ワンドではコイ、ニゴイがチェイスしてきたがバイトまでには至らず、流芯ポイントでは一切の反応も得られず。
 水位の微妙な低下、岸際に見えるベートの規模、下がったままの水温がポイントをずらしているのか。
 持ち時間に余裕があるので「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と吠えて粘るのもありかもしれないが、完全とは行かないまでも、可能性の有無は判定できる。
 しばらくは無いだろう、ということで予定より早く登戸へ移動することにした。

 登戸入り。
 残念ながらレジェンドⅡの三輪車は無かった。
 光量が落ちるまでここで過ごすことにする。
 見れば、師匠、李立、施恩が小物釣りに興じ、下野さんがその様子を眺めている。
 朕は挨拶代わりに「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、伝説三輪式で一喝した。
 見知らぬ釣人が何人か見える。日曜日の登戸らしい賑わいだ。新川節、変態タックル冒険譚を見ず知らずの者に大いに語り、悦に入れる場はこのように健在である。
 上流には公孫戍と夏侯章。
 声を裏返し「何やってんだよ、多摩川にバス居ねえぞ!」 と、アナザーレジェンド式をキメている。
 李俊がライトリグからシャッドプラグに鞍替えし、相変わらず釣っているという話題になり「グレイシー柔術が強いのではなく、ヒクソンが強いのと同じではなかろうか」という結論に。
 公孫戍も昭和プロレスと格闘技界に明るい。
 しかし、話は盛り上がっても釣りそのものが熱いわけではない。そんなわけで尚更“ネタ満載”な名物の降臨が待たれるのである。
 また、現在のようなフィールド状況であれば、いつものごとく釣れなくても、自分がヘボいから釣れなかったわけではないという気分にもなれよう。
 17時の鐘が鳴る。
 朕は「オレはおめえらと違ってガチだからよお」と、江三子にいとまごいをし、五本松対岸に“本気”を出しに向かった。

 長らく行ってなかった場所である。ポイントへ至る道を見つけるのに苦労し、ポイントへ着いてみれば、かつては容易に通れた場所は茂みが濃く進入困難となっていた。
 限られた範囲の中でしかキャストができず、「釣れましたか?」「アタリはあるよ」から、なかなか先に進まない。おそらくほとんどコイの反応だろうが、明らかにナマズだというものもあった。
 「ウッドウォーカーにもフラットラップにもチャガースプークにもバイトはあったさ!でも釣れないんだよ!」 というレジェンドⅡなフィーリングである。
 多くはないがナマズは道筋を辿り、ルアーにも反応は示す。しかしどのベイトも足りないか過ぎているかなのだろう。
 こういう時こそルアー、メソッドをこね回すべきだ。
 という訳でBフォロワー投入。
 これがナマズ狙いの“最終兵器”というわけでもない。
 そもそも朕はこういった針小棒大な表現は好まない。
 トップに反応が良くても食い切らない場合試してみるべきベートである、という経験によって得た知識が生きる形になった。

 李立到着。
 「釣れたん?」とマーするので「オレが考えなしにやってると思うか?」と凄みつつ、釣果はさっき皆に一斉送信したことを教えてやった。そして、それぞれのポイントに散りキャスト再開。
 朕はニゴイらしき反応を見るのみであったため、諦め、李立の様子を見に行く。
 朕が近寄っていく途中、李立は突如ファイトを始めた。こちらの気配に気付き、冗談でからかっているのかと思いきや、ナマズをヒットさせていた。
 更に間を置かず一本追加。
 その見事な手際に、朕は「多摩川のナマズは瀬でフラットラップ引くのがパターン。つまらねえ釣りだ」と、伝説式で僻んだ。
 ここは搾り出したという感覚があったので再び下流側の反転と緩みを備えたシャローフラットに入る。
 しかし、ここではまったく反応を得られず、抜けてしまったのではないかという気配が漂っていた。
 「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」 どころではない。
 結局ここで打ち止めとなってしまったが、熟練の百敗釣師と違い、釣れてないわけでもないので、思い通りの展開にならないからといってキレたり、イジけたりすることもなく、今日の状況、これからの予測を語らいながら帰路に就いた。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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