Along the way 新利根川篇

 3月20日。

 ラージマウスバスが居るフィールドで、ラージマウスバスを狙う釣り。
 朕が最もやりたい釣りだ。
 これのために道具を吟味し、自然環境について考え、日々を養う。
 シーバス、スモールマウス、ナマズ、その他の対象魚の釣りもバスフィッシングのためであり、バスで得た経験もまた他魚種で活かされる。
 そしていよいよ待ちに待ったバスフィッシングの機会が巡ってきた。
 霞水系は朕がルアーフィッシングの礎を学んだ思い出深いフィールド。
 北浦復活の報を聞いてはいるが、本湖は岸からのアプローチがしづらくなっている昨今のこと。今年も攻め入るのは岸からのアプローチが容易な新利根川に決定。

 平日の釣行が可能な李立と施恩を伴い、はからずもこの日が休日であった彩国白日鼠のビーバスも合流。
 気が逸るあまり、現地到着はから早くなってしまったが、ブラック企業牛丼などを食いながら時間調整し、昨年の実績ポイント、柴崎エリアに入る。
 「前にここで釣れたから」というわけだが、新利根の実績ポイントはここだけではない。柴崎を選んだ本当の理由は、ここがアプローチ容易な作りとなっていながら、その日を測る材料を得やすい変化に富んでいるためである。
 肌寒さを感じるほどの外気温だったが、水に冷たさを感じない。魚は十分に動けるはずだと思われたので一同巻きの釣りを展開するが誰も反応は得られず。
 エリア違いか、タイミングの問題か、とにかく今はここではない。ということでひとまず移動。

 水がそれほど冷たくないのなら、ブラックはどんどん浅場の奥を目指しているのではないか。ならば上流側の、奥まったクリーク状のシャローである破竹川周辺はどうか、と行ってみることにした。

 破竹川及び河口周辺。
 のっぺりとした景観が続く中にあって、ここが捉えやすい変化の重なるポイントである。
 エントリーの容易さもあって、間違いなく叩かれまくってはいるだろうが、際立った変化は魚にとっても重要な意味を持っているのだ。
 新利根川を本湖、破竹川をワンドに見立て、朕は河口部一帯をリップレスクランクとスピナーベートで流していくが反応は得られず。
 途中施恩から電話があり、何事かと聞いてみれば、ビーバスが40アップをラバージグでキャッチしたとのこと。
 一通り流し終え、集合し、詳しく話を聞いたところ、ジグは着底させて釣ったのではなく、水面直下のカバーを乗り越えた時に食ってきたという。
 また、施恩はバラしたものの、チャターを巻いていた時に30クラスが食ってきたという。岸際にザリガニの姿も見たとか。
 奥まったシャローに食いに来ているのか。
 改めてそれぞれに探りを続けてみたが、何事も起こらず、どうやら先ほどのは単発の気配濃厚だと判断された。
 しかし、浅い場所に魚は入って来ている。

 更に上流。
 かつて郁保四に何とか釣らせてやったポイント、通称バカ弟子ポイント一帯へ。
 四方に散り、それぞれ流していたところ李立がキャッチ。
 この時期にリップレスクランクの速巻きで釣れる魚は大きい、という認識でいる我々には意外とも思える小ぶりな魚。

 しかしまだ何も見えていない状態である。これからを断定できる段階ではない。
 更にシャローに突っ込んでみようということで、上流側へ向かうも、上流側は全体が泥混じりの濁りに覆われていて可能性は低いと判断。
 新利根は濁りの効いた水色だが、柴崎エリアの水の方が水が濾されていて水質が良いように思われた。
 勝負をかけるなら下流側か。

 と、ここに至るまで午前中を目一杯使ってしまった。
 一つのエリアに費やす時間が多過ぎた。
 昼飯時はゆうに過ぎ、このまま探索を続けても徒に迷走を続ける羽目になるだろう。
 ここはネジの巻き直し、ということで先日注文していたリッピンラップを引き取るついでに、ヤンキー麺でも食いに行こうと土浦市はランカーズまで移動。
 また、ビーバス釣果の報に刺戟された大先生こと殺鯨鬼の紅蠍も新利根へ向かうとの報あり。ボンクラスメンバー、一年ぶりの集合を楽しみにランカーズ到着。
 さあ、リッピンラップ・レッドクロウダッドとファイヤータイガーがあれば、かつて北浦通いをしていた頃のように、リップレスクランク巻き倒しで、というつもりが、日本に届いていたのは今日の出番は無さそうなブルーバックシルバーのみ。
 ならばということで浮いた予算でラトリンラパラ5とバルサエクストリームのウェイクミノーと、カルチバのブレードクロスジグヘッドとバスプロショップスのカタログを買い、滞りなく円天放出。
 買いたい物、聞いてみたいことはまだまだあったが、カネと時間の都合上、全部というわけにはいかないのが悔やまれた。
 搾り取られ、積まれる富は、使いどころを知る朕の元に流れてくるべきである。
 また、店長にバギーのおっちゃんぢょんは元気か?と尋ねられたので、自分だけいつも釣れないのですっかりイジけてしまっていると答えたところ、やっぱりそっちでもそうなのか…と嘆息。
 名残惜しくもランカーズを後にし、ヤンキー麺を堪能。まったりとしていたい気分ではあったが、我々に残された時間はあまりにも少ない。
 既に、楽しみにしていたルアーマンの聖地、スーパープロショップ訪問を省いているのだ。アタックファイブに寄っているゆとりなど到底無い。
 殉教者が霞水系を訪れるには、日帰りという日程はあまりにも酷である。
 
 再び破竹川周辺へ。
 全体的に柴崎から下流のほうが水質が良いと予測されたが、柴崎より下流側は一から調べ上げなければならないエリアであるため、勝負エリアは破竹川周辺と柴崎一帯にしようとここに至るまでに合意していた。
 紅蠍大先生も到着し、これまでの感触とこれからのプランを伝える。
 流していく中で、やはりここはエリア違いだという感触が口々に語られる中、施恩、移動手前の一投でストライクを得る。
 やはり小さいな、という印象を誰もが受けていたが、先ほどランカーズで買った秤で重量を見たところ1100グラムのキロフィッシュ。ついでに寸法を測ってみれば40センチある。
 意外にイガいブラックだった。
 とはいえこのエリアに固執するだけの要素は見出せず、我々は二匹目のドジョウを追わず、柴崎エリアで勝負をかけることにした。

 再びの柴崎エリア。
 この時朕は『千夜釣行』のナレーションばりに「夕間詰め、最後のチャンスに賭ける」という心境にあった。
 プリスポーン期の大潮。まだ肌寒さを感じる季節。釣れ易い状況ではないが、こんな時こそ大型を手に出来る機会なのだ、という持論の元に特にこの日を選んでやってきたのだが、それを体現して見せたのは朕ではなくビーバスだった。
 47センチのグッドコンデション。
 こういうのを釣りたくて遠路はるばるやってきたというのに、他人様に持ってかれてしまった。ヒットルアーは、KVDクロウダッドカラーのクランクベート。ヘボっちい人から「ハードルアーで釣ったんすか、すごいっすねえ!」なんて賞賛を浴びそうな釣れ方である。
 霞水系のバスなら任せろ、と言わんばかりの自信で臨んだ朕と紅蠍は何の手応えも無いまま撃沈。
 「オレはよぉ、昔新川で鍛えたからよぉ」と豪語しておきながら、実はからっきしだったという滑稽な憐れさを朕も演じてしまったのだった。
 朕同様、こてんぱんに打ち砕かれた紅蠍、やにわにスマフォを取り出して音楽を流す。
 こ、これは!?
 美しい水の流れと、幻想的な風景に良く似合うあの曲ではないか!
 『Along the way』…たちまちのうちに気分はバスバブルのあの頃へ。

 かくして、短かすぎる一日は終わった。
 上手く行ったときは至福を。敗れた時は次への意欲を。ゲームを追うという意志があるなら、どんな対象魚でも楽しいものではあるが、やはりラージマウスバスには格別のものがある、という気持ちを共有しての解散となった。

 ※マー語
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tag : バスフィッシング ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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