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寡人、此処にたりるを知る

 1月8日。

 昨日はハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気にやられ、ひとたび寝るや起きることも適わず、釣行機会を逸してしまった。
 冬休み期間中に降臨があったという話も聞こえないまま、早くも平常の日々が始まっている。
 ギャラクタスは惑星を喰らい続けなければ餓死してしまうが、伝説三輪氏はベイトを喰らわなくても生きられるのだろう。

 この日は何かと冴えない登戸を離れ、かつては冬のナマズ釣り場として通っていた宇奈根に行ってみることにした。
 地形がフラット化してからというもの、どうにも振るわなくなってしまった印象のあるエリアだが、長く来ていない間に何か変わっていることもあるかもしれないし、たまには他所のエリアへ行くのも良い気分転換になろうというところ。

 来る度に微妙に祀られ方が変わっているせんずり地蔵に拝礼したのち、キャストしながら様子を探って行く。
 水深、地形、流れの変化はグラスロッドであっても捉えることが出来ていたのはPEに組んだラインシステムとやらの賜物であろうか。
 水中に見える生き物といえば、ルアーには反応しない色の巨ゴイ程度。
 ルアーを追う魚影が見えることも無い。
 しかし、捨てるにはまだ早い。進退を決めるのは、陽が傾く頃にベートフィッシュが浮くかを確かめてからだ。

 夕刻近付き、対岸の浅場にベイトフィッシュの群れが浮く様が見られるようになる。
 この狙い方が正しいのかは定かでないが、ナマズが回遊するならば、ベートの気配を嗅ぎ付けて寄って来るに違いない。その付近のエッジ要素を探り当てればストライクを得られるはず。
 と、キャストを続けてみたものの、遂に反応を得られることなく完全な日没を迎えてしまった。
 このエリアからナマズが消えることはないだろうが、この穏和な日に何ら手応えを得られないようなら、アユやマルタが遡上する時期まで手だし無用のエリアであると判断する。
 これならば、冬の間は、釣れないこともない程度に釣れている登戸でブラックを狙っている方が良さそうだ。
 ということで納竿とした。

 或いは、バイトを得るまでキャストを続ければ釣れていたのだろうか。
 リトリーブ中に見えた、感じた何かを、因果関係を考慮することなくバイトだと思い込み、反応だけは得られたことにすべきだったのか。
 とはいえ、仮にその反応が、本当に魚のものであったとしても、次に繋げられず、状況分析の一助にもならない質ものであるならばまったく意味が無い。
 かえって混乱を招く厄介な余計事。
 よって、釣れなかったが反応があっただけまし、的な主張は聞き流すに限るのである。

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喚ぶ気第一章

 1月5日。

 晴れて穏やかな正月の休日である。
 釣り人以外にも多くの人が登戸へやって来るに違いない。
 伝説三輪氏がかつてのように捕食を行うのにうってつけの環境が出来上がっていることだろう。
 また、この日は朕が世間の正月休みと合わせられる最後の日。
 今日降臨が起こらなければ、以降は確率の極めて低い日々を送ることになる。
 もはや登戸名物の三輪車で来ることは無いにしても、「おう、おめえよお、オレが泣いてるみてえなこと言ってるけどよお、オレは別に泣いてるわけじゃねえからな」と、泣いて噛みついてくるぐらいのことはあってほしいものだ。

 韓流ポイント入りしようとしたところ、見覚えのある姿。
 向こうもこちらを認識。
 久しぶりとなる義士の豫譲よじょうだった。
 もうひとつの降臨跡でやられにやられ今から帰るところだとのこと。
 いずれまた合流することもありましょう、ということで別れ、朕は手マンポイントに入った。
 ナマズさんの他に二人の釣り人が見える。
 冬休み期間にしては少ないような気もするが、このエリアが良くない状況にあるということが知れ渡っているのならば仕方のないことだ。
 釣り人が少ないとはいえ、降臨跡に見える釣り人も含めればそれなりの数になる。
 よって、登戸エリアは今日も捕食可能な状態にあるといっていい。

 風は無風に等しく、水は澄んでいたので、今日はこれしかないでしょう、と相羽リグ開始。
 久しぶりの相羽リグ炸裂を期待してのキャスト。
 ところがまったく反応を得られない。
 朕は早い段階で飽きてしまい、所在無くルアーをキャスト。
 相羽リグを続けるナマズさんの方も何もないという。
 合間、修羅はぐれ者が姿を現すことでもないものかと視界の利く限りに目をやったが、こちらの気配もまるで無い。

 夕刻近付く頃、公孫戍と夏侯章がやって来る。
 公孫戍は降臨跡に寄って、セニョールや李俊に新年の挨拶をし、雉科の観察データを交換し合って来たという。
 雉も鳴かずば射たれまい、というところだが、それでも汚ねえ唾を飛ばして囀るのが雉の性というものなのだ。
 朕は反応を得られないので遂にはタックルを打ち遣り、公孫戍と雉打ちの話に興じたり、夏侯章と被剥問答を行ったり、相羽リグの様子を窺ったりしてただ蝦採りの時間だけを楽しみにしていた。
 次第に風が強まってくる。
 これはルアーに好機ではないか。
 ということで、ここで朕は集中力を取り戻す。
 ナマズさんはルアーに移行する前に撤退の時間が来てしまった。
 「何だ、諦めるのか。おめえには根性が無え
 今はなき伝説三輪氏に代わって送り出す。

 陽も沈み、いよいよ蝦採りに適した光量になってくるが、風は収まらず、バイトも得られない。蝦採りも釣果も諦めた朕は、ケーポップに入っている公孫戍と夏侯章に油を売りに行くことにする。
 蝦取り場の様子を見ながら進んでいるうちに、夏侯章の声が聞こえてくる。
 見れば夏侯章のガオ棒がしなっている。
 朕は急ぎネットを持って駆けつけ、主君のランディングを扶けた。
 「ああ、そのサイズかあ」
 朕は、先日こちらに気付いてない体でひっそり漂わせていたといういい匂い♡な唾を吐き、公孫戍は「やっぱワームですか」と、ありがちなシチュエーションベイトを知らぬ伝説未満にも届かないルアーマンな唾を吐いてその功を称えた。

 あの大道とひとつになった夏侯章。
 口を衝いて湧き出てくる卮言も冴え渡ろうというものだが、滲み入る寒さはいかんともし難く、修羅の知るところとなったらどのような謗りを受けるのかと懼れながらも解散とした。
 





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降臨三年一月三日

 1月3日。

 晴天にして冷たい風。
 釣り廃人にはこの時期の当たり前だが、一般アングラーならば行くべきか行かざるべきか迷うところかもしれない。
 その前に、自身の防寒対策を、ということでJSYへ。
 何故なら聖衣GETTは上州屋でしか取り扱いの無いスペシャルブランドだからだ。
 本当はKEN CRAFTを纏いたいところではあるが、ゴールドクロスはバスバブルと共に何処かへ消えてしまった。
 控えめに記してあるロゴはいただけないが、GETTだとわかれば良い。
 8000円天を超える値札に我が目を疑い、レジに持ち込んでみれば税金も加算され一万円天に近い円天を消費することになってしまった。
 この税というやつ、名目を設えてはあちこちで強制的に毟り取られ、その金はいけ好かない族や事のために使われるのだからたまらない。
 しかし敵は強大すぎて、朕にどうこうできるものではない。
 聖衣を新たに得た喜びと、収まらない憤りがないまぜになった気持ちで貧乏長屋に到着。
 さて、今日は登戸第一の名物が姿を見せてくれるのだろうか。それとも普段どおり釣りという低レベルな競争に没頭せざるを得ないのか。
 新調したGETTに袖を通し、出発。
 北風の予報から迷わず韓流ポイントに向かう。

 韓流ポイント到着。
 風はやや強めだが、出来ないこともなさそうだということでベイトキーパーを持って手マンに入る。
 ナマズさんは既に到着しており、朕が現れるやワームリグを解き、相羽リグに切り替えた。
 投入即バイトを期待してキャストしてみたものの、風のためリグのコントロールに難儀し、反応も得られず。
 朕は相羽リグでの釣果を諦め、ルアーで行くことにした。ルアーにすることによって、ベイトの飛距離は伸び、コントロールも容易になり、カバーコンタクトを恐れずに済む。すぐに反応を得られないからといってがっかりすることもない。
 一方、相羽リグを続けるナマズさんは蝦だけ取られるという反応を得ていて、辛抱強く相羽リグを続けた結果、2匹のスモールマウスをキャッチ。
 「明けましておめでとうフィ――――ッシュ!
 二年前の降臨の折、修羅は奇蹟の釣果を得て、臆面もなく大はしゃぎしていたものだが、あそこまでなれるのは普段の釣行でいかに釣れていないかを物語るものであった。
 今年初が嬉しくとも、あそこまで恥ずかしい真似はさすがに出来ない。

 樊 噲はんかい伊尹いいんといった、伝説が消えて以降の釣り人たちがやってきて、新年の挨拶を交わす。
 釣り人はまばらだが、やはり冬休み期間中。このように新しい釣り人がやってくるのだから修羅も武勇伝を語りに来ればいいのにと思わずにはいられない。
 そして、ルアー、相羽リグともに反応が無いまま時間が経過してゆく。

 公孫戍、夏侯章到着。
 主君に今年も変わらぬ忠誠の意を表したのち、かつて降臨した伝説三輪氏や、伝説には及ばなくとも捨て置くには勿体ない偉人の話題で無聊を凌ぎつつキャストを続ける。
 風は時間経過と共にますます強まっていく。
 潮回りと波以外に良い要素は見出せなかったが、まったく釣れない状況ではないということは相羽リグが証明している。
 全員は無理にしても誰か一人ぐらいは釣れるはず、と各各キャスト続けていたところ、CD5を引いていた朕がストライクを得る。
 得意の手前ばらしをする前に樊 噲のサポートを受け、無事キャッチ。
 更に、樊 噲から関和ワームをかたじけのうし、次回の実験ネタを得ることも出来たのだった。
 巻きの釣りが良いのか、それとも通ったポイントが良かったのか、などと続けてみたものの、結局単発で、その後反応を得る者は無く、伊尹、樊 噲、ナマズさんは撤退。
 ふと見れば降臨跡はまったくの無人。
 かつては修羅の捕食ステージであった、このエリアで最も熱い場所だったとはとても考えられない光景である。

 陽が落ちても風は収まらない。
 朕は空腹のあまり集中力を失い、キャストもせず、至人との被剥問答で広大無辺なる道のありようを学んだり、先輩史官と雉学を論じ合ったりして過ごしていた。
 やがて夏侯章が冷風を避けるため、朕を風除け代わりに利用し始めてはみたものの、朕があまりにも細くて小さいため役に立たぬと判断するや、寒いから帰りたいと口走るようになる。
 朕は主君にとって有能な臣でなかったことをおおいに愧じた。
 しかし、聖人は知る。
 不言の言、無用の用の意味を。
 このことによって納竿が早まり、寒さに苦しめられながらも釣果に固執していた公孫戍は自ら築いていた心の牢獄から解放され、穏やかに解散できたのだった。
 
 太公望は釣りをして文王に会い、朕は釣りをして夏侯章に会うことが出来たのである。





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始動降臨三年

 1月1日。

 伝説三輪氏が降臨したのはちょうど二年前のこの日。
 伝説の実在が証明された歴史的な日であった。
 今年もこの特別な日に、特殊なものを見られやしないかと期待して過ごしてきたのだが、先日罹った風邪から本復できず、体調が戻ってきたのは陽も沈む頃。
 釣り廃人が釣りもせずに休日を終えるのは釣り廃人なる言葉を遺してくれた伝説三輪氏に大変失礼なことに思われたので、スピニングタックルと蝦採り網を持って登戸に向かった。

 降臨跡、窟の様子が気にならないでもなかったが、既に夜になっている。
 わざわざ行ったところで登戸名物の三輪車が無ければ徒労になるし、歯抜乞食に捕まって必死の“オレは乞食じゃない”アピールをまくしたてらるのも厄介だ。
 そこで、真直ぐ韓流ポイントに入ることにした。

 韓流ポイント入り。
 手マンポイントの一面にマニックを通し反応を見、何事も起こらなかったので釣りを中断し明日の相羽リグに備えることにする。
 蝦採り中の体温の上昇の仕方に、まだ本復していないことが発覚。今晩もまた毒物を飲まなければならないようだ。
 かくして十分な蝦を確保出来たことにより、釣りを再開する。
 模倣すべきベイト、小走りしてでも張り付くべき実績ポイントの写真をアップしてやりたいものだとキャストしてみたが、水面に留意すべき変化は見えず、水中に流れは感じられず、という具合で粘るべき理由が無くなってしまった。
 侯嬴こうえいのようにとにかく反応を得られるまで続けるだけの根性も無い朕は、修羅の長期不在をいいことに、むやみに粘らず撤退することにした。




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前夜

 12月31日。

 昨日は病に臥していたため釣り廃人としての務めも果たせず、悶悶と過ごしていた。
 この日は本復にまでは至らなかったものの、だいぶん体も動くようになってきていたので多摩川に行ってみることにした。
 馬鹿も風邪を引くような寒さに、ベイトとなる釣り人が来ることなどあるのだろうかという疑念はあったが、世間が冬休みに入っている今を逃すわけにはいかない。

 韓流ポイント入り。
 ポイントに釣り人はナマズさんのみ。
 想像以上の釣り人の少なさに驚く。
 これでは100%降臨は無いだろうということで、釣りに専念することにする。
 風はそれほど強くもなかったので相羽リグからのスタート。
 序盤、ナマズさんが蝦だけ取られるという反応はあったものの、以降、相羽リグでもルアーでも一切の反応が無いまま時間が経過していった。

 公孫戍と夏侯章がやって来る。
 遂に今年は名言製造マシーンの降臨は起こらぬまま、せいぜい汚ねえ唾を飛ばして囀る雉を見るのみになってしまったことを嘆きあい、漆園の誓いを未だ果たせずにいることを悲しんだ。
 伝説の降臨は朕の力ではどうにもならぬものだが、漆園の誓いは朕の努力次第ではどうにかなりそうなもの。
 朕は改めて主君に申し上げた。
 「リベラ、彼に在り」と。

 依然、誰も反応を得られぬまま夕刻迫る。
 ナマズさんはここで撤退。
 朕は釣果を諦め、日没後の蝦採りに賭けようと気負っていたが、寒さがやけに突き刺さるように感じられていた。
 どうやらまだ本復には程遠かったようで、今日はライジンを見るから早上がりすると言っていた夏侯章より早く撤退することになってしまった。
 
 のちに、我先の逃亡をあたかも勇気ある撤退のように思わせ、己の貴さを保った気になれる、伝説三輪式の「お疲れえ!」を決めるのを忘れていたことに気付き、ひどく礼に欠いていたと後悔するのだった。


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dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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