雲夢はいずこに

 4月20日。

 出発前に師匠が出勤しているか確認の電話をする。
 昨年から借りたままになっているDVDソフトを返すためだ。
 師匠が漁ってくるソフトの中で、まともに鑑賞に耐えられる作品は十のうち二、三という素晴らしさ。
 傑作について語り合うのは当然愉しいが、クソ映画をけなして盛り上がるというのも映画の愉しみ方のひとつだと思う。
 師匠は既に登戸入りしているとのことで、朕はすぐに多摩川へ向かった。

 登戸入りしたところ、師匠の他に相模湖バサーと侯嬴こうえいの姿も見えた。
 師匠に話を聞いてみると、朕との電話中にスモールマウスか掛かったものの、ファイトに専念できずバラしてしまったとのこと。
 そんなことがわずかの間にあったとは…しかし朕は直接その場面を見たわけではない。そこで妬み、僻みの名言豊富な伝説三輪氏の言葉を引用し、「みんな師匠は上手え、上手えって言うけどよお、あの人本当に上手えかあ?」といってこきおろした。

 相模湖バサーに状況を聞いてみたところ、小バスが表層系に好反応とのことで、小バスのチェイスを実際に見せていただいた。
 状況は昨日と同じと見ていいだろう。
 ボイルは見つけられなかったが、魚が入ってきているのは確かなので、波風の具合を見ながら、上中下を巻いて歩いてみた。

 城門の侯嬴に揖の礼をし、旧第一ワンドまで進む。
 やがて馬の背周りにボイル発見。近くにいた先客バサーによれば、ボイルは14時から15時の間に盛んに起きていたとのこと。残念ながら朕が到着する前の話だった。
 バスの意識が上に行ってるのなら、ということでフェイキードッグ、ガンフィッシュ、トップジャンキーをローテーションさせてみたが反応は得られない。
 波のせいで水面系はアピールしきれていないのかもしれない。だからといって、より存在感の強いベイトにすればよいかというとそうでもなく、強いことによってそれが偽物であるということを見破られ反応さえ得られないということも多々ある。
 ベートの強弱の話は感覚的なものではあるが、弱くとも波の下でその存在をアピールできるベートを、ということでBフォロワーを結ぶ。
 これまでに正解はやり尽くしてきたという某ベテランルアーマンには「おめえらBフォロワーは良い、良いって言うけどよお、オレには使いどころがわかんねえ」と、ひどく不評だったベイトである。
 飛びの悪さが泣き所だが、今回は上手くベートフィッシュを猛追するバスの視界に入れられたようだ。
 巻き始めてすぐにストライクの感触。
 小バスではあるが、本命魚がまるで見えていない現在、贅沢など言ってはいられない。釣果を得られただけでも喜ぶべきである。
 先客バサーがブレードクロス開発者と知り合いで、シリーズ大中小を沢山持っているが、まだこれらで釣ったことはないという。
 そこで朕は、多摩川で使うならフォロワーとトリガーがお勧めであることと、これらのベートではナマズ、ニゴイの実績が高いということを伝えた。

 背後から朕の名を呼ぶ者あり。
 デビッド・キャラダインのごとく振り返り相手を見るが、誰であったか思い出せず。
 するとデプスマニアの青年であると名乗ってくれた。
 朕は失念していた非礼をおおいに詫び、かねてより「余は記憶力には自信がある」と豪語していたことを恥じた。
 この水域全体のスモールマウスの状況を聞くが、狙って大型を釣るのは不可能であることを思い知らされるばかりであった。

 やがて陽は傾き、しかしナマズが現れる気配は感じられず、侯嬴先生が撤退するのが見える。
 信陵君が訪ねてくることは無かったのだろう。
 更に光量は落ち、ナマズの通り道になりそうなポイントでスモールマウスがボイルするのが見える。
 この時間帯に小バスがオープンウォーターでフィーディングしているということは、ナマズが来ていないからだと思われたので、ナマズ狙いを諦め、デプス青年と八郎潟の今昔や、バス以外のターゲットの話に花を咲かせた後、朕は撤退した。

 いよいよ第一ターゲットに、と定めたナマズの動静にはまったく触れられなかったものの、小バスとはいえ「ワームじゃなくルアーで釣ったんだから凄い」と、勘違いしてくれる人も世の中には居るから良しとするか、ということで満足することにした。
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テーマ : お仕事奮闘記
ジャンル : 就職・お仕事

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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No title

ブレードクロスの開発者の知り合いで多摩川に来る方は二人。
ダックスを連れていれば自分の知り合いのT氏。
でなければ桧原と霞チャプターに出てるJBプロのH氏だと思われます。
って言うか誰だろ?その辺りなら知り合いだと思うんですが…

Re: No title

何度か登戸で見かける人のような…。
年齢的に“おじさん”な感じです。
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dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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