中原に殷墟跡あり、五本松に降臨痕あり

 7月3日。

 日曜日に伝説三輪氏の降臨が望めないのなら、朕のスタイルが通用する見込みの薄い現在の登戸エリアに行く価値はなかろうというところだが、そろそろ師匠にDVDを返さなければならない。小物が釣れるようになっているらしいので今日も来るだろう。

 かくして登戸入り。
 日曜日だというのに驚くほど釣り人が少ない。猛暑のせいなのか、三輪氏の存在は都市伝説に過ぎないと思われているためか。
 師匠の到着を待つ間、とりあえずのキャストをしていたところ、50、60オーバーの スモールマウスがわらわらと出てくる。単位はミリメートルだ。
 なかなか師匠が現れないので電話してみたが応答なし。
 きっと師匠も、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない事情があるのだろう、ということで気にせずスモールマウスの反応を見て楽しんでいた。
 師匠到着。
 電話に出られなかった理由はやはりハンドルのがたつきに起因する事情があったためだった。
 エサ釣りの様子はといえば、とりあえずという感じで釣れていた。また、相変わらず仕掛けを壊してくれるコイも健在だった。
 DVDを返し、しばらく小物釣りの様子を見ていたが、名物が現われる気配が無いので、朕は一人、登戸を捨て下流の堰下エリアに向かった。

 堰直下のプールを覗いてみる。
 アユのサイズは他のエリアで見たどこのものよりも平均サイズが大きく、それを窺うニゴイも皆大型だった。
 ナマズ、スモール、シー、ラージの姿は見えなかったが、ライギョが一匹見えた。
 のんびり、といった感じてアユを追い回している。
 流芯の通る一帯に下りる。
 魚影は濃いが、期待を持てる手応えは得られず、一度だけチェイスしてくるセイゴを見た程度。
 更に下り、シャローフラットになっている一帯を見て歩く。
 こちらとて構う気も無いのに、バカちょうに怯えて逃げていくコイやボラばかりだったが、ニゴイの姿を捉えることができた。
 試しとばかりにキャストしてみたところストライクを得る。
 「おめえらBフォロワーは良い良いって言うけどよお、オレには使いどころがわかんねえ」で、お馴染みのベートである。
 これほどよく釣れるベイトなのに、店頭で見るのはスイムトリガーばかりだというのが不満だ。
 多くのバサーは異を唱えるかもしれないが、バスしか釣れないベイトより、魚種を問わずフィッシュイーターなら何でも釣ってしまうベイトこそが優秀なルアーだと朕は思っている。
 再び流芯周りに戻ってみたが、やはりこれといった感触も得られなかったので移動。

 調布の流芯ポイントを目指す。
 水門ポイントには何人もの釣り人、流芯ポイントでは人や畜生が泳いでいる。
 行き場が無いので、激浅ワンドでコイ科狙いをしてみたところフェイキードッグにニゴイがバイト。
 このベートも良い働きをするのにほとんど店頭で見ない。
 少し前までなら勝者の称号を得られていたニゴイだが、今やただノーフィッシュを逃れられたという価値しか持たない。
 それでも休日ごとに来てはいつも釣れずにイジけてしまう人を生み出す釣場である。ここは釣れたことを素直に喜びたい。
 流芯ポイントから人や犬畜生も上がるのを確認し、移動。

 なら暑い中、立ち続け、歩き続けていたため、体がだいぶん参っていたし、レンジバイブをじわじわとロストしていくことに眩暈を覚える思いでいたが、ここでは関東巨鯉倶楽部を達成。
 魚っ気はある。やがてナマズも回ってくるだろうとキャストしたり休んだりして過ごす。
 夕刻に入り、李立到着。
 エサ釣りはオイカワがそこそこに釣れ、ルアーでは40オーバーのラージマウスをバラしたとか。
 「何だ、結局釣れなかったのか。だらしがねえなあ」はお約束である。
 自分はバイトに持ち込むどころか見つけだすことも出来ないだろうによく言うよ、というところなのだが…。
 陽が傾いてきてもナマズが現われる兆しは感じられず、やがて猛暑が堪えてきたこともあり、気分転換と休息を兼ねて五本松へ移動。

 コンビニでジュを買い、一服してからフェラガモ水路に入る。
 コイ、ニゴイ、ナマズの出入りは見えていて、ニゴイ、ナマズの反応はあるがバイトにまで至るものは無かった。
 何が違っているんだ?と、諦めかけていた終局間際、李立が空中にルアーを引っ掛けるというアクシデント発生。
 どういうことよ?と近付いてみれば、犯人は捨てラインだった。
 回収してみたところ、それはPEラインに直結された、鉛シンカー、グラスビーズ、ファットイカのテキサスリグだった。
 一風変わった組み方のテキサスリグだが、実はそれぞれのパーツの持ち味を殺し、釣果を遠ざける無謀なシステムである。
 こんなことを考えつくのは…そしてPEラインとファットイカという組み合わせは…そう!「オレが考えなしにやってると思うか?」の、伝説三輪氏である。
 知らぬ間に、ひそかに多摩川へ降臨しておられたのだ。
 先日の新川に引き続き、今も伝説を紡ぎ続けていることに喜びを覚えた我々はそれぞれの本命魚を外しまくったという悔しさも忘れ、満たされた気持ちで帰路に就くのだった。

 ※マー語
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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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