多摩川策 バジラヤナの十八年(多分)

 12月15日。

 適切な場所の見当もつかず、次へ進む手掛かりも掴めないままノーフィッシュの続く多摩川ゲーム。
 「多摩川はもう飽きた」とか「釣りという低レベルな競争からの卒業」などとクールな台詞を決めておきながら、吐いた唾を飲むような行いをしていては目も当てられないので探求を止めるわけにはいかない。
 この日は部屋にこもってネットゲームでもしていようかと思ったが、対戦麻雀ではゲームの興奮は味わえても、不幸な境遇の女の子(詐欺師)と知り合えるときめきは味わえない。
 困ったものだ、と思っていたところ、李立が多摩川へ向かうとの報あり。
 マーばりに「オレがついてってやるべえか」と先輩風を吹かせて多摩川に向かうことにした。

 宿河原堰下。
 堰直下のプールには先週と同じ場所にニゴイが居た。
 ニゴイの生態はあまりにも未知が多い。どのルアー対象魚も、結局習性の一部を知っているに過ぎないが、ニゴイは殊更パターン化が難しいと感じている。
 下流側に李立の姿が見える。
 ルアーマンは李立一人だったので「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、レジェンド泣きで到着を知らせる。
 昨日とは違う、陽気の温和な天候に気分は良いが、この状態が続くようでなければ釣果は望めないだろう。
 先日の大雨の影響で、水質はクリアながら水量は多く、水勢もあり、浅くフラット気味だった地形に程よい変化が現れていた。
 しかし、この数日間のうちにできた変化であり、昨日までは寒冷に晒されていたこともあるので、すぐに魚が入ってくるとは考え難い。
 エリア変更を決定。
 宇奈根エリアもそろそろ落ち着いてきているのではないかという李立の意見もあったが、あそこからの帰宅は辛いので却下。
 湧水とシャローの水温差が、今日の温暖によって多少均されるのではないか。それならばナマズもシャローに入りやすくなり、より水温の高い第一ワンドの水の動きを検知できる可能性がある。昨日の第一ワンドはコイ、フナしか集めていなかったが、あのワンドの水は魚たちにとって魅力的であることを示している。第一ワンド周辺でしょう、と朕は力説。
 何より登戸からだと帰宅が楽でいい。
 というわけで登戸への移動決定。

 それはともかく、既に第二ワンドは破壊され消滅したので、第一ワンドは“ワンド”もしくは“旧第一ワンド”と呼称を改めねばならないだろう。ついでにいうと“ワンド”という単語は日本語にもあり、日本語では“私たち”を意味し、現在はどうか知らないが、かつては青森県でよく用いられていた。

 名称改め“ワンド”あるいは“旧第一ワンド”を擁する登戸エリア上流側到着。
 陽光の影響を直に受ける浅い水深ではその効果が現れていた。
 昨日はまったく見えなかったブラックやナマズが、目の届く所に姿を見せている。
 しかし、その存在が明らかになっていることと、釣れることは別問題で、この状態を朕は「見えているけど見えない魚」と表し、李立は「魚は居るけど居ない」と表した。
 この天候が続けば見えてくるようになるだろうが、崩れればまた見えなくなるだろう。
 結局、「ライトリグだってハードベイトだって散々投げたさ!でも釣れなかったんだよ!」と、レジェンドギレの応用をキメて解散となった。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング 青森県

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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