禁を破るは何の義ぞや

 8月23日。

 昨日、公孫戍が李立と多摩川で合流していたようで、その釣果と、先日譲ったバスプロショップスのフィッシュグリップの改造写真が届いた。
 これで、このグリップを持ち歩いていても「あの人が伝説三輪氏だ」と勘違いされることは無いだろう。

 かくして迎えた当日。
 本来なら7月中に行くつもりだったが、金が工面できず8月後半の今日になってしまった西湖ライブベートフィッシング。
 山の上は秋の訪れが早く、そうなるとギルの居場所も不安定になり、ライブベイトの確保が困難になる。
 ライブベイトが無ければ、この時期、ワーム使用禁止の西湖をルアーで釣果を得るのは困難であり、苦戦必至となる。
 様々な不利が予測されながらもこの日にレンタカーを予約したのは、朕がレジェンドⅡいうところの釣り廃人だからであろう。

 道中は格別の話も無く西湖入り。
 車中からもわかるほどに水位が下がっていたのが気になり、松屋でここ数日の天候を聞く。
 こちらの地域は、東京と違い、長らく雨が降らず大減水だとのこと。
 まずは陽の当るポイントでギルを狙いたいところであったが、そういった場所には既にヘラ台が出ている。
 昼夜の寒暖差もあるだろうから、ギルが浮いてくるまでしばらく待たなければならないかもしれない。

 湖岸に降り立ってみると、より減水の進行ぶりが如実になり、ウィードが水面に顔を出し、多くは枯れていた。
 枯れたウィードの下には新鮮なウィードが生えているところもある。
 密集したウィードの隙間に釣堀ルアーや、よっちゃんイカの浮き釣り仕掛けを投入していくが、飛び出してくるギルは居らず、たまに小バスやオイカワの群れを見る程度。
 まだギルは沈んでいるだけなのか、このエリアに居ないだけなのか。つくづく、釣り方の幾つかを知っているだけで、魚の生態についてはほとんどわかっていないのだということを思い知らされる。

 とにかくギルを探して、と湖岸を歩いていけば、良型のブラックが急深な湖岸線の単体カバーの周りで岸の様子を窺っているのを何度も見る。
 こういったバスを釣りたくてライブベイトフィッシングの準備をしてきたというのに手を出せないもどかしさに苛まれる。

 陽が湖全体を照らすようになる。
 日光に温められたシャローフラットのカバー周りはどうか、と行った先は放水口。
 かの名言「西湖はポンプ小屋のところでバイブレーション巻くのがパターン。つまらねえ釣りだ」の生まれた場所であり、三輪氏がはからずも自らの無知っぷりを告白してしまった、思い出の場所である。
 ここでも岸の様子を窺うナイスサイズが見られていたが、ようやく小型のギルを二匹確保した頃には見えなくなっていた。
 近辺に隠れているのではないかとギルをキャストしていたが、反応を得られることもなくギルだけが飛んでいってしまった。
 再びギル探しに奔走。

 湖岸を歩いていて気になったのは、ワームを使用しているバサーの多さだ。
 ワーム使用禁止は遊漁証にも湖畔エントリー口の看板にも明示されており“知らなかった”は通用しない。
 漁協に考えがあって、ワーム使用禁止を決断したのだから、遊漁者は遵守すべきである。
 ルアーで釣ろうと思うなら、確かに今はワームが有効な時期である。
 しかし、そういう釣りをしたいのなら特に使用の禁じられていないフィールドで釣りをすればよいだけで、わざわざ禁止を謳っているところにやってきて禁を犯すこともないだろう。一体、どういう神経なのか。
 このような悪質な精神を朕はこころから憎んでいる。
 まったく気分の悪い話である。

 ギルの確保は困難を極め、かろうじて一匹、二匹とごく限られたスポットからひり出すという感じで、その近辺にバスを寄せそうな要素が無かったりする。
 或いは見えていないだけで実は、ということも考えられるのでキャストしてみても反応を得られることはなく、ただギルを失うのみ。
 苦戦に次ぐ苦戦。
 そうこうしているうちに15時を過ぎてしまった。
 光量も落ちてくるだろうからとギルの確保は諦め、ルアーフィッシングに専念することにする。

 ナイスサイズのバスは皆、浅いレンジで岸際の様子を窺っていた。
 ウィードのアウトサイド、急深の湖岸線を特に意識してトップウォータープラグを通していく。
 困ったことに、この頃になってライブベートに手頃なギルがウィードエリアに見えるようになる。しかし、ここから車までギルタックルを取りに戻るには時間が掛かりすぎる。
 諦めてルアーで通すことにする。
 小魚の群れが定着するエリアを見つけられず、ルアー釣りを有利にしてくれる風も弱いままで向きも定まらない。
 反応を得られなかった湖岸線を進めば、その湖岸線にナイスサイズが居るということもしばしば。
 何とか一匹、と歩き回り、キャストを続けるも遂にノーフィッシュのまま日没を迎える。

 マー式で今日を総括するなら「カネをドブにぶちゃった」ようなもの。さすがの釣り廃人も大いに打ちひしがれてしまったのだった。



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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : ルアーフィッシング バスフィッシング 多摩川

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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