伝説風雲

 7月6日。

 嘘つきとビッチだらけの衆生の毒気に当てられ、疲弊しきり、先日はワークを怠ってしまったが、サマナたちは怠らず日々を実践していた。
 李立は増水時のカバー打ちを行い多摩川でスモールマウスを。
 その翌日は秦明、李立、施恩がドブでシーバスを。
 両日とも盛況というほどではなかったとのことだが出家修行者としてステージを上げていたのだった。

 この日夕刻、ようやく毒気の抜けた朕は、連日の雨で水が復活し、増水によって小魚も避難してくることが予測される第一ワンド跡を擁する登戸に入ることにした。
 ウォーターマフィアどもによって、増水時に強いポイントは破壊されてしまったが、第一ワンド跡にはかろうじて名残があると思ったからである。

 現地入りしたところ、李立の姿があった。
 聞けば、自作アラバマリグでスモールマウスをキャッチしたとのこと。
 先日のシーをキャッチしたのも自作アラバマリグだとのことで、アラバマリグの肝を自分のものにできたようである。
 朕は第一ワンド跡に向かってみたが、魚は寄っているものの何かが足りないという感覚を得る。この感覚というものについては実に曖昧で、正確性についても保証は無いが、一朝一夕で養われるようなものではない。長年のデータの蓄積と経験が問われる質のものだ。
 どうもここではないようだ。そう感じたら即行動、というわけで朕は一人五本松を目指した。

 五本松。
 流れは強く、対岸のわずかな緩みにベイトフィッシュが溜まっているのが見える。
 上流側のワンドを覗いてみれば、水門の水路にナマズが居たが、向こうもこちらに気付いている反応を見せる。
 光量があるうちに他のエリアの様子も見ておこう、と調布堰下エリアに向かう。

 瀬周りの緩みには大量のアユ。
 これは!と期待するが大型魚の入りは悪い。
 一帯の水深が浅すぎるため、増水で流れが強まると大型魚が身を置くのに不利な構造なのだろう。
 淵が少なく瀬の多い多摩川の泣き所だ。
 もしかしたらこの後、ナマズが入ってくることもあるのかもしれない。本流筋だからスモールマウスの回遊に当ることもあるのかもしれない。
 しかし「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお」というレジェンド的な発想に成り行きを委ねるのはあまりにも愚かである。
 何故ならレジェンドの発想は、自然界に於ける因果関係を抜きにして、己のこうあって欲しいという願望から生まれてくるものだからだ。
 とにかく釣りたい朕は、当然こういった意見は無視、あるいは否定する。このような対応は、プライドだけは高い釣り歴の長いベテランには面白くなかっただろう。しかし、朕は他人のために釣りをしているのではなく、自己満足を得るために釣りをしているのだ。
 釣果を得るうえで役に立たないものは斬って捨てる。

 再び五本松へ。
 対岸からは捕食音が聞こえてくる。
 ザラやチャギンスプークなら対岸の緩みまで飛ばすことは可能だが、本流の水勢が強すぎ、緩みのゾーンにベイトを滞在させておくことができない。
 かつては登戸側から陸伝いにアプローチ可能だった五本松対岸も、マフィアどもの所業によって水路を通されてしまった。
 政治経済的な側面からは発展のための河川工事なのかもしれないが、ナチュラリストから見れば悪業以外のなにものでもない。  朕は釣果を諦め、またしても世間に恨みを抱いて帰路に就くこととなった。

 携帯を見てみれば、蝦夷地入りしているというヂョイ兄いより釣果の報が入っていた。
 JOYWORKS/一寸でエゾウグイ3本キャッチとのこと。

 他の者は釣り、自分だけ釣れなかったので、レジェンドのようにイジけ「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と吠えてみた。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング シーバスフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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