おめえがいいって言うから来てみたけどよお…

 3月8日。

 気温の上昇と南風の予報に加え、大潮である。
 15時には風速5メートルになるという。
 再びのガンフィーバーへの期待を胸に多摩川へ向かう。

 登戸に着いてみれば、今日もまた多くの釣り人。
 期するものを持ってのことであろう。セニョールの他に馮諼ふうけんといった知った顔があった。
 風が強くなるまでは流れの効く場所に魚が通るのを待ってアームを流すのが最も手堅かろう、ということでキャロライナリグで登戸上流側の数箇所を移動しながら打っていく。
 ベストな時間になると見込まれる頃には帰らなければならないという馮諼を憐れんだ朕は、彼が謎に感じていたというハンドルのがたつき伝説の全貌を解説し、知的好奇心を満たしてやった。

 やがて15時を迎える。
 時折強い風は吹くものの続かず。
 セニョールは張横より、今日は良いだろうという連絡を受け来たという。前回は朕に乗せられ、今回は張横に乗せられたという次第である。
 騙す気は無かったにしても、さすがにセニョールには申し訳ないという気が働いて、こういう場面で使うべきレジェンド語をお詫びのしるしに教えてやった。
 すなわち「おめえがいいって言うから来てみたけどよお、釣れねえじゃねえか!」というものである。
 風及び水面は理想的状況にならず、スポットも定まらず、あちこちのポイントを探っていたところ、以前、五本松で会ったこのブログの読者氏に会った。
 広く多摩川を縦横する健脚の士で、名を蔡沢さいたくといった。
 このところ、登戸でバスが釣れているというブログを五、六件発見したので、実際どんなものかを見にきたとのこと。
 やはり大潮、上昇の気象、南風に期待を抱いていたという。
 度々顔を合わせるシーバサーがやって来る。
 昨日の夕刻頃のボイルは凄まじかったとのこと。朕がブラックが見えずマルタに逃げた頃のタイミングだ。未だにスモールマウスの釣れる条件をまったく見極められないのがもどかしい。
 陽が傾きだす。
 そろそろマルタ狙いの準備をしたほうがいいだろう。
 セニョールにスモールマウスの様子はどうかと尋ねてみたところ30クラスが釣れたとのこと。他にも釣れた者があったようで、その魚も30クラスだったとのこと。
 大型はこのところの温暖によってネストの動きに入ったのか、ここより良い条件のフィーディングポイントがあるのかはわからない。いつまで経ってもバスフィッシングは難しい。その時は折りよく釣ることができても、正解などやり尽くせるものではない。
 セニョールとこの魚の難しさについて話し合っていたところ、セニョールがバイトを捉える。
 ペケニシモであるとのこと。
 マルタ狙いまでまだ時間があるので、朕もとりあえずという感じでマルタ用に組んだタックルにスピードワームを付け、スイムベイト用ロッドではキャストしづらいからとネイルシンカーを埋め流していたところストライクを得る。
 これまたペケニシモであった。
 とりあえずスモールマウスが釣れたが、釣れてしまった感が強く、サイズも小さいので喜びは湧かず、だからといってサイズアップのための方策も考え付かず、ということで17時を境にマルタ狙いに堰下へ向かうことにした。
 その頃、登戸下流部に入っていた李立はジャークベートでスモールマウスをキャッチしていた。
 35センチだというので、朕は「負けました」と返したところ「何でそう判断したの?」と李立。
 「そりゃ、30あるなしと35センチじゃオレの負けでしょ」と答えたところ、「そこは重要じゃないですよ。そっちはワームだけどオレはルアーで釣った。だから勝ちなんですよ」と、幼少期から伝説を観察してきた者ならではの視点で勝敗を判定していたのだった。
 朕はレジェンドⅡの言動を思い出し、「いかにもごもっとも」と言った。
 レジェンド風味を楽しんでいるかのような李立だったが、実は泣いていたという。というのも、これを釣る前に50アップのスモールマウスをバラしていたためだ。
 まあ、その悔しさはマルタで挽回すればよかろう、と堰下エリアで合流することに。

 堰下エリアに下りてみれば、早くも水位は平常通りに戻っていた。
 瀬、及びポイントには先客が立ち込んでいる。直接ポイントに立たず、もう少し離れた場所からキャストするだけで釣果は劇的に変わってくるだろうに、と思いながら眺める。
 先客が去るとすぐに魚が入って来る。
 ニセモノレンジバイブをキャスト。
 スポットが小さい上に流れが速いのでベイトを上手く通して来ることができない。そして当る割にはまったくフッキングが決まらないことに業を煮やし、ベイトをチェックしてみたらフロントフックがアイごともげていたのだった。見てくれはレンジバイブでも所詮はニセモノクオリティというところか。
 こんなところで損耗するのは惜しいが、結局本物のレンジバイブで何とか釣果を得ることができた。
 李立がラトリンのTDバイブを使い始めたところ、一時まったく反応が止んでしまうこともあったが、それぞれ二本ずつのマルタをキャッチ。
 思ったより釣果が伸びず、ただ釣れたというだけの寂しい結果になってしまった。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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