長じて宰せず
6月25日。
先日、その身を娑婆の責め苦の中に置いていた日、久しぶりに平日休暇を得たという李立より、釣りに行けるかとの問い合わせが入る。
当然いける訳がないので「オレに構うな、上手い連中と仲良くやってくれ」と、伝説三輪氏のように泣いて返答した。
かくしてその夜、釣果の報告が入って来る。
これが現在の多摩川勝者の称号に値する魚種なのではないか、と思えるライギョまでキャッチしていた。
そこで朕はキレずに「あいつはしょっちゅう行ってるから釣れるんだ」という、伝説式大人の対応をしてやった。
昨日はフィールドワークを休み、ザ・タックルボックス実店舗開業の準備を手伝って半日を過ごす。
習慣とは面白いもので、各種商品を見ながら思い浮かぶのは「これは多摩川で使えるか、ナマズに通用するか」というものであった。
その都度、これはどんなベイトなのかいちいち質問するので店長も面倒臭かったに違いない。
かくして迎えた当日。
二日空けただけなのに久しぶりな感覚。
昨日仕入れたストライキングのシャローランナーをボックスに入れ「今日はストライキングのサイレントシャロークランクが多摩川で釣れるかの実験」と伝説式保険を打ち、調布の流芯ポイントを目指した。
かつて、「釣りという低レベルな競争からの卒業式」と称し、釣具の一切合財を売り払った後、昔のバスフィッシング教本を入手するも、釣りを辞めた今では無意味なものだとアピールしてきた三輪氏。朕は、あまりにも釣れていなかったことに憐れみと同情を示したところ「何それ?」と素っ惚けて見せるほどだった。
ところが、それから更に後、ベイトフィネスのタックル選びに悩み、またしてもステラを購入したという。
かようにして筋の通らなさには定評のあるレジェンドⅡが、久しく現れていないからといって登戸に再降臨することは無いなどと言いきれようか。
かのジーザスでさえ、死後復活したと白人たちは本気で信じているのだ。
ましてや今日は土曜日である。
とはいえ、登戸に釣果を得るうえでの利あらずと判断した朕は、伝説再拝の夢をあっさり捨てていた。
また、李立が登戸に行くと言っていたので、降臨があったなら報告が入ろう。登戸入りはそれからでもいい。
川原に入ってみると流芯ポイントにはアユ師の姿。しばらく激浅ワンドで時の経過を待つことにする。
フィールドは強風吹く、メガバス的タフコンデション。これだけ波気があれば明るいうちから魚は容易に間違いを犯してくれるだろうと期待しキャストをしていたが、コイ、ニゴイ、超スモールスモールマウスのチェイスを見るのみ。
やがてアユ師が引き揚げるのが見えたので流芯ポイントへ移動。
リップレスクランクを主に使うここではメガバス的タフコンデション程度ならキャストにもそれほど苦労しない。
バイトの感触、バラしとあった中、ナマズを一本キャッチできた。
レンジバイブはよく釣れるから反則なのか、シーバス用ルアーでナマズを釣るのは邪道なのか、その辺のところはよくわからないが、釣れることこそが釣りに於いての正道だと信じる朕には関係の無いことだ。
李立よりメール着信があったことに気付く。
電話してみたところ、師匠とエサ釣りをしていて、オイカワは数えるほどにしか釣れていないがモロコは好調とのこと。師匠はスモールスモールマウスのエサ釣りに興じていてこちらも好調だという。
しかし、オイカワが好調でなければ朕の食指が動かない。
もしかしたらこちらに合流するかもしれないというので、朕の行動予定を伝える。
五本松。
フェラガモ水路に二尾のナマズを見る。
これならいつものポイントに必ず入って来るだろうと期待し、ポイントに張り付く。
とりあえずのキャストをしていたところ「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」の声。
李立だった。
「今日はテクナGPファストムービングスペシャルが多摩川で釣れるかの実験」と、伝説式保険を掛ける。更に「オイスターミノーでナマズが釣れるかの実験」と畳み掛け、伝説式保険をより強固なものにしていた。
朕にはコイ、ニゴイ、マルタの姿しか捉えられていなかった時、李立は軽くツイッチを入れ魚をヒットさせていた。
ニゴイでも食ってきたか、と見ていたらそれはナマズだった。
「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」とキレる朕。
このポイントを占拠していたのは朕なのに、釣られるとこのように理不尽な怒り方をするところに、伝説三輪的なおかし味がある。
その後も魚の姿を見たり、反応を得ることはあったがフッキングまでに至ることがないまま時間が経過。
「おめえが良いって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」「オレだってちゃんとやってるよ!」と、レジェンドギレの応酬となり、愉快な気分で解散となった。
先日、その身を娑婆の責め苦の中に置いていた日、久しぶりに平日休暇を得たという李立より、釣りに行けるかとの問い合わせが入る。
当然いける訳がないので「オレに構うな、上手い連中と仲良くやってくれ」と、伝説三輪氏のように泣いて返答した。

これが現在の多摩川勝者の称号に値する魚種なのではないか、と思えるライギョまでキャッチしていた。
そこで朕はキレずに「あいつはしょっちゅう行ってるから釣れるんだ」という、伝説式大人の対応をしてやった。
昨日はフィールドワークを休み、ザ・タックルボックス実店舗開業の準備を手伝って半日を過ごす。
習慣とは面白いもので、各種商品を見ながら思い浮かぶのは「これは多摩川で使えるか、ナマズに通用するか」というものであった。
その都度、これはどんなベイトなのかいちいち質問するので店長も面倒臭かったに違いない。
かくして迎えた当日。
二日空けただけなのに久しぶりな感覚。

かつて、「釣りという低レベルな競争からの卒業式」と称し、釣具の一切合財を売り払った後、昔のバスフィッシング教本を入手するも、釣りを辞めた今では無意味なものだとアピールしてきた三輪氏。朕は、あまりにも釣れていなかったことに憐れみと同情を示したところ「何それ?」と素っ惚けて見せるほどだった。
ところが、それから更に後、ベイトフィネスのタックル選びに悩み、またしてもステラを購入したという。
かようにして筋の通らなさには定評のあるレジェンドⅡが、久しく現れていないからといって登戸に再降臨することは無いなどと言いきれようか。
かのジーザスでさえ、死後復活したと白人たちは本気で信じているのだ。
ましてや今日は土曜日である。
とはいえ、登戸に釣果を得るうえでの利あらずと判断した朕は、伝説再拝の夢をあっさり捨てていた。
また、李立が登戸に行くと言っていたので、降臨があったなら報告が入ろう。登戸入りはそれからでもいい。
川原に入ってみると流芯ポイントにはアユ師の姿。しばらく激浅ワンドで時の経過を待つことにする。

やがてアユ師が引き揚げるのが見えたので流芯ポイントへ移動。
リップレスクランクを主に使うここではメガバス的タフコンデション程度ならキャストにもそれほど苦労しない。

レンジバイブはよく釣れるから反則なのか、シーバス用ルアーでナマズを釣るのは邪道なのか、その辺のところはよくわからないが、釣れることこそが釣りに於いての正道だと信じる朕には関係の無いことだ。
李立よりメール着信があったことに気付く。
電話してみたところ、師匠とエサ釣りをしていて、オイカワは数えるほどにしか釣れていないがモロコは好調とのこと。師匠はスモールスモールマウスのエサ釣りに興じていてこちらも好調だという。
しかし、オイカワが好調でなければ朕の食指が動かない。
もしかしたらこちらに合流するかもしれないというので、朕の行動予定を伝える。
五本松。
フェラガモ水路に二尾のナマズを見る。
これならいつものポイントに必ず入って来るだろうと期待し、ポイントに張り付く。
とりあえずのキャストをしていたところ「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」の声。
李立だった。
「今日はテクナGPファストムービングスペシャルが多摩川で釣れるかの実験」と、伝説式保険を掛ける。更に「オイスターミノーでナマズが釣れるかの実験」と畳み掛け、伝説式保険をより強固なものにしていた。
朕にはコイ、ニゴイ、マルタの姿しか捉えられていなかった時、李立は軽くツイッチを入れ魚をヒットさせていた。

「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」とキレる朕。
このポイントを占拠していたのは朕なのに、釣られるとこのように理不尽な怒り方をするところに、伝説三輪的なおかし味がある。
その後も魚の姿を見たり、反応を得ることはあったがフッキングまでに至ることがないまま時間が経過。
「おめえが良いって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」「オレだってちゃんとやってるよ!」と、レジェンドギレの応酬となり、愉快な気分で解散となった。
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