おれたちは根性がねえ

 2月20日。

 その身を娑婆に置いていた頃、秦明は多摩川の仙境に在った。
 スーパースプークJrでの釣果。
 ハードで、しかもトップで釣るなんて凄い!
 というところであろうか…とはいえ、ルアーはシチュエーションベイトといわれるもの。「トップで釣ったから凄い」ではなく、トップが有効なシチュエーションを知り、現地で当てはめることができたのが凄いというのだ。

 今日は晴れて温暖な昨日とは違い、雨模様。気温もさほど上がらない。しかし、最低気温は安定している。釣り人には厳しい日だが、魚にとってはそれほどショックはないかもしれない。
 出かける準備をしている間にも雨は勢いを増していく。
 人一倍流行に敏感な朕は、GETTの重ね着という着こなしをキメ、多摩川へ向かった。

 登戸入り。
 この厳しい天候ではさすがに伝説三輪氏の降臨を望むのは無理だろう。
 土曜日であっても今日のような日に来る、レジェンドⅡいうところの“釣り廃人”は朕ぐらいのものだろう、と思っていたが甘かった。
 下野さんとセニョールがすでにポイントに居たのである。
 彼らを見て、ジム・グースのように「お前はイカれてるぞ!」と叫ぼうとしたが、それはジュールズが黒人を捕まえて「このニガーめ」と言うのと同質のものと思われたので控えた。
 聞けば、雨が辛くなってきたので帰ろうとしたが、セニョールが48センチを釣ってしまったので帰れなくなってしまったとのこと。
 波気が弱いので、強アピールのベイトは有効でないように思われたが、光量の少なさと、雨によって水面の像がぼやかされることにより案外いけるのではないか。
 GETT重装の朕はためらうことなく雨の中に飛び込み、シャローフラットをラトリンスプークで通していく。やはり冷えた雨風の下のシャローフラットにトップは厳しかったか。
 ならばということで、深場へと続く流れの道筋に入り、ズーム・スピードワームのアンダーショットリグで丹念に探る…だが、反応は無い。
 まるで『千夜釣行』だ。
 雨ざらしの風に冷やされた手が次第に感覚を失っていく。
 このような状況にあって、さすがに下野さんとセニョールは撤退。
 入れ替わるように李立が現れる。
 朕も帰ろうと思っていたところ、李立が「何だ、もうやめるのか。だらしがねえなあ」と、伝説三輪氏の名言を吐く。ここで潮汐以外の釣れるタイミングについて教わり、朕は「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお」と返礼し、再びポイントに入る。
 水位の上昇があり、これが回遊の顕著化するタイミングか、と構えていたがワームをずらされるのみ。
 しかし、李立はしっかりとこの機を捉えていた。 
 先日のガンフィーバーのインパクトが強かったため小さく見えたが、40センチちょうどといったなかなかのサイズ。

 そこまでだった。
 風が南に変わることを願いつつ粘ってみたが叶わず、日没と共に納竿。
 ノーフィッシュを食らった朕は「オレだってちゃんとやってるよ!」と、ちゃんとやれてない人のようにブチキレるほかなかった。

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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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