降臨の夢

 7月1日。

 先日の日曜日も伝説三輪氏が登戸に降臨することは無かったと聞く。
 嗚呼、数多なる大言壮語の虚しさよ、列ねた妄言の愚かしさよ…。
 そんな日曜日に、準サマナの史進より、久しぶりの釣行だという丹沢での釣果写真が送られてくる。
 未だ社畜を抜けられぬと嘆くので、朕は道徳経で学んだ言葉で答えた。

 そして昨日は李立が朕のポイントで二匹のナマズをキャッチしていた。
 このような場面では「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」に代わる言葉が無い。
 朕は完全に鍍金が剥がれた後の伝説三輪氏とのドブシーバス釣行を懐かしんだ。

 街中に悪人、嘘つきたちの写真が目立つようになった。民主主義という名のおためごかし。目も耳も穢れる思いに苛まれながら草庵に辿り着く。

 先日、でセントクロイ・プレミア66MF2の他、幾つかの実験ネタを仕入れたので伝説式保険は万全である。
 KVDのダブルウィロースピナーベートは小型ウィローリーフのシングルブレードに改造、ビッグカーリーは厄介なボトム形状の流芯を巻くために、1/2オンスのウッドウォーカーは5/8、3/8オンスモデルより汎用性が高かろう、という具合で四つの保険を用意。狡兎三窟どころではない磐石の伝説式保険ぶりである。
 これでノーフィッシュに終わったとしても、何人も朕の非を打ち鳴らすことなどできまい。
 と、安心すると、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気に襲われ、出発は16時過ぎになってしまった。

 かくして調布着。
 流芯ポイントではナマズ、激浅ワンドではニゴイ、コイを見る。
 ナマズは姿を見るのみ、ニゴイはバイトのみという中で今回はコイがしっかりフッキングしてきた。
 ヒットルアーはザラパピーであり、実験ルアーは不発に終わったが「セントクロイ・プレミア66Mが多摩川で釣れるかの実験」は成功である。
 ちなみにプレミア66Mの2ピースモデルは何かに特化したような感覚の無い、普通に使えるアメリカンスタンダードな性能。価格と性能の比でいえば同クラスの三万円以上の国内メーカー高級ロッドより遥かにお得であるといえる。

 かつて、行けば大抵ボーズに終わる三輪氏が二回連続キャッチという珍事があった。
 その時の「どうだ!」と言わんばかりの滑稽さに倣い、朕も「多摩川で○回連続ボーズなし!」と、自慢のメール一斉送信を行った。
 このメールを受けて李立もこれから五本松へ向かうとの連絡が入る。

 朕は水門ポイントで勝負をかけようと思っていたが、ポイントに朕の入れる余地は無かったので五本松に到着したという李立に様子を聞いてみる。
 他に釣り人は居らず、昨年は見ることなく終わったストロングハートの音痴男が居るというので、朕も五本松に向かうことにした。

 五本松入り。
 土手上から一帯を見渡すも、音痴の弾き語りらしき姿は見えず。いささか気落ちしたが、代わりに少し肉厚ながら、愛らしい顔立ちの喫煙少女を見ることが出来たので差し引きゼロに思えた。
 李立はどこだ?と川岸に下りてみるとフェラガモ水路に発見。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、伝説式で到着を報せる。
 朕は音痴男が居ないことに対し不満を漏らすと、彼は「ありがとうございました!」と言って去ったという。
 少し残念な気もしたが、釣りをしに来ているのだという本題に立ち返り「新川で鍛えた本気を実釣をもって示す」ことにした。
 しかし、魚のポジションが変わったのか、タイミング的な問題か、ナマズの気配は感じられず、共に疲労を訴え始め、結局何も掴めぬまま撤退となった。
 もしここに伝説三輪氏が居たなら「何だ、もうやめるのか?だらしがねえなあ」と言われていたことだろう。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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