回避の術

 5月19日。

 先日、朕がハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない疲労のため、ワークを怠っていた日、公孫戍こうそんじゅ夏侯章かこうしょうは新川で鍛えた本気を実釣をもって示そうと多摩川入りしていたようで、夏侯章が釣果を得ていた。
 その心に純白を保ち、混沌氏の術を体現できたようだ。
 夏侯章は現代の君子ともいうべき立派な人物だが、尊卑のけじめがないのが伝説式。次に会うときは僻み節全開で臨まねばなるまい。
 「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」という名言はあるが、言った本人が白いケツ舐めの差別主義者だったという話も聞く。
 この言葉が真実からかけ離れたものであるように、やはり人に貴賎はあるのだと思う。

 この日は相変わらず手応えの無いナマズを求めて登戸の堰より下のエリアに足を延ばしてみることにした。
 堰直下のプールにはいつものように多数のコイ。アユはその数を増やし、無数。数は少ないがアユの群れにつきまとうニゴイの姿も目立つようになっている。
 ポリ公教習場対岸付近まで下り、そこから釣り上ってみることにする。
 主に見た目にもわかる変化に、時には巻き、時にはドリフトさせという感じで流していったが反応は得られず、見える大型魚といえばコイと、稀にニゴイが見える程度。
 ベートなるアユはいたるところで見られたが、ボイルは起こらず、チェイスを見ることも無かった。

 夕刻近付く頃に、先日シーバスが釣れた瀬周りに到着。
 相変わらず婚姻色のマルタの群れが居り、陽が沈めば瀬周りで何かしら釣れるかもしれない。あとは対岸のポイント直近に立つ先客が諦めるのを待つばかりである。
 と、李立から連絡が入る。
 これから宇奈根にナマズを狙いに行くので来ないかという。
 昨年晩夏の台風以降、フラットな作りになってしまってから良い印象の無い宇奈根エリアだが、それは世田谷から見た印象であり、川崎側からではまた違ったものが見えてくるかもしれない。
 そしてこの提案は李立からのもの。
 もし上手くいかなくても、伝説三輪氏のように無様にブチキレる権利は朕が有することになる。
 また、シーバスが釣れる確率はこちらの方が高いという言葉も効いた。狙ったところで簡単に釣れる魚でもないが、反応してしまうのだった。

 宇奈根入り。
 李立が遅れてやってくる。
 どうですか?と言うので、ここはお約束の「オレが考え無しにやってると思うか?」泣きで応答する。
 この流域は結局、川崎側も世田谷側同様のっぺりとしたものだった。
 地形の変化がはっきり見て取れる分、こちら側の方が若干遭遇確率は高いか。しかし、それとて若干程度のものでしかない。
 流れの強い上流側はフラットラップで、シャローフラットの広がる下流側はBフォロワー、チャギンスプークJrで流した。
 朕はまったく反応を得られずにいたが、李立はスピナーベートとオリジナルザラスプークで、ナマズのバイトを引き出し、朕より上手の技量を見せていたものの釣れるまでには至らなかった。

 釣れないのは潮汐に起因しているのか、個体数の少なさからか、波立つ水面のせいなのか、ルアー、メソッドが間違っていたのか。
 いずれにせよ、今の宇奈根にかつてほどの力を感じられず。
 しかし、今回のエリア選択失敗の咎は朕には無い。そこで「おめえが良いって言うから来てみたけどよお…釣れねえじゃねえか!」と、伝説三輪式に泣きキレてこの日を締め括った。

 
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寡人、ポストイットを知る

 5月15日。

 昨日、童威がまたしても鶴見川でナマズをキャッチしていた。
 何という行動力か、と感心するも、朕にはまったく釣れていない魚である。
 何といって僻んでやろう。
 名言の供給が止んで久しいので、伝説三輪式の嫉み言葉も使いまわすしかやりようが無い。
 「あいつはしょっちゅう行ってるから釣れるんだ」というのが妥当なところであろうか。

 この日は久しぶりの李立と合流。
 朕はバスが釣り難いため、李立は今年スモールマウス釣果が三桁を超えたことによりフィネスワーミングに倦んできたという理由でのナマズ狙いだ。
 ナマ道五年以上になる両者だが、今年は特にナマズを狙っていない者たちにその数で上回られており甚だ面白くない思いでいたこともある。
 「自分、根っからのバサーなもんで」と、苦し紛れの伝説三輪すれば自尊心は保たれた気になれるのかもしれないが、ろくに釣れてもいないのに達観した風を装うほど我々は芸達者ではない。
 というわけで登戸堰下エリアで“本気”のナマズ狙いだ。

 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」と朕が言えば、「オレが考え無しにやってると思うか」と李立が凄む。
 伝説式の礼は心得たものである。
 一帯にアユは豊富。
 まだ婚姻色のマルタの姿が多く見えている。
 とにかく巻きたいという李立がレアリスバイブで早々にバイトを捉える。
 水面に大きな水しぶきが上がりフックアウト。レアリスバイブはエビ状態にされている。ナマズか。
 にわかにンションが上がったものの、ここは「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!」と、アナザーギレするのが適切である。
 アユ、マルタ、コイの姿ははっきりと見える。ナマズ、バス、ニゴイが見えることはなかったが、こういう状況ならおそらくどこかに居るだろう。
 何処か、まではわからないので広範囲に探って行くしゃない。
 しかし、水深、流速に応じて様々なベートを試みていく中、見えたのはザラⅡを追うコイのみ。

 陽が傾くにつれ、瀬の動きが慌しくなってくる。
 マルタの瀬入りには遅すぎる時期のはずだが、先に婚姻色のマルタを何十匹と見ている。
 李立が労役疲れのため電池切れを起こしている今、朕にもチャンスありだ、とキャストを続けるが思ったより反応は少なく、何とか釣れたのが婚姻色鮮やかなマルタだった。
 更に光量が落ち、ナマズやニゴイが瀬周りに寄ることが期待できるようになる。肉食モードのコイも来るかもしれない。
 ルアーが魚に当っただけか、食ってきたのか、という微妙な感触が時折出る中、遂にバイトの感触を得る。
 水面に銀色の魚体が見える。
 何だ、ニゴイか…いや、ニゴイもターゲットに入っていたのだからじゅうぶんではないか、と寄せてみればフォルムはバスそのもの。しかし、この体色はスモールマウスではない…まさか!?
 ナマズを求め、あわよくばスモールマウスを、などというところであったのでいうなればードである。
 外道とはいえシーバス。まったくの偶然とはいえマンモスうれピきものであった。

 完全に日が落ちる頃には李立はクルマの話に夢中になり、キャストすらしていない。時々うわごとのように「シーバス釣りに行きてえ…」と呟いている。
 朕もシーバスを得た喜びからただ漫然とキャストしているのみで、マルタを一匹追加するに止まる。

 気付けば20時。
 本気のナマズ狙いで来たはずだが、結局また外してしまった。しかし、その事実を誤魔化すため「自分、根っからのバサーなもんで」と言って締め括り、解散とした。

 ※マー語 

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我らを濡らすは修羅の涙か

 5月13日。

 昨日はワークを行うにじゅうぶんな時間がありながら、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならない眠気のため怠ってしまった。

 後悔と共に迎えたこの日。
 外に出れば雨が降っている、が、もう冬のような厳しさは無い。これなら口先だけの根性しかない修羅でも難なくしのげそうなものだ。
 土曜日である。
 二度目の降臨、新たなる名言といったものへの期待を込めて降臨跡を目指す。

 降臨跡に着いてみれば、橋の下には大勢の宴会組。釣り人の姿はといえば…下野さんが一人。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」
 と、お約束の挨拶とともに互いの気違いぶりを笑う。
 様子を聞いてみれば、一度バイトがあっただけだという。
 勿論、「アタったとかバレたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!」と噛み付かないわけにはいかない。

 見える魚といえばコイぐらいのものだが水面は凪いでいても、雨雲、雨粒、ローライトとくれば魚に掛かるプレッシャーは緩和されていることだろう。
 まずは反応を見ようとサミー65をキャスト。
 サミーは伝説アナザー氏も推奨する、カラーなど関係無しに良く釣れるベイトであるとのこと。君臨していた四年の間、多摩川スモールマウス総キャッチ数三本のうち、一本はサミーによるものだったというのがその根拠だ。
 タイニーブラッシュホッグと並ぶ、伝説のお墨付きルアーである。
 数投するうちに、今の状況ならバスに絞るより、ナマズ、コイ、ニゴイなども意識した方が良さそうに思えてきたので、ワンダー60に結び替えて流していったところ、チェイスしてくるブラックを確認。
 追ってきているところを見るとやる気はあり、しかし食わないのはどこか不自然さを感じているからだろう。
 ということで、ベイトのサイズを小さくして同じコースをリトリーブしてみる。
 するとペケニシモではあったがキャッチ成功。
 数投後、再びバイトが出たがフッキングには至らず。
 スカジットデザインズの小型スプーンは釣力は悪くないが、このサイズのものは釣りの醍醐味であるキャスティングが楽しめない。フィネスなソフトプラスチックならこれよりは釣りの醍醐味があるが、この一帯にはワームでの探りに適した流れの当る際立ったカバーがボトムに無い。

 さて、どうしたものか、と手を束ねていたところ「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」の声。
 童威だった。
 上流域で四匹のスモールマウスをキャッチし、ナマズの姿を見ることもできたという。
 上流域にはアユの放流場所があるという。だとするならば、あの場所の好調の理由も頷けようというもの。
 しかし、先日のあの一帯の人出を見てしまった以上、行く気にはなれない。そして今日もあのポイントには多数の釣り人が来ていたという。
 そんな、自分が避けているポイントで、自分より遅くに釣りを始めた者が調子よく釣っているとなれば妬ましく感じるのが伝説式。
 そこで朕は「童威さんは新川では釣ったことないよな。大したことねえなあ…オイ!」とブチキレてやった。
 雨によって降臨跡が力を増したかに思えたが、相変わらず冴えないままであったので、やはりあそこなのか。朕と童威は韓流ポイントへ移動。

 韓流ポイントには釣り人が皆無。
 小型スプーンにスペルペケニシモがバイトし、表層でワームを引く童威もバスを呼び出していたが、いずれもフッキングにまで至ることは無かった。
 「アタったとかバレたとか、そういう話は聞きたくねーんだよ!」と罵り合っていたが、この一帯で間違いないのだろうと粘ってみる。
 しかし、やがてバスの気配は遠のいていき、朝の四時からやっているという童威は集中力の限界を訴え、納竿。
 「何だ、諦めるのか。おめえには根性がねえ」と、伝説三輪式で見送り、これを機に朕も移動することにした。
 
 降臨跡に戻ってみれば、下野さんも消えていた。次回会うときは「何だ、釣れなかったのか。だらしがねえなあ」と言ってやるのが礼儀だ。
 降臨跡を一通り流してみたがまったく気配は無く、徐々に増水していく様子を見て、バスよりもむしろナマズのほうがチャンスありではないかと思われてきたので、先日ナマズの徘徊が確認された五本松まで行ってみることにする。

 先日は涸れていた五本松水門には流れが生じ、フェラガモ水路への落ち込みにはコイが大群で寄り、一帯の水面はコイだらけという状況になっていた。
 流下ゴミは大量で、ルアーを引くたびにゴミやらアオミドロやらがどこかしらに付着してくる。
 見える魚はコイばかりのうえまともにルアーを引けず、朝から何も食べていない空腹状態もあって、呆気なく気力が萎える。

 三輪氏に“ガチ”とバカにされていた朕である。雨具さえあれば、この時期の雨などどうということもない。しかし、朕の体は無事でも、懐にえっていた携帯電話が雨を吸って死んでいた。
 かつてその心が娑婆にあった頃であればうろたえ、早急に対処していたであろうが、今となっては混沌氏の術を修めるのにかえって好都合である。
 機能が死ぬ前に釣果写真の転送を済ませていたのは、朕が道に適ったところに在ったからだといえよう。
 サミュLジャクソンは『パルプフィクション』で「神が奇跡を起こして銃弾を逸らせてくれたというんじゃない。オレはあの時神の存在を確かに感じた。そのことが重要なんだ」と言った。
 ちょうど朕もそれと似た心境になって、心地よく帰ることができたのだった。

 ※マー語

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五本松心中

 5月10日。

 二回連続ボーズなし自慢。
 当時、既に鍍金が剥がれていた僭称釣りウマのレジェンドⅡが行った必死のアピール。
 そんな抵抗もむなしく、剥がれた鍍金は、ハンドルのがたつきに起因する振動がシェイクするたびにグリップで増幅されどうにもならなくなるぐらいどうにもならないもので、もはや修復不能であった。
 百に一のたまたまが二度続いただけのことであろう、と評価されるのみ。
 そんな、弁を重ねれば重ねるほどに実が空疎になっていった伝説のあらましを知る童威から“多摩川で十回連続ボーズなし!”自慢のメールが届いていた。
 連続ノーフィッシュの渦中にある朕は、当然、半開きの涙目で「オレはおめえと違ってガチじゃねえからよお」泣きである。

 この日は降臨の見込みがまるで無い平日でもあるので、十分に休養をとってからナマズ狙いに出発。
 トップウォーター、ミノー、Bフォロワーといった少数のプラグだけ持って五本松に向かった。
 
 現地入り。
 小雨がさきほどまで降っていた平日の夕刻。
 「おめえばっかポイント独り占めしてんじゃねえよ!」状態を期待したが、対岸、下流側にルアーマンの姿あり。
 しかし、この程度ならつりを展開するうえでの不都合は無い。
 水は澄み、ベートは上流側と下流側に濃い。いずれも太い流れがぶつかり、巻き、シャローフラットを控えている。
 コイの他にニゴイ、マルタが見え、ニゴイがバイトしてくることもしばしばであった。フッキングが決まることは無かったが…。
 このままでは「アタったとかバレたとか、そんな話は聞きたくねーんだよ!」と、アナザーギレされてしまうのがオチだ。
 何とかせねば、と集中力を保つ。

 陽が沈む頃、ベイトの溜まるフェラガモ水路入り口付近に40~50センチ程度のナマズが二匹通るのを発見。
 朕の立ち位置がまずかったのか、ルアーを見るなり何処かへと消えていってしまった。
 相変わらず、反応してくるのはニゴイだが、いずれも食いが浅くフッキングまでには至らない。
 かくして「ハードだってさんざん引いたさ!でも釣れなかったんだよ!」と、三輪式に泣き濡れての納竿となった。

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吟場対岸

 5月8日。

 昨日のあんまりな結果にもかかわらず、大量に居たベートフィッシュの逃げ行く様が頭から離れず、再びアユ瀬下に挑む。
 釣れなかったからといって、伝説三輪氏のように感情が先走って「オレが考え無しにやってると思うか?」と泣いて凄むのではなく、客観的に詳細を吟味してから事の可否を判断したいものである。

 連休も終わり、平日の川は穏やかなもの。
 容易に入れる場所でも“ポイント独り占め”状態である。或いは、その釣れなさから人が寄らないだけなのか。
 しかしここは、二つの瀬が合流するポイント。魚が寄らないはずがない。
 スピードワームをドリフトさせたり、ワンダー、Bフォロワーを巻いて様子を見る。
 頻度が高いわけではなかったが、コイがアユを捕食するのを見ることもあった。
 アユの魔法は効いている、と釣果を確信したが日中はコイと思われるバイトがあるのみだった。
 スモールマウスの存在を感じさせるものは見えなかったが、ナマズを釣ることに重きを置いたポイント選び、タックルセッティングなのだから焦ることも無い。光量が落ちるのを待てば良いだけだ。

 瀬の落ち込み、流れの筋、岸際のシャロー、豊富なベートに必ずやナマズは姿を見せるはず、と日没を迎える。
 これまでにナマズの姿を見ることはなかった。
 もはや直接その姿を見ることはできないので、ザラⅡで広範囲に探りを入れてみる。
 しかし、逃げ行く波紋を見ることはあっても、反応してくる形跡はまったく見られなかった。

 途中、公孫戍こうそんじゅより状況を尋ねるメールが入る。
 当然、朕は「オレだってちゃんとやってるよ!」とレジェンド泣きで応答。
 現在の様子を伝えたところ、この一帯に今年、投網が入ったという噂を聞いたことがあるとのこと。アユ漁でなければ、善意の外来種駆除か。
 いつぞや、TVで外来種駆除の様子を放映していた際、参加者がナマズを見て何の魚かわからなかったシーンがあったと聞く。
 かようにして嘘つきどもの善意とは恐ろしいものである。

 人為的な要因があったかどうかはともかくとして、「もしかしたら釣れるかもしれねえじゃねえかよお!」と、泣きながらザラⅡで移動可能な範囲を引き倒したが、遂にノーフィッシュのまま終了の時間が来てしまった。
 ここまでやったなら「ハードだってさんざん引いたさ!でも釣れなかったんだよ!」と、三輪泣きする資格は十分あるだろう。

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プロフィール

dragon

Author:dragon
天に替って道を行おうとする人。
玉帝の導きに従い、非凡なる境地を目指している。

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