GETTMAN WALKING

 11月16日。

 海のライトゲームに備え、ソアレジグをちょこまかと買い込んできた。
 小型メタルジグでのデーゲームは様々な魚種がテンポよく釣れるエキサイティングな釣り。あれを再現したいという思いは常日頃からあった。
 残念ながら、先日、楽和が悪しき魔法使いどもに行く道を阻まれ、予定されていたこの日の遠州巡幸は流れてしまった。
 この日のために買い揃えたものは無駄になってしまうのか、と思っていたところ、史進が空いているとのこと。
 それならぐきしゃねえだんべ。
 さすがに開封から遠州までクルマで日帰りは時間的にも金銭的にも厳しい。ということで、東京から近く、アクセスの容易な三浦半島を目指すことにした。
 小潮ではあったが干満ははっきりしているし、三崎港と城ヶ島の海峡がある。常に水が流れている場所なので、季節に応じた何かしらの魚は寄るだろうと思われたのも選択の理由だ。

 三崎一帯はバスが釣れないヘボ時代に逃げていたフィールド。十数年ぶりの再訪となる。
 当時はアナハゼを釣って喜んでいたものだが、今の朕はあの頃と格段にレベルが違う。現在の目でしっかりフィールドを見極めてきてやろうとからペンションが上がる。

 史進が来るまでの間、準備をしていたところ、ザ・コーブ付近に里帰りしていた殺鯨鬼の紅蠍より収穫の報が入ってきた。
 この国の支配者たちがおかしな連中の横槍をへし折るぐらいのまっとうな神経の持ち主であったなら、ここに仕留めた鯨の一、二頭ぐらいは載っていたろうに…。
 かつては犬も食していたこの国の人々は、横行する偽善によって滅んでしまったに違いない。嘆かわしいことだ。

 史進到着。
 三崎へ向かう途中、保土ヶ谷PAに寄ったところ、かつてたこ揚げを食いに行けば必ずといっていいぐらい顔を見たBMWのオヤジが居た。頭頂部は二十年近い歳月を感じさせていたが他は何も変わっていない。
 ホンモノのロングライダーだったのだ。
 『キリン』の世界を見た気がした。
 それはそうと、バイク乗りの高齢化が目立つ。ワインディングロードを愛して止まない青年だった朕も今やオッサンだということを考えれば当然か。
 もし、最初の師匠の導きに応えず、釣りに没頭することがなければ、今頃はドゥカティに乗れていただろうか、と想像してみたが詮無きこと。
 有料道から一般道へ。
 田舎でも神奈川は人口が多い。
 日曜日ということもあってか、三崎に入るまでなから時間を要してしまった。
 GPS画面を見ながらポイント選び。三崎港に下げ潮時、待ち伏せに適した条件の生じそうなポイント求めようとしたが、手頃な駐車スペースが見つけられず、城ヶ島へ移動。ここにもポイント付近に手頃な駐車スペースが見つけられず、やむなく有料駐車場へ。
 首都圏は田舎でも無駄に銭ばかり取られる…。
 そして釣り人、観光客問わず、いずこも人だらけ。これだけでだいぶん気が滅入ってくるが、どうにか釣り座を見つけ実釣へ。

 大規模なベートフィッシュの群れが見られ、水の動きやポイントの構成と、必ずや付近にフィッシュイーターが居そうな雰囲気を醸し出していたが、回遊魚の気配は一切感じられない。 
 水温、水質が均され、突出して目立つ変化に依る必要がなくなったということか。あるいは、より水温の高い黒潮の影響下に行ってしまったか。
 足の速い回遊魚ではなく、フサカサゴ科の魚はどうかと穏やかな港内に求めてみるが、こちらでも豊富なベートフィッシュは見えてもまるで気配が無い。
 史進がアナハゼを一匹キャッチのみで、まったく音沙汰なし。
 回遊魚、根魚いずれにしてもエリア違いであるということを悟ったが、今更交通量の多い神奈川の道を走る気にもならず、限られた範囲内で魚を絞り出そうと試みるが、環境を味方につけて初めて魚釣りが成立するという現実を思い知るだけだった。

 長期に渡りゲームフィッシングを続け、フィールドを俯瞰する目を養ってきたつもりだったが、まだまだ甘い。フィールドの規模に応じた視点の切り替えにフレキシブルさが無かった。

 我々が今日のゲームの失敗を嘆いていた頃、李立よりメール着信。
 多摩川できっちりナマズをキャッチしていた。
 “ワームじゃなくてハードルアーで釣ったから偉い”というところか。
 
 帰路、夕食時、史進に、多くのバサー、ルアーマンが陥りがちな、次のステージに行く際の障壁について解説し、お前はそんなルアーマンになってくれるなよ、と一席ぶったところでこの日は解散となった。

 ※マー語
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tag : ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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