オレが考え無しにやってると思うか?と、泣かぬために

 6月2日。

 先日ロストした毛スプークJrを補充しようと玉屋に寄る。
 レーベルからジャンピンミノーなるスティックベイトが出ていたので迷わず購入。
 これで「ジャンピンミノーが多摩川で釣れるかの実験」と言っておけば、例え釣れなかったとしても、ヘボいから釣れなかったのではないと面目を保つことができる。
 御本尊様はお隠れになって久しいが、レジェンドIIが遺した手法は今でもこうして役立っている。この実験という口実の発見は、伝説三輪氏の最大の功績かもしれない。
 さて、これでどんな結果に終わろうと安心だわいとくつろいでいたところ、メール着信に気付く。
 先日は博多、今は佐賀という、流浪のハンドメードアングラー、ヂョイ兄いからの釣果自慢だった。
 またしても「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」状態である。しかし、ここは伝説三輪氏のようにキレずに、「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお」と、レジェンドIIのように半泣きで冷静を装った。

 かくして「今日はジャンピンミノーが五本松で釣れるかの実験」といって五本松入り。
 まずはリップレスクランクを流してヘアの状態をチェック。どうやら先日の雨が厄介者を流してくれたようだ。
 ジャンピンミノーを試す。
 重心移動のおかげで、釣りの醍醐味は十分。泳ぎ、操作性ともに申し分なく、ブサイクなフェイキードッグといった感じ。浮き角度がナイトゲーム向きでないような気もするが、ボリュームがあるので問題無いのかもしれない。かなり出来の良いベートだと思う。
 ただ、重心移動用のボールが※1デ内の仕切り板 を叩く音は硬すぎるので手を加えなければならないだろう。

 実釣の方はというと、水路ポイントで光量の落ち込みと共にナマズの姿を確認。
 ウェイクベイト、スピナーベイトにバイトしたがフッキングせず。次の個体、次の個体と待っているうちにすっかり場を荒らしてしまったので移動。
 と、本流筋に移動しようとしたところ、しゃぶり女としゃぶられ男に出くわす。女の顔は見えなかったが、男はえらくふやけた面の野郎だった。こんな奴が咥え込む女を所有できてよいものかとひどく※2気分になる。

 本流筋は波立つ水面にも魚の活動を示す波紋が見え、キャストの集中力は続いた。
 一帯を上下し手数を稼いでいったところ、ウェイクベイトにバイトが出るがコイの可能性大。
 魚が居ないのではなく、釣れないだけ。反応を得られないのは致命的な見落としがあるからに違いないが、それこそ「見えてくるものが無いのう」という伝説三輪氏状態から抜け出せず、遂に集中力が潰える。

 幸い明日も休日である。
 次こそは「新川で鍛えた本気を実釣をもって示」したいものだ。

 6月3日。

 昨日釣れなかったのは、実験だったからであり、ガチではないのだから、釣れなくても悔しくはないはずだ。
 しかし、後輩がよく釣ると不機嫌になり、たまの釣果を得ると鬼の首を獲ったかのごとく気を吐くのはどうしてだろう。
 多くの“ネタ”を遺したレジェンドIIの武勇伝はいつまで色褪せない。
 今日も平日である。
 登戸に行ったところで名物の降臨は望めないし、先日の雨の力では登戸エリアの環境が改善されたようには思えない。
 そこでこの日も昨日の五本松フェラ※3モポイントから始めることにした。
 日中から釣るために今回は小物タックルも用意。フェラガモポイントに見える小魚のすべてがアユというわけではなかろうと思われたためだ。

 風は予報通り強い。
 ただ、ポイントはブッシュに囲われているし、風もポイントに向かっているため、却ってこの浅場には好都合なのではないかと思われた。
 仕掛けを組み、エサを打ち込んで行く。
 しかし、手頃なサイズの小魚で大ごいに反応するものは無かった。そして、エサの臭いに寄せられてくるのは小物タックルでは対応できないサイズのコイばかり。
 エサ釣りを断念し、昼の時間帯にルアーをやるのに適した調布の流芯ポイントに行くことにする。

 移動中、施恩がこちらに来るとの連絡が入る。
 ならば早いところ釣っておかなければ朕の取り分が無くなってしまうかもしれない。
 恐れを覚えた朕は歩を速めた。

 急ぎポイントに着いてみれば、対岸のルアーマンが大魚を釣り上げていた。魚種まではここからはわからなかったが、使用ベートはトップウォータープラグ。
 ベートを追って流芯に入り込み、果敢にルアーにアタックしてくるならブラックやナマズでなくとも良いと考えていた朕は続けとばかににキャストを始める。
 たまにバイトなのかスレなのか判別できないアタリがあることにより、魚影の濃さを感じることができた。
 と、後ろからルアーが飛んでくる。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」という主張を込めた施恩の一撃だった。
 朕は早速、先日発見したという多摩川でフロッグゲームができる場所と、19匹という釣果を得たということの真偽を問うた。
 それは確かにフロッグゲームで、19匹という釣果も事実だった。但し、フロッグというよりもトードだったようだが…。
 運転免許を取得したとのことで、来週の霞釣行に誘われる。
 行きたくはあったが、金と時間の問題で行くことができない。
 朕は「オレに構うな。上手い連中と仲良くやってくれ」と、レジェンド式に泣いて断った。
 施恩はバリソンミノーでコイらしきストライクを得ていたが、ジャンプさればらしてしまった。
 結局、この流芯ポイントは「釣れましたか?」「アタリはあるよ」状態に止まり、霞行きの準備をするという施恩は撤退。
 朕は夕刻に備えて再びフェラガモポイントに向かった。

 既に17時を過ぎていたがまだ明るい。
 ナマズ狙いには微妙に早いので、十数年前より霞水系に通わなくなってからおろそかになっていたピンスポットキャストの習練に努めた。
 ベートをプラグからARジグに替え、さらに際どくブッシュを狙う。
 光量が落ちてくるとナマズはこのオーバーハングを出入りするのをよく目にする。奥までベートを入れられれば身を潜めているナマズに迫れるのではないか、と思ったが、この手の軽い考えは当たった試しが無い。
 そんなに上手く行くわけねえ※2んべと言いつつも奥へ、奥へとベイトを入れ込んで行く。
 そして上手く隙間の奥に突っ込むことが出来たと喜んでいると、カバーの中で水がかき回される音。
 まさかのヒットだった。
 思わぬ幸運というもので、70はあろうかというサイズ。しかし、まぐれ釣果にドヤ顔アホ面自撮りするほどの度胸が無い朕は控え目に喜んだ。

 かつて、ルアー歴が長いというベテランに、朕が多摩川でのナマズ釣りについて説明したことがある。
 グラスミノーのジグヘッドリグが特に釣果を出していると話したところ、なるほどと頷いていた。
 しかし、朕が去った後、残った李立に「ナマズにワームは無いよ」と説いていたそうだ。
 レジェンドに列ねるには足りないが、かつて登戸に現れた個性的な人物のことをふと思い出した。

 連続キャッチとはならなかったが、概ね勢に乗れているのではないかと満足し、帰宅後、ジャンピンミノーの静音化手術に着手した。

 ※1 ヘボオヤジ語
 ※2 マー語
 ※3 失われゆく津軽弁のひとつ。標準語的表現ではちんぽ、きんたまの類
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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