鉄の練成記

 11月24日。

 レギュラーのターゲット、ナマズを求めて再び多摩川へ。
 この時間帯がチャンスだろうというタイミングで宇奈根エリアに入ってみたところ、秦明が居た。
 中潮の潮止まりに至るまでの潮汐が効いている時間帯が勝負。
 気温も過ごし易いもので、昨日の気象に引き続いて安定の中にあり、釣れるだろうと思っていたが甘かった…。
 フィーディングスポットを絞り込む風が無かったのだ。キャストもままならぬほどの風は困るが、風は魚をアクティブにするための重要なファクターである。
 秦明がいちどバイトを捉えたが、やはり条件が揃わないためかフッキングに至るまでのバイトにはならず。
 「ナマズはワームじゃなくてルアーで釣れるからいいのに」「多摩川のナマズはトップに出ないから面白くない」「多摩川も飽きてきた」「多摩川は見えてくるものが無い」などと負け惜しみを言ってみたところで、環境を味方につけられなければ、どのような手練手管も無意味。

 かくして二人のベテランが挑み、あえなくノーフィッシュの憂き目。大いに鬱屈を抱える。
 朕も秦明も翌日が休日ではあったが、雨の予報に出撃を断念。
 
 11月27日。

 昨日降り続いた雨と、明けて温暖となった今日。
 下りきった後、少しでも上向き加減になれば魚は動き出す。

 長年ルアーフィッシングをやってきて不思議に感じられるのは、魚の生態より、むしろルアーで魚を釣ろうとしている人々の方だ。
 ルアーで釣る人と、ルアーをただキャストしているだけの人の間には分厚い壁が存在しているかのようである。
 この壁は分厚いが、隙間だらけなので、よく目を凝らせば抜けるのにさほど苦労はしない質のものであるのだが、ルアーをただキャストしているだけの人は目先の現象しか見ていないので越えることができないのだろう。
 しかし、ヘボいルアーマンが相変わらず多いのは悪いことばかりでもない。
 すなわち、大して釣りが上手いわけでもない朕にも釣れる魚が残っているからだ。

 かくして多摩川へ。
 この日入ったのは五本松上流側一帯。
 ここで朕自身が魚を釣り上げたことは無い。しかし、釣れたことがあるとか無いとかいった理由で入るポイントを決めたりはしない。
 先日の雨の影響で本流は濁り、水路の水は澄んでいる。水路にはコイを始め、大量の魚が入ってきている。求めていたのはこういった現象だ。
 陽の傾きと共に三匹のナマズの進入が確認される。
 うち、二匹はルアーが通るなり逃走。一匹はバイトはするも、すぐに放し逃走。
 適切なベイトを持ち合わせていなかったということもあるが、プレッシャーを和らげる術を知らず、釣果を諦めた。

 11月29日。

 にわかに温暖が戻る。
 しかし、潮回りは悪く、魔法の効力も弱いということをタイドグラフが示す。
 プラス要素とマイナス要素のどちらが勝るか気になるところ。
 この日は昼まで雨が降っていたため、出てくる釣り人も少ないと見て、五本松上流側に入ることにした。

 今回は激浅の水路進入ナマズに備え、ジョイントフローティングラパラ、Bスイムトリガー、タイニービッグバド、オフセットフック仕様のアーキージグヘッドを用意。

 濁りは本流より水路から吐き出される水の方が強く、濁りには粗い塵芥が混じっていた。
 水路の中にはコイが大量に居たが、ナマズの姿を見ることもできた。

 李立、施恩も現れ、あれこれと試すが決め手になるものを見つけられず、朕はノーバイト、李立、施恩はワンバイトを得るのみで結局全員ノーフィッシュ。

 自然環境はこの先更に厳しくなっていくが、魚はそこに居るのだ。
 季節に応じたイージーキャッチの魚を追うのが朕の本来のスタイルだが、そうもいかぬ事情があるため、難しい時期の難しい魚を追うほかなさそうである。

 ノーフィッシュだった残念、釣れたから嬉しい、という釣りはしていないので、経験はデータとして蓄積される。
 ノーフィッシュを食らい続けながらも常に思考回路は釣果に繋げるように働いている。
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tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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No title

11月下旬の3連休と先日の週末
水道橋では魚がかなり動いていたようです。
秋爆なのか自分のパターンがハマったのか分かりませんが24日は午後2時間で3バイト2フィッシュ(44.5と43)
30日も午後の時間で7バイト1フィッシュ(1バラシ)
両日とも同じラインで同じリグ
狙い通りで昇天しましたw
土曜日も下野さんの知り合いが雨後に3本出しており雨の影響も無かったようです。

Re: No title

流れが太くなって、通り道が絞り易くなったということでしょうか。
ナマズの産卵場は損なわれたが、流れははっきりと筋が見て取れるようになってた。
工事で出来た浅い溜りにはアユがまだ残っているかのような光景をみせてますね。
まあ、それにしても迷惑な工事です。
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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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