某国日本の悲しみ

 5月23日。

 エサ釣りは最初から諦め、夕刻近くに登戸入り。
 現地には師匠と李立の他に、バイカーとその友人。
 人出は多く、状況も芳しくないようだ。とりあえず、昨日の落水ネタと「突き落としてやろうか」ストーリーで盛り上がるしか法が無い。
 それならば「昨日釣れたから」ということで堰下に行くことにする。
 師匠の撤退に合わせ、朕と李立は堰下エリアに移動。

 合間、世附川に行っていたという史進よりメール着信。
 みんなフライやスプーンをやっているから、ルアーにこだわってリッジ46SMDRで釣ったという。
 魚の往来不能な堰だらけの流域でスモルトが釣れるという不思議。せっかく銀毛化してもその使命をまっとうできない日本の河川の非道さ。釣果よりも我が国の自然環境の異常さに悲しみを覚えた。

 さて、本気出す!と挑んだ堰下エリアだが、先客がフッコを釣り上げるという快挙を成し遂げていたものの、我々はノーフィッシュを食らい「オレはガチじゃねえから」と、負け惜しんでの撤退。
 第二ラウンドのドブシーバスに望みを託す。

 ドブシーバス。
 久々の公孫先生との合流。
 しかし、実釣開始時の潮の動きは決して良いものではない。更に、先日まで見てきた湾奥の水は良い状態ではなかった。
 それでも季節は進んでいる。梅雨が明けるまでは湾奥にもまだまだチャンスはあるだろう。また、朕も常時フィールドの様子を見ているわけではないので、気付かぬうちにプラス要素が発生しているということもある。
 レジェンドとはまた違った理由で「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお」というところである。
 かくして、朕と公孫先生の他、先ほど目の前でフッコを釣られ、からシーバスを釣りたがっていた李立も加わりドブへ向かう。

 まずはホームレス公園へ。
 一応下げの効いている時間帯であるから、お目当てのポイントに辿り着ければそれなりに釣れるはずである。
 公園一帯は早くも蚊の巣窟となっており、朕は早々に生き血を吸われ、あった方がいいんでないの?程度の感覚で持ってきた蚊取り線香が、実はとても重要なタックルであったことを知る。
 さて、今日はお目当てのポイントに到達できるのか、と、その前にお約束のCDラパラでテクトロをと歩き始めたところ、李立が早速セイゴをキャッチしていた。
 意外とイケるのか?と一瞬思ったが、やはり一瞬だけであった。
 本命ポイントには行けず、打てる範囲にベイトの気配は希薄。水そのものを観察してみたところ水も良くない。ここまでわかっていながら、意地でも粘り、木っ端がどうにか釣れたり、ボラやエイがスレ掛かりして大喜びできる者も中には居るが、“ガチ”で来ている我々は少しでも確率を高められる道を選ぶ。

 奥の奥の水は悪い。
 奥に繋がる開けた水域には入れない。
 ならば多摩川筋が堅いか。しかし、河口付近はクルマを安全に停められる場所からから遠い。
 となると、多摩川河口に少しでも近いケミカルワンドか。

 ケミカルワンドに入ってみると、風はワンドに向けて吹き付けている。
 そしてお目当てのポイントにも入れる状態になっていた。
 これは幸先が良いか、と早々に李立がセイゴをキャッチ。
 朕にもバイトの感触があり、魚が入ってきているという実感が湧いてくる。目に見えるプラス要素は風ぐらいだが、当然のようにベイトも寄っているのだろう。
 しかし、なかなか釣れない。
 常に水が動くスポットはどうなのか。
 ここで朕は早々にバイトを得られなかったので、すぐにスタート地点に近い地形変化に答えを求めたが、このスポットを諦めなかった李立と公孫先生は共にフッコをキャッチしていた。
 どうやらベイトはそれなりに大きかったようで、これまで細身の5~7センチのミノーを引いていたときは反応を得られなかったが、ビーフリーズやローリングベイトといったバルキーなミノーシェイプを使い始めたところ釣れたとのこと。
 釣れてはいるが、反応が盛んというほどでもなく、かといって諦めるような状況でもない。
 しばし間を置いて再び李立がフッコをキャッチしたが、やがて迎える潮止まり。
 こちらも遂に集中力が切れ、ストップフィッシング。

 気付けばこの中では最もシーバス歴が長い朕がノーフィッシュ、後輩である二人がそれぞれ本命をキャッチという結果。
 当然言うべき言葉はただひとつ。
 「突き落としてやろうか」
 次はキレるべき場面である。が、李立のやつ、朕の狙いを察してかまったく引導を渡してくれない。
 朕はフラストレーションを溜めたまま、帰りの車中へ。
 そんな時、逸話を知らない公孫先生が「腹減りましたねえ。メシ、どうします?」と一言。待ってました、とばかりに、朕は「メシなんか食わねえぞ!」と吠えて見せた。

 ブラックタイガーをKO葬したタイガーマスクを表彰しようとした梶原一騎。刹那、ブラックタイガーは息を吹き返し襲い掛かる、が、タイガーが防衛したベルトの一打でこれを退ける。
 梶原一騎とて空手と柔道の心得がある猛者ではあったが、不意にレスラーに襲われてはどうなるか知れたものではない。
 その時湧いてきた言葉が「いいヤツ!タイガーマスク!」というもの。
 そんな気持ちを朕も味わうことができた。

 当然、最後はメシを食いました。

 ※マー語
スポンサーサイト

テーマ : お仕事奮闘記
ジャンル : 就職・お仕事

tag : 多摩川 ルアーフィッシング シーバスフィッシング

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

最新記事
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード