北方の命知らず

 1月30日。

 積雪、寒冷。
 しかし、貴重な休日の最終日。
 行くべきか、行かざるべきか、それが問題だ。
 外へ出て空の様子を見ては部屋に戻りを繰り返し、『燃えよ!カンフー』を見ながら大切なことを学び、自然との調和を求めるヒントを探る。
 しばらくすると、施恩が現地入りしたとの報あり。
 極厳修行者として遅れを取るわけにはゆかぬ、と現地入りしたところ、李立もワークに参加していた。
 釣りに対する姿勢は度を超していても、思考はいたって冷静である我々は、この急激な下降と実際の現地の状況から可能性を見出せず、とりあえずのキャストをしただけで撤退を決定。

 “本気”だの“根性”だのを謳ったところで、環境が適切でなければそれらを発揮する意味が無いということを悟っただろうか。

 2月1日。

 先日の積雪と寒冷以降、上昇は見て取れない。太陰暦の春は近いが、やはり冬だ。
 しかし晴天と、スモールマウスが冷水性の魚だという認識が朕をフィールドに駆り立てる。
 クランクベート、ジャークベイトからワーミングまでを一つのタックルでこなそうと、今日もUSAシマノとエアノス3000PE仕様だ。幾度となくやっているうちに、現場でのFGノットも苦ではなくなっている。
 今日のフィールドの表情はどのようなものか。通い続けている場所でも、出発前の気持ちはいつも新鮮である。

 多摩川到着。
 現地には施恩の他、李俊、張横の姿もあった。
 彼らの話を聞かねば、と足を急かせていたところ、魚とファイト中の少年が目に入る。40あるか無いかのグッドプロポーションのスモールマウスだった。
 今日はチャンスありか。
 今や一人前のアングラーとなった施恩、職人の李俊、張横。こういった者達の話は後々役に立つ知恵となる。もっとも聞く側にも相応の技量が求められることもあるが。
 張横は今日40アップをキャッチしたとのこと。ボトム寄りをよりスローに引くため、シャッドプラグをダウンショットに組んでのヒットだったというから、寒冷の影響が残っているのだろう。
 また、先日、三匹の総寸が150センチに達した時の50オーバーのスモールマウスの写真を見せていただく。マルキュー食わせオキアミのCM、「幻は居た、居たのである」の感覚だ。
 朕もルアーを結び「オレはよお、昔北浦できたえたからよお」と言って軽く一同の笑いを取ったところで実釣開始。
 ルアーで釣れる魚は、来てさえいれば簡単に釣れるというのが持論の朕は、回遊待ちの釣りを三人に任せ、風を追った。
 時には待つ釣りをしなければならない時もあるが、自分より上手い釣り師と同じ魚を狙うのではあまりにも分が悪い、というのも移動の理由である。

 リップレスクランクやジャークベイトを入れながらキャストを続けていくが、冷たい風が表層をかき回しているためか、まるで何も感じない。
 深めを探るべきか。それでも適度なアトラクターは欲しい、ということで美しくはないがシャロークランクをキャロライナリグに組んでキャスト再開。
 やがて施恩も違った変化を求めて移動してくる。
 キャストしつつ、昨日行って来たというフィッシングショーについて語る。
 ミラクルジムの人を惹きつける力は凄まじかったらしく、ジャッカルのノベルティを配っていたのが加藤誠司だったことや、ジムの話を聞いている時、近くにヒロ内藤がいたことなど様々なこともすべてハジメさんに持っていかれたようだ。

 流しつつ、話を聞きつつと続けていくが反応は得られない。やはり寒冷の影響で動きが鈍化しているのか、しかし、全ての個体がそうなってるわけでもあるまい、と、とことん風を追うことにした。
 確率を論じての結果ではなく、そうあってほしいという願望のほうが勝っての行動である。

 ウインディサイドのシャロー。
 根掛りの多い一帯であることは承知しているが、釣ることに対し本気な朕は、手を惜しんではいられぬ、という訳でリップレスクランクを打っていたが、貴重なレアリスバイブとLV200をロスト…。
 秦明到着。今日は先日仕入れたロックフィッシュ用ロッドの試しも兼ねている。
 本当にスモールマウスはここで良いのか?を論じ合っていたところ、カープフィッシングの達人おじさんが現れる。
 今日は釣りをせず、水温を測っているだけだった。水温は8℃しかないとのこと。
 スモールマウスがいかに冷水性の魚とはいえ、先日の温暖に比べれば下降が激し過ぎるだろう。しかも魚は変温動物なのだ。
 李立も到着するが、新しく入手したルアーの泳ぎを見るだけだった。
 一応、今日は釣果が出ているが、上がるべき時間帯に入っても上がらず、むしろ下がった感の方が強いので諦めた方がいいかもしれないなどと言い合っていたが、それぞれに釣りに没頭できる時間は限られている。
 こんな状況でも「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお」と言われたことを思い出し、移動とキャストを続けるが、秦明が貴重なバイトを掛け損ねるのみ。
 下野さんが来ていたので様子を聞いてみたところ、やはりダメだったという。
 かくしてこの日も自然に翻弄されての終了となった。

 2月3日。

 小さな上昇と大潮が重なる。
 最高気温は昨日とほとんど変わらないが、最低気温が上がり、風も弱まった。
 ナマズの回復にはまだ早いように感じられたのでスモールマウスを狙うことにする。

 現地に入ってみたところ、ウォーターマフィアの作り出す濁りと、上流からの濁りが一帯を覆っていた。本流の濁りのほうがやや薄く表層は透明度も高め。
 適度に透明度がある時、バスがカバーに依存するとは考え難い。活発に移動すると思われる。
 温かさを感じるほどではないが、前回釣行時より明らかに過ごしやすい地上の環境。
 大きくはないが、今日は上昇の中にある。
 李立も到着し、先日より上昇しているのだからダイレクトに風と流れの当る場所が生きるのではないか、と下流側へ移動。

 この日はカープフィッシングの達人おじさんも居て、ちょうど撤収するところだった。今日の水温は10℃を超えたとのこと。
 やはり上昇の中にあるのだ。
 それを証明するように、この日、堰下エリアに入っていた秦明が多摩川本命魚をキャッチしていた。
 70オーバーのナマズ。
 さすがはグランドマスター。
 この日休日になったのは幸運だが、上昇の兆しを捉え、かのエリアに入ったのは技量の為すところ。
 ナマズも動き出すほどなのだからこちらにもチャンスありだ、と打ち続けるが反応を得られず。
 上昇の流れを打ち消す要素は濁りか。ならば次に打つ手は…しかし、どうすべきかの具体策が浮かばず、スモールマウス狙いは完敗に終わってしまった。
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テーマ : お仕事奮闘記
ジャンル : 就職・お仕事

tag : 多摩川 ルアーフィッシング バスフィッシング

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凄すぎです。

連続3本キャッチの師匠をはじめ、
李立殿、施恩殿、張横殿に至っては
3本150cm!(小生など昨年、年間3本97cm)秦明将軍は堰下で70だし、流石としか言いようがありません。ロスト対策として、安価なヘドンソナーのハーフオンスでも購入しようかと考えてます。
来週は堰下辺り行きたいです。

Re: 凄すぎです。

自分はあれ以来さっぱりですが、連日誰かが釣ってます。
一段温かくなるまではこんな状況が続くのかと思われます。プレッシャーが掛かり続けているので多少目先は変えなければならないでしょうが。
先日は多摩川は初心だという、ベテラン風のアングラーが自分らと同じポイントでシャッドラップでかっさらっていきました。
最近はちょっと旧暦について考えているところです。

メタル系はイマカツのメタルピラーニャが入手容易で、自分が知る範囲では良い感じですね。

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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