スモールマウスを熱望した日

 11月24日。

 五回連続のノーフィッシュである。
 季節的な要因から来る幾度かの迷走。にもかかわらず、諦めているわけでもない。
 この迷走の中、ただ食らっているだけの能なしの釣りをしていたわけではないのだから。
 自然観察は常にしていた。
 そこからひりだされる思考が常に正解に向かうとは限らないが、これこそが確率を高めるための最も手堅い手段であるのは間違いない。

 幸い、今ここにこの手段を用いて釣ることのできる連中が集っていた。
 技能に優れる李俊。
 基本を元に一発狙いのぢょん。
 あらゆる点で一段高みにいる秦明。
 彼らのいいとこ取りの李立。
 と、ほぼ全員集合である。

 この日は、気温が低く、また、スモールマウスが釣れると聞いて来てみたはいいが実際はスモールマウスどころかナマズさえ釣れず、ノーフィッシュを食らって帰るというのが関の山であるためか、トラウト釣堀によいシーズンであるためか、週末であるにもかかわらず、登戸流域には他にルアーマンは居らず、我々の貸切状態となっていた。
 だからといって実釣に際して何らプラスは無い。強いていうなら入りたいポイントにすんなり入れることぐらか。
 何しろ状況次第で居場所が変わる魚たちが相手だ。この前はどこそこで釣れたとか、何とかというルアーが良く釣れるといった枝葉末節で釣りを展開している者たちがいくら来ようと、こちらのヒット率を下げる要因とはならない。
 故に、我々がこのエリアを独占していようと、キーとなるものを見つけることが出来なければ、プレッシャーの度合いがどうであろうと魚を得ることはできない。

 目に見えるアユは減ったが、まだアユはこの水域に大量にいることは魚食鳥が示してくれる。
 ただ、これもスモールマウスを狙う上では、単にこの水域で起きている現象であって、キーとなるものではない。
 アユ=ナマズの図式を填めるにしても、現在の光量と水の透明度からすれば、月の及ぼす影響を抜きにして考えたとしても、まだ本格的にナマズが動き出す時間ではない。
 やはり、この時間帯はスモールマウスバスを狙うのが順当というもの。
 生命感を視覚情報から捉え、ここ数日の間に見たスモールマウスの拠っていたストラクチャーの構成要素を理解し考えを進めれば、攻めるべき条件はおのずと絞れてくる。
 まるで作戦を立てチームプレイでも組んでいたかのように全員目指した場所は同じ。
 ベイトの姿は至る所で見受けられたので、そこは考慮から外し、構成要素という見地から絞っていった結果だ。
 合間、細かい移動はそれぞれにしていたが、同一エリア内での移動のみ。

 そんな中、腰を据えての丁寧な攻めという展開にダレてきた気配のぢょんが一計を案ずる。
 魚種を問わず、最初の一尾を釣った者に、最近世田谷通り沿いにオープンしたタックルベリーで得たお宝を進呈するとのこと。
 にわかにプチトーナメント開始…ではあるが、誰もエリア変更しようとはしない。
 というのも、ギルか、スモールマウスか、はたまたナマズか、断言するには微妙な魚信を秦明が捉えていて、このエリアで誤りは無いということを皆確信していたからである。

 時が経ち、見れば水面に浮く小魚の数が圧倒的に増えている。羽化する虫を狙うオイカワの類の動きだ。
 スモールマウスがアユに固執していないというのはこれまでの経験上わかっていた。よって、こういった現象を見落としてはならない。
 朕はこれまで、スプリットショットリグで探っていたが、このライズの発生により、対象のレンジは上がったのではないかと推測した。
 賞品の獲得がかかっているので、この現象のことはシークレットにし、ジグヘッドリグにチェンジ。
 最強のエビ使い、相羽プロの得意としていたミッド・ストローリングで探る。テクナではないが、朕のロッドもフェンウィック。抜かりは無い。
 すると程なくしてバイトの感触。
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 ストライクしてきたのは欲しかったスモールマウスバスではなくナマズだったが、この川で最も魚影の濃いフィッシュイーターがナマズであることを考えれば、状況を見てアジャストさせた結果ともいえる。

 かくして連続ノーフィッシュをストップさせただけでなく、賞品も獲得。
 喜びの中、いただいた賞品を見れば…それはバスバブル末期の名品。
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 バイパーデザインのライズバッカー。ルクプって久しい、ザウルスのリップレスクランクであった。

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Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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