ゴスカルリはいかにしてハルナフリの走り使いになっていったかを知る

 6月14日。

 昼飯を食いながら、先日師匠から借りた香港映画を見ていた。
 描き込みが甘いなあ、ビッキー・チャオってちょっと小奇麗なおねえちゃん程度にしか見えないのに、映画になるとやっぱ映えるわ、などと言いながら見ていたら結局最後まで見てしまっていた。それなりに楽しんでいたようで、気付けば既に夕刻になっている。
 翌日は早朝のお務めから解放されるため、遅くまで粘るつもりで調布へ向かう。

 現地入りしてみたところポイントは独占状態。
 これで釣れでもしたら、レジェンドに「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」とキレられそうなものである。
 しばらく経つと、李立もこちらへ向かうとの報あり。
 合流し、登戸でのエサ釣りの様子を聞く。
 師匠はフナを、李立はオイカワを二桁キャッチできたという。今朝の雨がポイントににわかに力を持たせたようだ。
 一方、現在のこのポイントはベイトは濃いものの、コイ科の反応しゃ得られず、ナマズが来る気配は無い。
 雨で冷えた後の超浅場だからなのかと朕は思ったが、違う、とは李立の弁。
 それよりも水位減少傾向時の魚の平均的な動きと、ナマズにとっては産卵期であるということを考えなければならない…と、言われてみればなるほど、という内容だが、このポイントでの連日の釣果、地形、ベイトの濃さに朕の視野は狭まっていて、そのことに気付いていなかったことを思い知らされる。
 レジェンドにも「お前は視野が狭い」と言われてたものだ。もっともレジェンドの指摘の内容は的外れなものだったが…。
 ちょっと探りを入れただけで欠けた要素に気付いてしまうところに、またしてもオビワンでは手に負えないアナキンを連想した。
 アトランティスの王、ネイモアを相手に「わしとて支配者の生まれ!」と気概を見せたマグニートーのごとく、朕も奮い立ち、ならば水量豊富で産卵候補地も控えた五本松へ移動することを決断。

 五本松エリアにナマズの気配は濃厚だった。しかし、「釣れましたか」「アタリはあるよ」状態。揃うべきものは揃っているはずなのに食いきらない。
 朕にはその理由がわからない。
 ところが李立はその理由の推測ができていた。目に見えるベイトフィッシュが居ない、というもの。以前からこの一帯にベイトフィッシュの存在が濃いことを確認していた朕は気にもしていなかった。
 しかし、現在ナマズは水面付近をうろついているのに、そのレンジにベイトが居なければ、たとえこの一帯にベイトフィッシュが居たとしてもリンクはしない。
 何度かの失敗でようやく気取る朕と、一度の失敗で悟る李立のアングラーとしての資質の差を思い知っての撤退となった。

 「でもよお…」と言って自然観察者の理論を否定し、目の前の現象と結果しか見られない者には辿り着けない領域。
 結果としてノーフィッシュを食らったわけだが「お前はご大層な御託を並べるけど実際釣れてねえじゃねえか」と言ってその御託を軽視する“根っからのバサー”であるレジェンドと、朕程度の自然観察者との釣果平均の差は、釣行回数の差を抜きにしても歴然だった。
 上手く行かなかったことを次に活かすには、大層な御託ぐらいは唱えられる程度の考える力を持ってなければ話にならないということだ。

 ※マー語
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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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