パッパガーロ

 8月8日。

 今月末の鮫川遠征と引き換えに、昨日は娑婆に抛り出されることになってしまった。潮回りが良くないからいいか、と受け入れワークの機会を犠牲にしてしまったが、李立は日々の修習を怠らず、スモールマウスをキャッチしていた。
 どうやらスモールマウスはそこそこに釣れているそうである。しかし、朕にはどうすれば釣れるかわからないので、わかっていないことをごまかすために「オレはお前と違ってガチじゃねえからよお」と、レジェンド節を返してやった。

 先日、武松の手下を名乗る孔亮なる者からコンタクトがあり、この日、多摩川に来ることになっていた。
 どんな人物かは不明だが、本人がやる気なのだから、いずれ会うこともあるだろう、と大して気にもせず五本松へ向かい、己の釣りに邁進していた。
 開始早々にジャバロンもどきのアメリカンワームにコイがバイトしてきたがそれきりで、見えるベートの数が少ないことが気になり始める。
 下流側には減水によって現れた逆ワンドがあり、風が下流側から吹き付けている。今ならチャンスがあるかもしれないと思い移動。

 岬状の出っ張りには浅瀬、落ち込み、両サイドにベートフィッシュが集まっており、時折魚食ゴイも姿を見せていた。
 しかし何かが足りない。全ての要素がフラット過ぎるという印象だ。ぶつかりあうもの、せめぎあうものが不足しているのだ。
 それでも魚の通り道になる可能性はあると考えられたので暗くなるまで様子を見ることにする。
 と、孔亮よりメール着信していることに気付く。どの人物が朕であるかわからないため、親分を伴ってくるとのこと。
 それはそうと、このポイントは想像以上に弱いのか進展は見られず、やはり構成的に変化に富む上流側の方がチャンスありなのか、と移動。

 上流側に戻ろうとしたところ、張横と李立。
 ブラック狙いで登戸からこちらに移動してきたとのこと。
 張横がトルザイトの軽さから来る優位性について説明していたので、朕は超人百二芸を極めたラーメンマンでさえ、先端に錘を付けた竹竿を片手で持ち上げられなかった例え話を出す。
 これを克服することによって猛虎百歩神拳を編み出したことや、モンゴルマンの正体はラーメンマンだったなどといった話で盛り上がったが、李立はきょとんとしている。
 釣りに関しては同じ目線で話しているので年齢差は意識しないが、一方で少年とおっさんたちという悲しい現実もあるのだ。

 やがて武松と孔亮が現れる。
 孔亮は実はまだ初心者とのことで、キャスティングからという状態だった。
 実際に釣ってレジェンドⅡばりにビッグマウスをカマしたいところではあったが、ナマズの動きは鈍く「釣れましたか?」「アタリはあるよ」状態に止まる。
 この停滞ぶりはタイドグラフの曲線が示す通りだった。
 「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と、自然の理を知らず“根性”だのを持ち出す者も居ないので、釣果を諦め、マッドマックス最新作を見たという武松の功を讃え、解散となった。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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