デビッド・キャラダインに捧ぐ『デスレーク2017』

 6月22日。

 先日、伝説の人に釣り廃人と評された、李立と施恩が名言「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」発祥の地、川崎ドブを満喫したとの報が入る。
 オジンにはわからない新しい愛の轍に消えた三輪氏に代わって「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、泣きキレるのが朕の役割といえよう。
 ポイントの水は好適というほどでもなく、終わりが近いのではないかというような雰囲気だった、と、何だかんだ言ってもしっかり釣ってしまうのだから、僭称釣りウマの修羅ににくまれてしまうのだ。
 オレは別に僻んでるわけじゃねえからなと反論されてしまいそうだが、こんな言葉は僻んでなければ出てくるものではない。

 この日、朕は、滑稽な伝説や、華なきソープオペラの舞台から離れ、茨城方面に向かっていた。
 江南出身の、筑弾きにして釣り師の高漸離こうぜんりと合流し、初日を霞水系陸っぱり、二日目を牛久沼でのボートフィッシングを行うためである。
 高漸離が、琵琶湖でバスバブル期を過ごし、やがて茨城に根を下ろし、今でも釣りを続けている筋金入りだということはかねてから知っていたが、実際に並んで釣りをするのは今日が初めてである。
 合流までかなり時間が空いているので、まずは新利根を目指した。
 今回もまた新川はポイント候補から外しているが、レジェンドⅡが首を竦めている今、行かなかったからといってやかましく非難される恐れは無い。
 伝説三輪氏の新川へのこだわりには尋常ならざるものがあったが、あれは一体何だったのだろうか。まるで、マーさんが群馬県に関する認識の誤りを容赦しない執拗さにも似ていた。

 新利根入り。
 堰下の流れが効いた一帯を打つことにする。
 流れの中にベートフィッシュが豊富なのが、この濁った水からもわかるほどに見える。
 流れの強さは昨日の雨の影響なのか。雨で水温が急激に下がったのではないか。流れてくる水の質に問題は無いか…普段観察している多摩川でさえ「やってみなきゃわかんねえじゃねえかよお!」な場面が多々あるのに、年に一度か二度しか来ない場所であるなら尚のこと、まずはやってみるしゃない。
 本流をトップウォータプラグとシャロークランク、流れ込む水路をビッグカーリーテールで流していったがいずれも反応は得られず。バスの気配を感じられるものも見えず。
 ということで、待ち合わせ場所の土浦市まで移動することにした。

 土浦入り。
 意外に早く着いたので、高漸離が来るまで備前川を打つ。
 水面にベートフィッシュの姿は見えず。
 こののっぺりとしたドブ川を攻めるのに適した、魚を寄せるアトラクターがあり、発見されれば即バイトに至らしめるトリガーを持つベートといえばこれだろう、とストライキングのシャッドテールワームを選択。
 巻き始めてさほど時間の経たぬうちにバイトの感触を得る。
 見れば、30クラスのブラックがルアーの後ろに付いてきており、やがてターンしていった。
 速めに巻かなければ良い動きの出ないベイトであり、針先の出が悪い硬いマテリアル。しかし、この素材でなければ素晴らしいフラッシングやバイブレーションが出ないのであろう。
 その後、反応を得られることはなく、程なくして高漸離が現れる。
 既に陽は照り、暑くなりそうな兆しが現れている。
 当初の予定通り、一之瀬川で良いだろう。

 一之瀬川入りし、最初に魚止めの瀬を目指す。
 雨の影響大であれば河口周辺を探るのも良いが、雨が降るまでは酸素量豊富で捕食の楽な場所が好まれていたはずである。また、平日であっても多くのバサーが訪れるフィールドであるので良いと思った場所には真っ先に入っておくべきであろう。
 昨年はこの瀬下で5センチ程度の小魚をバスが捕食しているのを見た。その時、もっとも強烈にバイトしてきたのはシャッドシェイプのジャークワームでも、フィネスなストレートワームでもなく、8インチのビッグカーリーテールのストレートリトリーブだった、ということがあった。
 川に入り込むようなバスはカエルを好んで捕食するという話も聞くので、闇雲にベートを小さくするわけにも行くまい、ということで少し遠慮がちな大きさのバクダングラブをプレゼンテーションしてみた。
 すると、40を超えるラージマウスがバイトし、一瞬のうちにルアーを放すのが見えた。
 高漸離にそのことを伝える。
 大きめワームを巻くことしか考えていなかった朕に対して、高漸離はワイヤーベートとフィネスワーミングの二段構えできたいたのでフォローの体勢は万全だったのである。
 しかし、その後はバクダングラブを追うバスを見るだけでストライクを得られることは無かった。
 40アップ、30クラス、60オーバーのライギョも見えるほどのポイントだったが、プレッシャーをかけ過ぎてしまったかもしれない、ということで瀬直下一帯を諦め、下流側に進む。
 狭まった所から開けた所までのストレッチにはコイの他、ウグイのような20センチ程度の魚を数匹、フナ、魚種不明の小魚などが見え、魚が集まっていることが窺えた。
 バイトの無い間、朕は多摩川伝説を始め普段通う多摩川の魅力を語り、淀むことなく時間が経過していった。
 そんな折、朕は葦の林で捕食を行う30クラスのバスを発見。巻けるようなスポットではなかったのでスピードワームを打ち込む。今日は食いが浅いという印象から送り込んでからアワセを行うが、呆気なくバレてしまう。
 「“アタったとかバレたとか、そんな話は”やな…」
 と、高漸離が早速レジェンド式を用いてみせた。伝説の風の伝播である。
 ざっくりな探りを行う朕に対し、高漸離は小さな変化を丁寧に打っており、小さな水路からの落ち込みにカットテールを打ち込み、遂にストライクを得る。
 大雑把に測って48センチといったところ。
 伝説式が浸透してきたこともあり、朕は涙目を作り、目を怒らせ「突き落としてやろうか」と祝福した。
 午後から用事のある高漸離はここで終了。
 
 明日の牛久に備えるため、巡礼のためランカーズに向かう。
 ランカーズでスティッコーをたんまり購入。
 明日、牛久沼に行くことを伝える。
 店長曰く「関東屈指のデスレイク」であり「根の生えたような連中でも一匹、二匹」という世界だとのこと。
 朝一のバズベート、日中はベジテーションカバー周りにワームのスローフォール、もしくはスピナーベート引き倒しでどうにか釣れているのが現状だという。
 適したベイトはといえば、ヤマモト・ファットイカ、デプス・ブルフラットだというので朕はブルフラットを選択。
 霞流入河川はぼちぼち釣れているというので、朕は備前川をびっちりやってみようと決める。
 ここで高漸利と別れ、ヤンキー麺へ。
 ところが定休日。
 病み付きになったトマトチーズ麺を諦め、普通の定食屋で昼を済ませた。
 
 備前川下流域。
 河口部の浜にはイナッコが多く見えたが、それ以外はのっぺりとした印象しかなかったのでリップレスクランクで流し、反応を得られなかったことにより、上流側へ進む。
 目ぼしい変化を見つけてはルアーを通していくが、進めど進めど見える魚はコイ、フナばかり。
 かなり上流まで進んだ時に40を超えるブラックを単体で見たが、気付いたのは至近距離になってからだったため見過ごした。
 更に上流まで進むと、藪漕ぎが必要な状態になっていた。
 ここまで来た感触から、苦労して進んだとて先に何かがあるようにも思えず、備前川の探索を打ち切ることにした。
 何も感じられなかったところに実は…なんていうのはよくある話。何人かで来ていれば気付かなかったことを知ることも出来るが、今は単独である。自分の感覚で押し通すしかない。
 次は、反応を何度か得られていた一之瀬川に戻るべきか。しかし、夕方になってからの土浦市内の渋滞にはまるのは厄介だ。
 結局、手頃な候補地が思い浮かばず、再びランカーズに駆け込んだ。
 
 店長に備前川を回った感触を伝え、近くで可能性のあるポイントは無いか、とまったくの丸投げをする。
 花室川上流部はどうか、との答え。
 最近はフロッグで釣れていたという。
 ついでにバスプロショップスのキャップを買い、ポイントを目指す。
 丸投げのポイント選びの良いところは、例え己の力量不足が原因で釣れなかったとしても「おめえが良いって言うから来てみたけどよお、釣れねえじゃねえか!」と、レジェンドギレすれば済むというところにある。

 花室川上流部。
 これより上流にバスは上がれないだろうと思われる瀬の下に入る。
 下流側には先客が居り、フロッグをキャストしていた。
 この程度のカバーならフロッグを出すまでもないと思った朕は、バクダングラブを巻いたり落としたりしながら、ブラインド効果を得られそうなスポットを流していった。
 しかし、このわずかな区間に打てるところは限られていて、すぐに手詰まりとなる。
 もう少し待てば、バスが入って来る、或いは動き出すのだろうか、と考えているうちに、続々と釣り人がやって来て、数えてみれば朕を含め8人という人数になっていた。
 こうなると朕が釣るのは無理だろうと思えてきたので離脱することにする。
 既に夕刻に入っているが、納竿するにはまだ早い。
 ということで、日中にイナッコの群れを見た備前川河口部に向かうことにする。

 備前川河口部。
 風は本湖から川に向かって吹きつけ、うねりが発生していた。
 イナッコの群れは本湖側から続々と押し寄せて来るという感じで、バスらしき魚が捕食を行っているのが見えた。
 トップウォータプラグを引いていても何の反応も得られなかったので、うねりの中では潜らせた方が良いのか、とストライキングのシャッドテールワームを沈めて引いてみたところストライクを得る。
 今朝の失敗を思い出し、十分にワームをもって行かせてからアワセをくれてやる。
 感触からして小さい魚ではないのは確かだ、と巻いているうちにバレる。
 まだ、足りないのか、と思いながらも落ち込むことなくキャストを続ける。イナッコの慌しさはしばらく続いていたが、ルアーに反応が出ることは二度と無かった。
 かくして、初日はノーフィッシュで終了。 

 美熟女の宿、湖北へ。
 意気揚々とフロントを呼び出してみれば、男の声…終わった。
 魚は釣れず、ヤンキー麺は食えず、美熟女にも会えず。富貴とは無縁の朕には土浦の夜の色を楽しむなど夢のまた夢。
 また、朕はそれほど酒が好きというわけでもなく、今回は独りで来ているのですみやに行こうという気も起こらず。
 久しぶりの霞釣行はただランカーズ巡礼だけのために来たようなものだ…。

 高漸離より連絡が入る。
 明日は四時半に合流しよう、とのこと。
 現在時刻は21時少し前。
 6時間寝られるか微妙なところである。
 そこで、地方探訪時の流儀には反するが、仕方なくコンビニで飯で済ませ、眠りに就いた。

 6月23日。
 
 03:30。
 まだ白みがかった様子さえ見えない真夜中。まだ肌寒ささえ感じるほどである。
 ナビゲーションを見れば、土浦から高漸離宅までは約三十分程度の距離。
 開封府までの通勤はしんどかろうが、帰宅してしまえば実にリッチな釣り環境にあるといえるだろう。とはいえ、妻子持ちの身であり、ミュージシャンでもあるため、破綻者である朕のように釣りばかりしているわけにもいかないようである。
 今回の釣りに対する昂ぶり方は朕の比ではない。結局ろくに眠れなかったとのこと。
 積み込みを終え、牛久沼へ向かってみれば、何と十五分程度の距離。
 牛久沼流入河川では何度か釣ったことはあるが、ボートで本湖に入るのは高漸離自身初めてだという。

 たまやボートへ。
 我々が一番乗りかと思ったが、先客あり。
 ここの常連らしく、挨拶程度の会話のうちから嫌な話を聞かされる。
 休日のたびにここへ来ているが、6月は三回来て全てボーズに終わっているという。
 屈指のデスレークという評が甦ってくる。
 何はともあれエントリーだ。
 午後から南風が強まる予報だとのことで、南風が強く吹いたらエレキだけじゃ帰れなくなる恐れがあるからとオールを渡される。
 とんでもないところに来てしまったのではないか?と話し合うが、ここは「やってみなかやわからねえじゃねえかよお」と、レジェンドギレを採用。
 上流のキャノン裏を折り返し点と定め釣り上がっていくことにする。
 葦、蒲、蓮、冠水した樹木、鵜、カイツブリ、カエルの鳴き声、ウチワヤンマ…陸っぱりのできるようなところではないが、自然のままの湖岸線の美しさよ、と感じ入っていたのは序盤のうちだけ。
 進むほどに水は悪くなり、やがてアオミドロに覆われたボトムが見える一帯に入る。
 スタート地点の下流側の方が水良くなかった?ということで下流側に進路を取る。
 そして戻る途中、遂に南風が吹き出してしまった。
 どうにかスタート地点より下流のポイントまで進み、バッテリーの消費を抑えられるような進路の取り方を考えながら探りを入れる。

 やっていたことは単純だった。
 キャストで入れられるカバーにはワームを落としたりスピナーベートを通したり、厄介な場所にはフロッグを入れる、の繰り返し。
 どんなメソッドが効くかを探るより、バスがいるところを見つけることに終始していたという感覚だ。
 
 そして、結果むなしく、打つ手なし、次が考えられないというまでに陥り、帰着時間より早くにボート屋に戻る。
 
 桟橋では今日一番乗りの常連が帰り支度しているのが見えた。
 声を掛けてみると「6月は四連続ボーズでした」と返ってくる。
 聞きしに勝るデスレーク!
 無情の老舗フィールド。
 
 かくして、散々にやられた二日間が終わった。
 しかし、これだけやられまくったのに、さっきまでもう帰りたいと思うほど泣いていたのに、今は楽しかったという感覚でいるのは何故だろう。
 こんなひどい目に遭った経験は一度や二度ではない。それなのに何故?
 それは高漸離も同じだという。

 次回、霞方面への釣行予定は8月。
 再びバスフィッシング漬けになる時間、日常の中の非日常を楽しみにしての解散となった。

 ※マー語
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村上麗奈を語るゆうべ

 6月18日。

 昨日、公孫戍こうそんじゅが、夏侯章かこうしょう蔡沢さいたくの前でレジェンドⅡいうところの男らし~釣りを決めたという。
 先日の蔡沢はドッグXでの釣果であったため、そのまま伝説式を用いることが出来たが、今回のヒットルアーはコアユ。
 伝説三輪式を用いるにも一工夫が必要だ。そこで、いかにも僻み根性から発してしまいそうな台詞を編み出すことに努め、「何だ、コアユとはセコいのう。鮎邪ペンシルで釣るのが男らしいと言うんじゃ」と、よく釣る仲間の功を認めない狭量ぶりを示した。

 かくして迎えた釣行日。
 雨が降りそうな空にどうすべきか迷っていたが、公孫戍が既に混沌廟に向かっているとのこと。
 君子を迎えに上がっているのであれば、朕もその行に合わせるべきである。
 とはいえ、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気を解消するのが先である。
 と、しばしお眠りあそばれる朕であったが、アメリカの占領政策を推し進め維持しようとしている勢力の者たちに安眠を妨害されてしまった。
 悪人と嘘つきが闊歩することに腹を立てていたら、すっかり目が覚めてしまったので、雨の中、多摩川に向かうことにした。

 現地入りしたところ、夏侯章を発見。
 朕が伝説三輪式のどの言葉を用いて挨拶すべきか決めかねていたところ、夏侯章がこちらに気付き、伝説アナザー式で「あ、これぇ~?」と、どうでもいい初めて見るブルゾンを見せつけられるという不覚を取る。
 近くに居たセニョールと公孫戍には「おめえらばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と、滞りなく挨拶を済ますことが出来た。
 師匠は先ほど帰ったばかりとのこと。
 「何だ、もう帰るのか。おめえには根性が無え」といって送り出すことができなかったのは甚だ残念であった。
 やや増水した一帯にはコイや小魚の他、ボラまで見られたがバス、ナマズ、ニゴイ、魚食ゴイの存在を示すものは何も見えず。
 雨で水が生きるようになったかに思われた降臨跡だったが、やはり本筋との繫がりが希薄なのか、水は澄んでいながらもどんよりとしている。
 どうにも気配が無いので、セニョールの撤退を機に、韓流ポイントへ移動。

 韓流ポイント。
 寒いというほどではないにせよ、この雨と風の中、半袖半ズボンといういでたちで自転車を漕いでゆく植野行雄が見えた。
 ここでは一度だけペケニシモのボイルを見ることはできたが、それ以外に特にこれといったものを見ることはできなかった。
 また雨具を身に付けていない公孫戍と夏侯章は雨足が強まってきたところで撤退を口にする。朕は肉体的には何ら問題の無い備えで来ていたが、エリアを外しているという思いから集中力が続かず、おめえらは根性が無えと罵ることもなく便乗。

 僕たちは今恋をしているコンビニへ避難。
 ジャンクフードを食しながら、多摩川史登場人物評を行う。
 これは評者自身もまな板に載せられる容赦なき場でもあるが、笑いを取れれば勝ちである。
 我らが君子、夏侯章の筋肉ネタは笑いを取れるという点ではなかなか優秀であったが、伝説諸氏の話になった途端、その面白さが翳んでしまった。
 伝説諸氏は、実釣という面では大いに敗け続けてきたけれども、こういう場を通じて、やはり勝ち組だったのだと思い知るのであった。

 帰宅してみると、またも江南の人となった史進より釣果自慢が届いていた。
 以前、喫茶店兼釣具屋といういかした店で仕入れたというルーミスの古いスピニングロッドが釣れるかの実験で得た釣果だとのこと。
 微弱なれど、伝説の風は江を越え、遥か西の地でも吹いていたのだった。

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おめえらBフォロワーは良い、良いっていうけどよお、オレには使いどころがわからねえ

 6月16日。

 この日も、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気を解消してからの出発となった。
 季節の動きに即した魚を追うのなら、特に冒険心を働かす必要も無い。ということで五本松へ向かう。
 近場であり、今の時期に打つべき条件が揃い、ダイドーの自動販売機、便所も近いという至れり尽くせりの場所になっている。
 もし釣れなくても「オレはよお、フィールドに立ってルアーキャストできるだけで満足なんだよ」という伝説界の高祖の名言だけでなく、伝説には及ばないが“モンスター”とか“探求者コード”と怖れられている郁保四の「釣れなくても、フィールド行ってカップラーメン食うだけで十分じゃないですか」という素晴らしい言葉もある。
 偉人たちの言葉は大らかな気持ちを育んでくれるが、それでも尚、釣果を得たいのであれば今日も新川で鍛えた本気を実釣をもって示すぐらいの気構えで臨まなければならないだろう。

 かくして現地入り。
 既に陽は傾いているが、光量は十分。
 レンジバイブで流芯を通し、スモールマウスやナマズを意識してみたり、ザラパピーやワンダーで緩みのコイを狙っていく。
 おろしたてのレンジバイブTGやザブラミノー123Fをロストし、高額なお布施をしてしまうということもあったが、はっきりと光量が落ちてくる頃、巻き返しの部分にベートが溜り、落ち着かない様子が見えた。
 水深浅く、流れが強く、底にはウィードが点在するような場所。
 現在、Bフォロワーは何本かのストックがあるので強気の攻めができる、ということで数投し、ストライクを得る。
 「アタったとかバレたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!」とキレられてはたまらないので、特に慎重にランディングすることに努めた。
 多摩川では何かと活躍する場面の多いブレードクロスシリーズだが、これまで正解はやり尽くしてきた僭称釣りウマのベテランにはひどく評判の悪いベイトである。
 このところ釣れていないので、何匹か追加しておきたいという思いはあったが、限られたスポット、プレッシャーが掛かりやすい場所である。この次を狙ったところで徒に時間を潰すだけという結果になりかねない。
 しかし、かのレジェンドのように体面は取り繕っておきたい。
 ここは「今日のオレの仕事は終了」といって、してやったりな風を装って撤退するのが賢明というものだろう。
 伝説から学んできた朕は、己の至らなさを上手く誤魔化す術を知っているのである。


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アタったとかバレたとか、そういう話

 6月14日。

 平日の釣り。
 流域きっての剽軽者である登戸名物の来訪を期待したり、ソープオペラ観賞よりも釣果を優先したい日。
 となると水の動きが鈍い降臨跡を擁する登戸エリアは外さなければならない。
 また、登戸に史官が来ていないということを知れば、レジェンドも安心して降りてこられるだろう。
 但し、これは温かい時期の晴天の時に限ってであり、雨が降ったり、増水したり、秋深まって水温が下がってくれば、再び登戸がメインの釣り場となることを留意しておくべきである。

 この日もハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気を解消してからの出発。17時を過ぎてしまった。

 調布側からはアクセスできない上流のアユ瀬の様子を見ておきたいというのはあったが、あのポイントまで行くには、橋を渡り、遅い原付で沿道を遡らなければならない。その道程を考えただけで気が滅入り、結局いちばん近い五本松に向かった。

 既に陽は傾きだしている。
 まずは流芯からだ、とレンジバイブをキャスト。
 程なくしてストライクの感触を得る。
 とにかくナマズのものではないな、と巻いてくれば30センチクラスのスモールマウスがジャンプするのが見え、巻きが軽くなった。バラし対策として、フックの番手を上げて臨んでいたが、功を奏すことができなかった。
 ベート、コイの様子を見れば、今日は先日より魚が集まっている気配。
 事細かに因果関係の説明は出来なくとも、昨日から弱く降り続いた雨が招いた結果であろうと想像できる。
 間断的にストライクの感触を得てはばらすということを繰り返しているうちに完全な日没を迎える。ストライクの中には明らかにコイだというものもあれば、ナマズではないかという感触のものもあった。

 流芯を通すのはレンジバイブ、緩みにはワンダー、ジップベイツのウェークベート、巻き返しではCDラパラ、という具合に条件ごとにストライクを得られるベイトは違っていたが、反応自体は悪くなかった。
 釣れなかったのは腕の問題とも思えるが、しかし、腕の無さを補うために道具を吟味して選んでいるのであってみれば、これ以上先へ進むのは不可能だと悟り、釣果を諦めるのだった。
 「道具が悪いんじゃないの?」という突っ込みに大しては「オレのニーズには合ってる」と、伝説三輪式の負け惜しみで対応すれば良い。

 結局、今日は魚たちに口にしてはいけないものを学習させに行ってしまったようなものだ、とられポンキッキな気分で帰宅してみれば、童威より鶴見川での釣果自慢が届いていた。
 ここがダメなら別の場所、というだけの話なのだが、それができない己のものぐさぶりを棚に上げ、「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお」と、伝説式皮肉で応じてやった。

 ※マー語


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恒常の泣き

 6月12日。

 昨晩、流浪のハンドメイドルアービルダーである、ヂョイ兄いから博多の純淡水域シーバスの写真が送られてくる。
 言わなければ良かったものを、22センチしかないと自ら公言してしまったために、伝説式で僻んでやることが出来なかった。

 そして今日も千夜釣行な、多摩川連続釣行三日目。
 今やアユはそこかしこに見られる。
 フィッシュイーターがアユを捕食する条件について考えていけば、適切な場所を捉えるのは難しくないように思えるが、実際は上手くいってない。
 しかし、あまりにも釣れないからといって、多摩川はもう飽きたと言って釣りという低レベルな競争から卒業してしまうのもどうかと思うので、今日も新川で鍛えた本気を実釣をもって示すことにする。

 この日は登戸を避けた。
 釣果を求めるのに徹して、という理由はあるが、平日では登戸名物の降臨は考えられないというのが第一の理由である。
 という訳で、アユが見える太い流れを求め、調布、五本松ルートに入ることにする。

 調布水門上流。
 本流が巻き返し、アユ、コイともに豊富。
 そこで、しばしこのポイントに居座ることにする。
 とりあえず、アユを追うコイやニゴイを釣ってノーフィッシュだけは逃れておこうという魂胆だが、アユが追われる場面を見たのは一度きりで、ルアーへの追いは見えず、スモールマウスのボイルも見られなかった。
 実はタイミングがずれていただけ、ということも考えられるが、このポイントを諦めることにした。

 五本松。
 流れと地形変化が魚を寄せているポイントである。
 キャッチ率は低いものの、連日ストライクは得られている場所でであることから、粘る価値のある場所だと判断。
 時に水中を巻き、時にボトム寄りをドリフトさせ、時に表層を引きという具合に時間をかけてみた。
 が、この日は一度も反応を得られず。
 条件が揃った場所のように思っていたが何かが足りなかったということだろう。
 そして、耳に入って来る登戸の堰開放のアナウンス。
 この場所の水位には影響がなくても、ダムの水位が下がることによってダムの影響下にある水域の魚は浅い上流側より、水深のある下流側に意識が行くだろう。
 これで下流側からこちらに新しい魚を供給する道が絶たれた。
 先ほどの気配の無さとも関係しているのかもしれない。
 もはや環境を味方に付け、イージーな魚を釣ることは不可能であると悟り、三日連続ノーフィッシュで終了となる。
 泣きは入っていたが「釣れなくても関係ありましぇ~ん」と、伝説三輪式を用いて泣いてないふりをしての撤退となった。

 帰宅後、史進より合川ダムでの釣果自慢が届く。
 Theピーズと釣りをこよなく愛し、江南での暮らしを楽しんでいる様子が伝わってくる。
 いずれ、向こうを訪ね、釣り場を案内してもらいたいと思うが、今の生活が続く限りは無理と言っていいだろう。
 羨ましくともレジェンド式で僻むことしかできない。



テーマ : 起業
ジャンル : 就職・お仕事

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プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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