遺訓

 4月13日。

 なかなか思うように釣れないからといって「多摩川はもう飽きた」と、いかにも悟ったかのような口を利いても、ただ想像力、思考能力の欠如を公言しているようなものである。気が向いたら遠征に行ける境遇にも無ければ、詐欺師に貢ぐ金も無い朕は通えるフィールドで何とかするしゃない。
 
 今日も多摩川へ。
 釣れるなら何でもという備えで登戸からスタート。
 平日ど真ん中ということもあり、伝説降臨といったミラクルは期待できない。しかし、前向きに考えれば純粋に釣りに没頭できるという見方も出来る。
 また、平日であってもバス狙いの釣り人が数人居て、皆見知らぬ顔ぶれである。伝説降臨の受け入れ態勢は平日でも万全であることを示している。

 登戸エリアの水は広く澱んだ感じで、テトラ帯に付着する苔は更に規模を拡大させていた。第一ワンドであったワンドにはアオミドロが目立つようになり、見える魚はコイばかり。
 ジグヘッドワッキーをやったり、エサ繊細をやったからといってどうにかなるものでもないだろう。

 かつての第一、第二ワンドへ至る道に入り、侯嬴こうえいの守る門の様子を見る。
 なるほど、という感じで、流れがよく通り、適度な水深もある。
 しかし、昼の時間帯ではクリアウォーターに加えプアカバーなこのポイントは厳しいだろう。

 更に上流へ遡り、五本松対岸へ。
 音痴男が現れていた頃のようにトップウォータープラグを引いたり、サイトフィッシングをやるには良さそうな地形になっている。
 今回はコイの姿しかなかったが、ベートフィッシュの群れが目立つようになれば一級の場所になる可能性がある。

 再び登戸に戻り、急深のカバー周りや流れの通る筋に一通り探りを入れてみたが、時間の無駄であるように思われたので粘らずに移動。

 宿河原堰下に入ってみれば、マルタ瀬にはまたしても釣り人が直接立っている。
 周辺にマルタの群れがよく見られたが、今は釣れない状態にある。

 更に下り、流れの太い一帯まで進む。
 岸際にはコイの他に、ナマズやニゴイの姿も見られ、緩みにはベイトフィッシュの群れがライズする様子も見られた。
 割といけるポイントなのかもしれない。
 見えたナマズやニゴイに誘いをかけ、見切られたり気取られたりもしたが、ひとまずキャッチ成功。
 本命ナマズと多摩川勝者の証ニゴイを一本ずつ得る。

 夕刻に入り、マルタ瀬の様子を見に行く。
 マルタが瀬に入ってくることは無かったが、瀬周りに魚は寄ってきていて、正体不明のアタリがぽつぽつとあった。
 しかし、フッキングしても手元まで寄せる前にすべてバレてしまう。フックに鱗が付いた明らかなスレ掛かりもあったが、そうとは言い切れないものもあった。
 ポイントに直接立つ者が居なくなれば状況は改善されるかに思われたが、マルタが瀬に入ってくる様子が見えなかったので諦め、納竿。

 ああ、今年のコイ科狂乱の時期は終わってしまったのか、と思っていたが、単にタイミングがずれていただけのようで、しばらく後に入った施恩より、四本のマルタと一本のニゴイをキャッチしたとの報が入る。
 「多摩川はニゴイを釣れば勝ち」という張横の名言は、レジェンドたちの名言のようなお笑い種ではなく、気の利いたジョークとして多摩川アングラーたちの救いとなっている。

 ※マー語
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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