伝説跡地に興る

 4月19日。

 この日も強い南風。
 加えて中潮。
 これはいい塩梅だわい、こんな日は登戸のシャローフラットが生きようて。
 朕は今日もレジェンドIIのはったりを真似て「新川で鍛えた本気を実釣をもって示す」と言って多摩川に向かった。

 現地入りしたところ、平日ということもあってか、登戸にしては釣り人の数は少なかった。それでも伝説降臨に対応可能な状態は保たれているので安心だ。
 かようにして、得意満面で輝かしき過去を新顔に語る喜びは今でも再現可能なのである。

 川岸に下りてみれば見知った顔。
 健脚の士、蔡沢さいたくである。
 多摩川を縦横しているだけあって、あちこちのポイント事情に精通している。
 ネストの分布状況からマルタの動きまでよく観察しており、さすがは応侯の信頼を得た人だ、と感銘を受ける。
 つい先日、流芯絡みのポイントで40アップが立て続けに出たという話を聞き、本当にスモールマウスが遠くなってしまったと実感。
 しかし「ブラックが釣れないならナマズを釣ればいいじゃない」というものだ。

 更に上流に向かったところ、これまた見覚えのある顔。
 さすがにこの人に「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」とキレる訳にはいかない。
 師匠だった。
 「明けましておめでとうございます」と新年の挨拶をし、今日の状況を聞く。
今年初のスモールマウスを釣り、先ほどまで居た李俊は二本キャッチしたとのこと。
 朕は呆気なくこれまでのうやうやしさを捨て、「突き落としてやろうか」と、伝説三輪氏のように怒り、かつ泣いた。
 今年の小物釣りのことや、かつてたいへんな勢いであった伝説三輪氏の思い出話をした後、師匠は撤収の準備。
 帰り際、『フューリーロード』は『サンダードーム』の汚辱を濯ぐ素晴らしい作品であることを伝えた。

 城門に侯嬴こうえい先生が見えたのでゆうの礼をする。
 いよいよ“本気”を出すべき時である。
 小バスの姿はちらほらと見え、食いきらないバイトもたまにある。
 ワンド内にナマズの姿も見え、今日こそはいけるかもしれない、と、光量が落ち始めてからは馬の背周りのあらゆる境界要素を拾い上げてはスーパースプークJr(ラトル抜き)を引いてみた。しかし、たまに小バスのバイトが出るのみ。
 こうなるとナマズを諦め、いっそ小バスを釣ってノーフィッシュを逃れておこうと思い、小型で垂直浮きに近いフェイキードッグにに結び替えた。
 控えめなラトル音だが「おめえらこの前までドッグX全否定だったじゃねえか!」系なペンシルベートである。
 ノーフィッシュを逃れたことで安心し、波気も弱まって来たので再びナマズを意識してのリトリーブでナマズからの回答を待つ。
 侯嬴が退勤してからも、こちらは粘ってみたが、あまりにも気配が希薄。「ウェイクミノーだってさんざん引いたさ!でも釣れなかったんだよ!」とレジェンドギレして諦めることにした。

 帰る途中、再び蔡沢に会う。たまにアタリが出るのでやめるタイミングを逸しているという。そういえば、ということでもう一人読者が来てるよ、と紹介された人物があった。
 現在、湣王びんおうに仕えているのかどうかは定かでないが、王孫賈おうそんかという若者だった。
 かくして、ここ最近の状況や感触についてそれぞれ話し合ったのち、一同解散となった。
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ジャンル : 就職・お仕事

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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