遺功衰えを知らず

 7月21日。

 昨日、義士が久々に多摩川を訪れていた。
 オプティマムベイツのスイムベートで関東巨鯉倶楽部を達成しており、百戦不殆とまではゆかずとも、一勝一負の伎倆を示していた。
 しかし、熟練の百敗釣師的視点からすれば、ソフトベイトで釣るより、ハードベートで釣る方が上のようなので、朕は「ワームでしか釣れなかったのか。だらしがねえなあ」と謗ってやった。

 かくして迎えたこの日。
 弱い雨が降り続いていた。
 増水の程度を見て入るポイントを決めるべきだろう。入るポイントさえ誤らなければ、環境が釣人に必ずや味方する日である。
 と、例によってハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気のため一寝入り。
 起きてみればメール着信。李立からだった。
 既に多摩川入りし、登戸で釣ったとのこと。
 増水して旧第一ワンド一帯が熱くなったのかと思い、直接問い合わせてみたところ、ベイトは流芯に向かっているかのような動きを見せていて、このナマズは公孫戍こうそんじゅが飼っている個体ではないかという。というのも釣られた痕が残っているからだとか。
 ほどほどの増水。堰開閉で水位が安定しない登戸エリアより、いくらか自然の流れ任せな五本松の方がよろしかろうという結論に達する。

 先に五本松に到着したのは朕だった。
 ナマズの流れに対する反応は時期によって違っていて、状況ごとに決まった傾向を見せる。
 故にこうであるということを説明するには明確な数値を示すことを求められるが、釣りを楽しむことが第一の目的であり、十分な学識も無い朕には全てのナマ師が納得して唸るような解説ができない。
 時に流れを求め、時に流れを嫌う。支配しているのは水温であり、それは絶対的な温度ではなく、そのフィールドの相対的な水温の変動だ。
 フィールド、生態に関する考察は“本気”とやらを出すより重要なことである。これを怠っているがために熟練の百敗釣師が出来上がってしまうのだ。

 流芯から水路、流れの絡むシャローフラットと移動していく途中、水路にナマズを発見。ルアーには怯えて逃げていたが、ポジションを取り直しベートを窺っている。増水が落ち着き、普段通りの生活をしているのだろう。
 更に下流は水路の落ち込み、馬の背、シャローフラットで構成されており、いかにも移動する魚がコンタクトしそうなつくりとなっている。しかし、冠水の跡があり、足場は悪そうだ。
 李立到着。
 しっかり長靴で備えていた。
 朕は足の踏み場を選びながらのポイント進入であったが、李立はお構い無しである。
 結局、この備えの違いが天と地の差を生むこととなった。
 朕は魚食ゴイを釣り、どうにかノーフィッシュだけは免れたのに対し、李立は四本のナマズをキャッチ。
 反応に対し釣れた数は少ないという問題はあったが、これを伝説三輪氏いうところの“釣という低レベルな競争”で表すなら1対200というポイント差になる。
 川浜高校と相模一高の試合結果よりもひどいかもしれない。

 納竿時、李立が「何だ、ナマズ釣れなかったのか?だらしがねえなあ」と伝説三輪するので、朕は待ってましたとばかりに「オレだってちゃんとやってるよ!」とレジェンドⅡギレを決めてやった。
 ちゃんとやっていたのならそれなりに釣れていたはずだし、キレる必要も無いのだが…。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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