再訪の地に時の流れを思う

 12月30日。

 久しぶりに武松と休日が合う。
 かねてより気になっていた富津方面のロックフィッシュを狙いに出発だ。
 富津は、今から十数年前、娑婆にコミットしようとしていた時代に、食う魚を釣るために行っていたエリアであり、ヂョイミノーの実釣力が証明された懐しの地でもある。
 武松、バギーのおっちゃんぢょん李立と合流し、千葉を目指す。
 光量の多い日中の対策としてメタルジグに適応したタックルの準備を、ということでスイミングメソッドに適したロッドとジギング用の二本立てで来ることを推奨していた朕だが、おっちゃんはトラウト釣堀で活躍しそうな非常に柔らかいロッド一本のみで来ていた。
 釣りは道具より腕だ、などと言われるが、適切な道具を見繕える目が養われてからの話である、というのが真実だ。腕の無い者はどうもこの言葉を曲解している節がある。

 現地到着。
 最初に入ったのは富津岬、東京湾奥寄りの漁港。
 水深は浅いが、船道、テトラ、係船、岸壁、海藻とあり、一見おいしそうな所に思えたが、ここでは武松がとりあえずの一尾を得たのみ。
 案外気配が薄いな、ということで、時間もまだ十分あるからと他のポイントも回ってみることにする。

 かつてヂョイミノーでメバルを入れ食いにしたことのある公園隣接のドック。
 昔はクリアだった水質が、今は細かい粒子混じりの濁りが入っている。浚渫船のような船が多数停泊しており、ここもダメかと感じつつ一通り流してみるが案の定。
 移動。

 武松が前回来たとき気になっていた漁港があるという。
 下洲港より更にディープ房総へ向かう途中にある漁港である。
 富津一帯は砂底だが、外洋側には底が洗われ岩礁が入っているところがあるかもしれない、と入ってみたところ、ここも砂底で、強い南からの風は寒さを感じさせることはなかったが、一帯は底荒れの水に覆われ、いかにも魚が避けそうな状況。
 ここを諦め“昔よく釣れた”下洲港へ移動。

 下洲港。
 「ここはよお、よくアイナメとかソイとか、たまにシーバスとかイイダコが釣れたんだぜ」と、朕が最初の師匠ばりに先輩風を吹かしてみれば、李立がすかさず聞き返す。
 「それっていつの話ですか?」
 「オレがクルマ持ってた頃だから、今から十三年以上前…」
 釣り尽くされてでもいなければ何とかなるだろう、と入ってみれば、船道入り口付近で大規模な工事が行われており、濁りが港内に流れ込み、海底に堆積する土砂も見える。
 ザ・エンド。
 とりあえず、最初に釣れた漁港に戻ることにする。

 最初の漁港へ。
 先ほどは入らなかったもうひとつのドックに入ろうとしたところ、ここは釣り禁だと地元民に言われる。
 やはり関東は何かと世知辛い。
 残されるは最初に入ったドック周りしかない。

 というわけで最初に入ったポイントへ。
 李立、武松は最初のヒットがあった一帯に探りを入れ、朕は船道とそれに絡むインビジブルのスポットを求め、それぞれにソアレジグを打っていく。
 ぢょんはというと、前回武松が釣ったというスポット周辺にひたすら珍妙なリグを打っていた。
 今回朕は大雑把な探りを控え、丹念に中より下をメタルジグで探っていったが、船道ボトルネックポイントにこれといったキーとなるものは見出せず、アイナメをバラしたのみ。
 一方、李立は海藻の林と、それに絡む重要な複合カバー、地形変化を捉え連釣。 
 李立に習っていた武松はアイナメもキャッチ。
 李立は12尾、武松は11尾と共に二桁釣果を叩き出していた。

 次は光量の落ち込みと共に、表~中層に浮いてくるであろうメバルをミノープラグや軽量ジグヘッドリグでの巻きの釣りで仕留めてやろう、と穏やかな港内に移動。
 しかし、この時李立が致命的なマイナスを発見。
 リッジ46SMDRのジャーク時の泳ぎを見よ、とばかりにジャーキングしてみたところ、ラインが水を切った後に消えない濁りが生じる。大量の微粒子が溶け込んでいて、魚にとって不快な水の状態になっていることが示された。
 ベイトフィッシュとなるような小魚や、食わずともルアーに反応だけは示す魚も一切見られなかったのはこのためだったのだと知る。

 ならば、ヒットのあったスポットから繋がる道筋を追えば…というところだが、風は釣り禁止と言われたドックに向かって進んでいる。
 この先を追うことは不可能、というわけでストップフィッシング。

 かくして、大ベテランの朕とぢょんはノーフィッシュに終わってしまった。しかし、同じノーフィッシュでもその内容と質はまったく別物であることはいうまでもない。

 それにしても李立のやつめ、ソルトゲームでのアドバンテージも朕を上回ってしまうとは…。
 どんなフィールドでも、どんな対象魚でも、フィッシュイーター狙いの肝は皆同じ、と説いていたのは朕だが、説いていた本人より上手くやれているのは嬉しいやら悔しいやらである。
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tag : ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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