苦境

 9月27日。
 いちじるしく日照時間の短くなった近頃。
 地下生活において、寒風に吹き晒される冬を思えば今から気が重い。ただ生きながらえているだけの日々から解放される時は来るのか。
 繊細な心の持ち主である朕は物憂さに苛まれているが、この先フィッシングに好適な状況が待っている。

 この日は、地下からの解放が若干遅れ、どうにか陽の出ているうちに到着が間に合ったという次第。
 見れば、李立、李俊のほかに関勝も来ていた。
 関勝もまた科挙、武挙を通った者。大いにそのノウハウを吸収したいところではあったが、まだスモールマウスの行動がおぼろげ過ぎて、関勝をしても捉えきれぬ様子。
 ならば、光量が落ちきる前にナマズの動向をチェックしておかなければなるまい。
 第一ワンド内は、吹きさらしの本流に比べればいくぶんか穏やかであったが、サイトが困難な波気が時折現われる。それでも徘徊するナマズの像を捉えたり、ポッパーでバイトを引き出したりはしたが、そこまで。
 陽が完全に落ち、李立が合流する頃には、唯一バイトを引き出したチャガスプークをロストしてしまい、状況的にはナマズが入ってくる確率は高いと感じていたが、暗くなると何かと障がい・・の多い第一ワンド。
 粘らず移動。

 本流馬の背。
 キャストのしづらい向かい風に、近距離でのフィーディング発生を期待したが、こちらに有効な攻め手は無く、空腹が限界に来ていたこともあり、粘らず撤退。

 9月28日。
 地下労役からのかりそめの解放。
 ならば今日もやろう、小物釣り。
 腹は減っていたが、のんびりもしていられない。既に風は強く、小雨もぱらついている。

 現地へ着くと、予測どおりポイントには強風。
 吹き抜ける風にリグを組むのも一苦労。
 風と流れにフロートからバイトを取るのは困難な状況。
 そこへ師匠が現われ、こういったコンディション下でのメッソッドを教えていただく。なるほど、レンジが深いとわかりきっているのならこの手は極めて有効。

 やがて李俊、李立も現われる。向かい風がキツく、キャスティングが決まらない状況にルアーフィッシングを中断し、小物釣りを見物。
 フッキングには相変わらず苦労していたが、ギャラリーの前でこの釣りでの高ポイントターゲット、オイカワを釣ることができた。

 夕刻手前、師匠の納竿に合わせ、朕も小物釣りを止め、ルアーフィッシングに移行。この頃になると風も幾分か収まっていた。
 
 先日、李俊がスモールマウスを釣ったこと、やはりレンジはボトム寄りだったことから、今回朕は流れの中でボトムレンジを探りやすいフィネス対応タックルを用意してきた。
 スピニングタックルではあるが関勝流に言えば“いかつい”攻めを好む朕のこと、スピニングロッドでも剛寄りのスーパースピットファイアに6lbフロロカーボンの組み合わせ。ルアーは6インチ、ストレートワーム。
 誘いはトリガー寄りでも、ベイトを求め回遊する個体には発見させるためのボリュームも必要だろうと考えたのだ。
 かくして、朕、李立、李俊と並んで水量、流れ、地形の絡むエリアを探り続けたが、結局、先日のヒットから今回に繋がるものは発見できず、日没が迫る。

 バサーとしては敗れたが、我々にはナマ師としての顔もある。
 ナマズの気配を捉えていながら攻めあぐねている第一ナマズワンドへ。
 ワンドの構成要素、ナマズ発見の要点を熟知する我々は二度ほどナマズの姿を捉え、今回は李立がジグヘッドリグでのグラブの応用術を開眼し、見事60センチクラスのナマズを仕留めた。
 生憎、撮影時にフックアウトし、ナマズは自力で水中に逃げていってしまったため、写真に収めることはできなかったが、常にベストを求める思考が巡る、釣りウマの片鱗を見せつけられた。
 その後、李立は大きなバイトを捉え「デカナマズか?」と期待させたが、途中コイだと判明し、からペンションが下がる。
 そして、やはり暗くなると、どうしても攻めあぐねてしまうので、この日も本流側へ移動。

 吹き付ける風に、水面からヒントを得ることが難しいため、カウントダウンできるルアーで細かな地形変化を探りつつキャストを続けたが、結局ドラマは起こらず。
 珍しいことといえば、アユが口掛かりでルアーにヒットしたことぐらい。
120928oikawa.jpg 120928crap.jpg 120928ayu.jpg

 釣り人側にとってのタフコンデションだが、環境的には魚にとって良好な状況だったのではなかったか。
 ノーフィッシュを免れはしたが、大いに不満を残す内容となった。

 ※マー語
スポンサーサイト

テーマ : 仕事の話あれこれ♪
ジャンル : 就職・お仕事

プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

最新記事
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード