ジグヘッドワッキーはやったか?1オンステキサスはやったか?

 3月27日。

 陸奥湾沿岸の現在を見て、多目に取った休暇もザとなってしまったかと悲嘆に暮れていた昨日。
 久しぶりにTVを鑑賞した。NHKで『アイアンマン2』をやっていたからだ。意外につまらなく、田舎臭い美人といった風貌のグウィネス・パルトロウにぐっときたぐらいで、「あなたのハートには何が残りましたか?」と問われても、答えに窮するような内容だった。また、マーベルコミックを愛読してきた者としては、ニック・フューリーが黒人というのもいただけない。サミュLジャクソンも「何だ、このニガーは?」 と呟いたことだろう。
 退屈しのぎに、昔集めていたDVDを再視聴しようと物置を物色していたら娘たちとの思い出の品にぶち当たり、心千々に乱れ居たたまれなくなり、絶望的な気持ちを安んじるため、状況は厳しいと承知の上で再び釣りに出かけることに決定。

 朕はマーの郷土愛には遠く及ばないものの、失われゆくふるさとの情景を嘆き、津軽弁の乱れを悲しむ者だ。
 セブンイレブンやマクドをこの地に見るだけでげんなりなのに、よりによってスターファックコーヒーまであると知った時の絶望感たるや…朕の故郷はいずこか、という気分になってしまう。

 そんな訳で、昼食用にと、この地方の伝統的な保存食である干餅を持ち、海流に面することで環境的には安定しているかもしれないと淡い期待を持って津軽海峡を目指すことにした。
 海峡を通る流れは寒流だったような気もしないでもなかったが、ここは「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と、自らを盲目の、根っからのバサー状態にマインドコントロールし、松前街道を北上した。

 まずはシーズン中であればクロソイを中心に様々な魚を見ることのできる平舘漁港に寄ってみる。
 津軽を感じさせる風情漂うこの村も、魚の存在を示す信号を捉えられず、ジグの探りを入れることなく移動。やはり湾内沿岸は全滅か…。

 続いて今別町へ。
 海流が突堤の脇を流れるポイントがある。この周辺ならば雪代の影響は湾内ほど強くないだろう。一方で北海道側からの水が流れ込んでいるのなら厳しいことには変わらないという見方もできる。
 海のターゲットとしては小さな魚種を狙うのに、潮汐だけでなく、この地方を取り巻くあらゆる環境の事情にまで考えを及ぼしてしまう。なるほど、伝説三輪氏に“ガチ”と馬鹿にされてしまうわけだな…。
 干餅を食しポイントへ向かう。

 西からの風強く、小雨ぱらつく。
 PEラインが良く風を掴むだけでなく、時に強風が体ごと持って行きそうになる。一辺の長さが二メートル以上あろうかというテトラポッドの移動に慎重さが強いられる。
 雨が勢いを増してきたが、見れば三厩方面の空は明るく、雲の合間から陽が射していた。
 少しでも快適な環境下で釣りをしたいものだ、というわけで移動。

 半島先端部の天気は面白いもので一山越えた先の天候がまるで違うことが多々あり、海岸線からその様子を一望することが出来る。
 下北半島や北海道を望む雄大な景色と、辺鄙な田舎町といった組み合わせは味わい深く、これで釣果も伴えばどれほど素晴らしいか、と思うのだった。
 かつて源義経がモンゴルに渡った地点を通過し竜飛崎へ。

 厚い雲が上空を覆い、地上には強風。
 最北端の岬まで進みたくはあったが、剥き出しの自然の風の威力に対する畏れと、6,6フィートのロッドと1/4オンス程度のジグといったタックルでは、この足場の高い磯場で釣りになるまいというわけで、比較的穏やかな漁港側から海峡を打つことにした。
 岩場に比べれば穏やかな漁港とはいえ、荒ぶる自然に曝される立地である。足場が良いというだけで釣りがし易いというほどでもない。
 しかし「おめえは根性がねえ」という人よりはるかに根性のある朕である。ジグのロストにもめげず、海峡に面した一帯にキャストを繰り返してみた。
 だが、反応は無い…。
 魚が本当に居なかったのか、探りきれていなかったのかという問題はあるにしても、もし場所が合っているなら何らかの手応えはあるものだ。
 やはり、こちらで陸っぱりするには季節が早すぎたのだ。

 遂に、三厩村にも雨が降るようになる。
 風が弱まったのだ。
 めまぐるしく変わる天候。
 現在、大気のせめぎあいの渦中にある。
 せめぎ合いの生じるところ何かが生まれるのが道理である。人間界では悪辣が生じ、自然界では恵みが生まれる。
 というわけで風が弱まったのを幸い、と、再び今別町の海流のある突堤に向かうことにした。

 湾の水と、漁港内の水、海峡側からの水が突堤先端でせめぎ合うポイントに立つ。
 沈みテトラのあるポイントをしゃくっていたところ、粒メバルが食いつき、同サイズのメバルが数尾群れているのが見えた。去年生まれてカバーに張り付いていた魚たちだろう。
 結局岸寄りにはこういった魚がわずかに残っているだけなのかもしれない。
 気温は上がらず、小雨交じりは変わらず。
 しかし、滅多に来られない場所、滅多にできない釣りである。激しく貧乏性が疼き、とことんまでとキャストを続けていたが、やがて雨風の前に指が動かなくなり、この状況で続けることの無意味さを思い知り、やむなく納竿。
 
 これまでの感触から、朕の滞在中に状況が好転することは無いと判断。想像以上に遅かった北国の春を痛感。
 五月以降に改めてくることを決意し、蝦夷地での釣りは閉幕となった。
 これが伝説三輪氏の知るところとなれば「何だ、わざわざ遠くまで行って豆一匹だけか。だらしがねえなあ」と言われてしまうだろうが、「オレだってちゃんとやってるよ!」と、キレればいいだけのことだ。

 ※マー語
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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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