土駱駝式

 12月25日。

 五本松。
 先日入った時は、下り坂の状況にあってコイがこのエリアに溜まっていた。
 手頃な水深、豊富な水量、太い流れは低水温期に魚を寄せる要素なのだ、と一応確信した朕は今日もここに入ってみることにした。
 この日は気温こそこの数日の流れの中では高めであったが、北風が強く、上昇の動きは感じられず、風景にもどこか荒涼とした印象があった。
 既に多摩川入りしていた義士は、登戸に居り、風強く、釣りの醍醐味(キャスティング)堪能には程遠い状態にある上、魚の姿も見えないので五本松に向かうとのこと。
 釣れるために必要な条件が備わる場所を五本松に見出してはいるが、すがる感覚であって、わずかに可能性がある、程度のものである。
 潮回りは良いが、その他の要素を見れば「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」程度の頼り無さであるため、「今日は五本松でファットラップが釣れるかの実験」というレジェンドワードをぶってから多摩川に向かった。

 五本松入りしたところ、義士を発見。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、最上級の挨拶をしようと思っていたが、向こうもこちらに気付き「多摩川は見えてくるものがないのう」と、これまたレジェンドワードでこちらの機先を制す。

 風に掻き回されるシャローは無いだろう、とクランクベートで地形変化の際立つポイントを求めるが、ストラクチャーはストレート、フラットというものであった。微細な変化まで捉えることはできなかったので、この感覚は必ずしも正しいとは言い難いが、地形からだけでは探しきれないと判断した。
 ここは流れが太く、水量豊富だが、そもそも流水の温度はどれほどなのか、と測ってみれば表水温で15と16℃の間を指している。この数値はナマズの活動可能な温度である。
 これがキャストを続けるための拠り所となった。
 また、その数は三、四羽程度だったが、朕がチビツブリと呼ぶ魚食鳥がこのエリアを離れずベイトを求めていることも支えとなった。
 魚が通る、待機するような場所を求め、キャストを続けること幾百余分、ついに何の反応も得られず迎える日没。

 「おめえが良いって言うから来てみたけどよお、釣れねえじゃねえか!」と突っ込まれる前に、自らに突っ込むことによって穏やかに散会できたのであった。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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