あの人は私たちとは違うのよ

 5月6日。

 昨日も李立がお約束のようにスモールマウスをキャッチしていた。
 突き落としても足らないほどに釣っている。朕はどうやって釣れたのか、その理由を探るべくあれこれ聞き出すが、中にはかつて教えた者が自分より遥かに上手くなってしまったことに気分を害してしまう者も出てくる。素直に上達を認め、教わる気概を持てば自分もまた向上できるのに残念なことである。
 ジタンの島では弟子も師もなく互いに教えあい、美の極致を追求するという理想の環境となっている。

 この日はルアータックルのみで登戸へ向かった。エサ釣りはしばらく期待できないためだ。
 現地入りしたところ、師匠、李立の他に久しぶりの若きベテランの姿があった。
 先日辺りから再び昼夜の寒暖差が激しくなった。懸念事項ではあるが、ここまで季節が進めば気にするほどではなかろう、と余裕の構えで夕刻までをてきとーキャストで過ごす。

 師匠と若きベテランは5時の鐘を機に撤収したが、ナマ師はこれからが“本気出す”べき時間帯である。
 今回は中野島堰下エリアを選択。
 登戸馬の背一帯は流れが変わり、アユの付きが悪くなったのか、ナマズの滞在時間が短いように感じられていたためである。
 このエリアはエントリーにから時間を要するが、彼と違ってガチな我々は、より強い場所を求めて探求するのである。

 駄菓子菓子。
 ナマズの息遣いを感じることはなかった。
 瀬の緩みで唯一、李立がバイトを引き出してはいたが、緩みのシャローエリアは平穏なままだった。
 気にするほどでもないと思われた夜の冷え込みと、少ない流量がシャローを沈黙させたか。
 このような状態なら粘っても無駄である。かといって他のエリアに入り直すだけの時間的な余裕は無い。
 かくして多摩川連続キャッチの記録は呆気なく途切れ「オレだってちゃんとやってるよ!」と、遠吠えながら笑った。

 帰宅してみれば東北の旅に出ていた施恩よりメール着信。
 スイムベイトでビッグフィッシュをキャッチしたとの自慢メール…。
 どんなやっかみの言葉を贈るか迷い、結局“突き落としてやろうか”と返すしゃできなかった。

 ※マー語
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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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