音黒の巫女

 1月10日。

 今年初を得られるのはいつになるのか。
 下りの渦中にある多摩川では次の上昇の機を捉えるまで無理かもしれない、という落胆の中、扇島行きの機会を得る。
 グランドマスター、秦明、全局面で師を上回ってしまった李立、覚醒後の進境著しい施恩といった面子と合流し、扇島を目指す。
 現在、安いスピニングリールだとハンドルのがたつきがシェイクした際に振動がグリップで増幅し、どうにもならなくなるという説が流れており、下位機種のリールを使っている朕はにわかに不安になるが、そもそもバットが柔らかいシェイキングメソッド向きではないロッドでシェイキングなどするから振動を感じるのではないか、とか、そもそもシックスセンスの世界の話だから五感を頼りに釣りをする者には関係ないだろうということで収束。

 現地到着。
 さて、準備開始だ、と車を降りてみれば奇妙な音楽がエンドレスで鳴り響いていた。
 『Jackass the movie』のオープニングや、ディック・フライの入場テーマの系列の音楽だが、同じ部分だけ何度も繰り返しやられるとさすがに気色が悪い。どこかで新興宗教のイベントでも行われているのか、と思いきや、車の中でオバちゃんがひとり、体をゆすりながら笑顔でこの音楽を聴いていた。
 これは紫光波が降りているとか、我々より遥かに高い霊的領域におわすとかというやつで、近付かぬ方が無難であると判断された。

 扇島西公園。
 ここは専門スレッドが立つほどの、関東屈指のメジャーフィールドだ。
 秦明はここへ来るのは初めてとのこと。
 多くの釣り人に叩かれまくっているフィールドであり、回遊魚の望めない今は特に期待も持てない、と、適当にジグをしゃくっていた朕の横で秦明が釣果を得る。
 地形を把握しようとテキサスリグを引いていたところ、アラカブが食ってきたのだった。
 しかし、これだけ。
 釣り可能な範囲内だけでは構成が平面的過ぎる。

 移動、ということでクルマに戻ろうとしたところ、例の巫女はまだ霊波之光を受信しておられた。
 先日、ムーブックスを読んだ後だけに、超常の人が実在することに驚嘆を隠せない朕であった。

 かくして本命ポイントへ。
 イージーキャッチを求める朕は表層付近をミノープラグで攻め、協力的な魚を求めるが反応を得られず。
 表水温が下がり続けていることに起因するのか、弱め、スローな攻めが功を奏していた。勿論、ポイントを読み、魚の動きを推理できたうえでのルアーやメソッドの選択である。
 秦明はカサゴ1、ムラソイ2、メバル3という釣果を得てグランドマスターとしての威を示す。
 この日はメバルロッドを忘れてきたため、シーバスロッドでの釣りを強いられていたが、知識があれば腕で何とかカバーできるということを示して見せた。無知ゆえのアンバランスタックルとは次元が違うのである。
 李立は二本のムラソイをキャッチし、そのうちの1匹はドブでなかったら持って帰りたいほど美味そうなサイズだった。
 施恩はムラソイ1、メバル1というまずまずの結果。
 彼らのヒットに倣い朕が後を追う頃には魚は遠のいてしまっていた。
 
 今日で連続ノーフィッシュを止められると期待した朕であったが、止まることを知らず。

 「みんな釣れてますよ。そっちはどうですか?」と李立が言うので「突き落としてやろうか」という、発勁メバル釣行時の名台詞で答えて笑いを取ってやろうとしたが「そんなこと聞いたら突き落とされるよ」と秦明。
 一同、どっと笑い、実釣以外のおいしいところも秦明に持って行かれてしまった。

 帰路、龍盛菜館で今年のゲーム展開について語り合う。
 多摩川の破壊が進み、ナマズ、スモールマウスの今後が危ぶまれている現在。もしかしたら春以降のメインフィールドはドブになっていくのかもしれないな、ということでこの日は終了。
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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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