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敗れて負けず

 1月27日。

 ハマっ子にして北狄の子孫である史進より、蝦夷地からの便りが届く。
 氷点下の浜辺で、強い向かい風にもめげずジグを投げ倒す、他人には勧められない釣りだとのこと。
 この苦行に耐えられたのはアメマスを釣りたい一心からだったという。
 「こんな向かい風でマトモにキャストなんか出来るわけねえだろ!
 「寒いじゃねえか!
 風と寒さは諸人の苦手とするところ。
 常人でさえ怯んでしまうものだから、伝説人にとっては分厚すぎる障壁なのである。
 琵琶湖から北海道まで、国内の様々なターゲットをキャッチしていくこのとの妬ましさに、時宜に適った伝説式を返してやりたいところではあったが、伝説式の供給が途絶えて久しい現在、ありきたりな応答をするのみになってしまった。

 そして迎えたこの日は日曜日。
 OBとして、今でも釣りという低レベルな競争を続ける釣り廃人を見下してみたいとは思わないのだろうか。
 金もあるし女も居る勝ち組の余裕を見せつけに来てくれやしないかと期待して、朕は貧乏長屋を出た。

 この日は時間的にもゆとりがあったので、降臨跡から順繰りに登戸エリアを観察するつもりでいたが、通りから眺めてみれば、寒さが厳しかったせいか、日曜日であるにもかかわらず閑散としており、ベイトとなる釣り人の姿は見えず。
 これではたとえ三輪氏が通りがかったとしても、足を停めることさえないだろう。
 楽しみにしていた観察は中止とし、韓流ポイントに直行することにした。

 韓流ポイントにも人影はまばら。
 居たのはナマズさんと蔡沢、少し離れたところに蚯蚓氏が居るのみ。
 風は下流側に強く吹き付けていたので、朕は迷わず馬の背周りにベイトを通すことにする。
 しばらく経って、公孫戍と夏侯章が現れ、対岸には下野さんや張良が姿を見せる。

 夕刻近付く頃、相羽リグを続けていたナマズさんが撤退。相羽リグには何の反応も無かったとのこと。
 手マンでは誰も反応を得られていないので、朕は飽きてきて、ケーポップの様子を見に行くことにする。
 ケーポップでは開始直後、公孫戍が様子見にと投げていたボイルトリガーを回収しようとする際に、突然現れ追うバスの姿を見ることはできたが、それきりだったとのこと。こういうことをロストというのかもしれない。ということはノーバイト1ロストといったところか。
 
 夕刻に入り、沖を打っていた蚯蚓氏が2匹のスモールマウスをキャッチ。
 それならいずれ馬の背周りにも回ってくるだろう、と、集中力も高まるが、結局何事も起こらぬまま日没が来てしまった。
 釣れない状態にあるから釣れないのか、ベイトの使い方に間違いがあって釣れないのか。
 ああだこうだと言い合い、あれこれとベイトをこねくり回しているうちに「ホイッ!」という夏侯章の掛け声が聞こえてくる。
 先ほどは蔡沢がガニにワームを切られている。またしてもガニがルアーにちょっかいを出しているのかと向かってみれば、ラインが走っていた。
 主君が功を遂げられるよう輔けるのは臣としての務め。ネットを持って駆けつけ、寄せてみれば、何とナマズだった。
 現在はスモールマウスより厳しい魚種ではないかと目されているため、皆この釣果を喜んだ。
 朕も、ページを飾る写真を撮れたということで一安心。
 ヒットルアーはセンコーだというので、朕は「ナマズにワームは無いよ」、公孫戍は「夏侯さんとは狙ってる魚が違いますから」と、それぞれ未満人の唾な祝辞を述べ、この日は終了となった。

 「自分、根っからのバサーなもんで
 バスだけでも釣れているならともかく、肝心のバスがいちばん釣れていなかった修羅。釣りのセンスは無くても、ジョークのセンスは一級品だった。
 負け惜しみの汚ねえ唾も、このように卓越すれば伝説にまで昇華するのである。


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テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : 多摩川 ルアーフィッシング

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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