小さな歴史に学ぶ

 6月12日。

 雨が降った。
 今日こそはエサ釣りノーフィッシュから脱せられるのではないかと期待し、エサとルアーの2タックルで多摩川へ向かった。
 しかし、水道橋上から川を見たところ、水勢水位に変化は認められず、水色は昨日よりクリアになっていた。
 今日はエサ釣り止めようかとも思ったが、レジェンドの言葉「やってみなきゃわかんねえじゃねえかよお」に奮い立つ。
 たとえ釣りはヘボくても言うことは立派なのだ。
 また、エサ釣りは釣り師側の工夫によって、そこが一級ポイントではなくてもそれなりのポイントにすることも場合によっては可能だという利点がある。

 この日、ポイントには朕が一番乗り。
 始めからヘラ針を付け、地道にエサを打ち続ける。
 雨の影響と月齢の更新が重なったのが幸いしたか、昨日までよりアタリの数が増えている。エサをついばみにくる小魚も見えるようになった。
 師匠はこの日、エサタックルのみで登場。
 ここで合流する予定になった施恩だったがなかなか現れない。先ほどまでハインションだったのにどうしたんだろうとメールをチェックしたところ、ナマズの溜まるスポットを発見したのでそこで“本気”出すとのこと。この人の本気はオリジナルの“本気”と違って実力が伴っているものなので期待が持てる。或いは、その時は釣れなくても今後に繋がるデータを得てくるだろう。
 小さなアタリをこらえ待ち続けていたところ朕のウキに明確なアタリが出る。大アワセにならぬよう軽くアワセを入れたところ一気に走られラインブレイク。
 コイだった。
 師匠を見ると、針を袖針に替え、盛んというほどでもないがモロコをぽつぽつと釣っていた。レンジも浅い。
 「釣れてるやつの真似しねえと、見えてくるものも見えて来ねえぞ」またしても言うことだけは立派なレジェンドの言葉だ。
 そこで朕も袖針に替え、レンジを上げる。
 しかし、こちらは小さなアタリがあるのみ。
 施恩到着。
 「で、どうだった?」と聞いたところ、一匹キャッチに成功し、さっきメールを送ったとのこと。師匠からタックルを借り受けエサ釣りを開始し、早々にモロコをキャッチ。
 程なくしてフナまで釣るという快挙。
 まさに「突き落としてやろうか」と言うべき場面である。 
 この頃、エサを使い尽していた朕はルアー釣りの準備に入る。
 満足の結果を得た施恩は勤労に向かい、入れ替わる形で勤労明けの李立が到着。
 久しぶりにエサ釣りで“本気”出したいと、李立もまた師匠からタックルを借り、フナをキャッチしたのだった。
 朕は己の技量をよく心得ているので、「オレはお前らと違ってガチじゃねえからよお」と言っておきながら仲間が調子よく釣れ、自分だけ釣れないと露骨に不機嫌になるレジェンドのようにはならないが、片手間程度に来た者に呆気なく釣りたかった魚を釣られてしまい、さすがに悔やしさを露わにした。
 すっかりられポンキッキな朕は五時の鐘を聞いた後師匠に「これからのナマズ釣りで“本気”出します」と別れを告げ、調布堰下エリアに向かった。

 「この前釣れたから…」のポイント。
 主にトップウォータープラグを使ったゲーム展開であるが、ナマズだからトップという感覚ではなく、このシチュエーションではトップウォータープラグが適切だからという考えでのベイト選択。
 明らかにナマズだというバイト、コイやニゴイなのでは?というバイトは何度か出ていたが、キャッチできたのは朕が得た一尾だけだった。
 チャギンスプークJrでの釣果に、このルアーはよく釣れるという印象が刷り込まれる。よってこのルアーは反則なのか?という言葉が浮かんでくる。しかしそれは違う。
 そもそも朕はよく釣れるルアーやメソッドを“反則”と表する考え方には同調できない。
 その時々の状況にベイトを合わせていくのがルアー釣りなのだから、良く釣れるルアーを積極的に使うのは反則ではないと思う。そのルアーは様々な状況に適応する優れたベイトだということで、プレイヤー側のゲーム展開を手助けし次を考えられるゆとりを与える。

 ルアーをどうこうするより、その他の部分を考えられなければただでさえ難しい釣りが余計に難しくなってしまうし、徒に経験だけ積み重ねることになる。
 そうした釣り師としての失敗を、レジェンドたちは見事に体現していた。

 ※マー語
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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